『人生を遊ぶ』

毎日、「今・ここ」を味わいながら、「あぁ、面白かった~ッ!!」と言いながら、いつか死んでいきたい。

  

屋外練習

2018-05-21 07:58:00 | 風景
きのうは
皐月晴れで
遠くの吾妻連峰が
くっきりと
浮き立って見えた。

初夏に向けて
雪ウサギもしだいに
その姿が薄らいできた。



ここに
秋田新幹線の
鮮やかな色が
通り過ぎる時には
オオーッ!・・・と
感動する景色になる。







外出ついでに
今シーズンはじめての
屋外練習をしてきた。

近所の青年会館である。

毎年、
大木の前で練習するので、
その前後では
大木に挨拶する。

これまではネタおろしの新曲を
暗譜でやっていたので、
覚えこむのに
あちこちの屋外練習場に赴いては
真剣に練習を繰り返していた。

還暦となって、
今年からもう無理はせずに
楽譜を見ながら
のんびりやろうと思ってからは
気が楽になって
屋外練習をする必要もなくなった。

きのうは
出先の隙間時間に、
ふと来年のソロ曲は
初回に戻って
目をつぶっても弾ける
自家薬籠中のものでやろうと
プログラムを書き出してみた。

愛のロマンス
アルハンブラの想い出
アランフェス
さくら変奏曲
影を慕いて
津軽のふるさと
花祭り
セヴィリアーナス
コーヒールンバ

これらの曲なら
どれもが十八番(おはこ)なので
練習せずとも、今すぐにでも
暗譜で目をつぶったままでも
演奏できる。

それらが、
最後のリサイタルに
相応しい曲集かもしれない
と思った。

還暦を過ぎて、
やはりもう新曲や
大曲、難曲にむかっていく
エネルギーも敏捷性も
失してきた感がある。

慢性的なヘバーデン結節で
1時間練習しただけでも
両指が激痛になるし、
思ったように速いパッセージが
弾けなくなってきた。

哀しいかな
老いるという現実には
抗し難い。





大舞台前の
恒例の作業として、
クラシックとフラメンコの
両ギターのメンテナンスをした。

この作業は
ベッドの上が
楽器に傷を付けることがないので
適しており、録り溜めた番組を
見ながらセッセとしている。

一年間で
金属フレットと指板が
驚くほど汚れるもので、
コンパウンドで磨きあげると
たちまち光沢を放つほどに
ブラッシュ・アップされる。

ただし、この作業、
2本のギターを磨き上げると
冬場でも汗がしたたり落ち、
右親指の爪の根元に血がにじむ。

象牙製のナットには
弦の滑りをよくするのに、
「8B」鉛筆でトレースする。

ポリッシュで念入りに
表面板、横板、裏板を
磨き上げると
鏡面仕上がりに戻り
屋外の青空が映りこむ。

音孔から手を入れて
中にたまった綿ゴミが
毛玉となって出てくるのも
毎年驚くものである。

ピッカピカに仕上がった
両ギターに新しい弦を張って
弾いてみたら、
得も言えぬ美しい音が
鳴ってくれたような気がした。

なにせ、
舞台では
このギターだけが
頼りなのである。





コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 広報出演 | トップ | 竹取りの翁 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

風景」カテゴリの最新記事