『この世のものでない』人々

 「わたしは彼らにあなたのみことばを与えました。しかし、世は彼らを憎みました。わたしがこの世のものでないように、彼らもこの世のものでないからです。
 彼らをこの世から取り去ってくださるようにというのではなく、悪い者から守ってくださるようにお願いします。
 わたしがこの世のものでないように、彼らもこの世のものではありません。
 真理によって彼らを聖め別ってください。あなたのみことばは真理です。
 あなたがわたしを世に遣わされたように、わたしも彼らを世に遣わしました。
 わたしは、彼らのため、わたし自身を聖め別ちます。彼ら自身も真理によって聖め別たれるためです。
 わたしは、ただこの人々のためだけでなく、彼らのことばによってわたしを信じる人々のためにもお願いします。」(ヨハネ17:14-20)

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 イエスの祈り。

 「わたしがこの世のものでないように、彼らもこの世のものではありません。」
 彼ら、すなわち弟子たちは、この時点ではまだ世に属している。
 後に復活のイエスという真理が彼らを聖別して、弟子たちもこの世のものではなくなる。
 そのことは、「彼らのことばによってわたしを信じる人々」、すなわちイエスのお姿を見ておらず、ただ聖書越しに想像するしかない私たちについても当てはまる。
 イエスのお姿を見ていなくとも、復活のイエスに出会って聖別されるのである。
 その恵みによって、イエスを信じることとなる。
 その人は、もはやこの世のものではない。この世で生きていながら、この世のものではなくなるのだ。
 それで世は、その人を憎む。
 世がイエスを憎んだからだ(参/ヨハネ15:18)。世は弟子たちも憎んだ。

 イエスは、これら「この世のものでない」人々を、「この世から取り去ってくださるように」父に願うことは、けっしてしない。
 人間に安逸な逃避をさせるためにイエスが十字架にかかる訳ではない。
 かえってイエスが与えた「いのち」は、世の憎しみその他諸々を引き受けて世を全うし、イエス同様世に打ち勝つ、そのためのものなのだ。
 それでイエスは、「悪い者から守ってくださるようにお願い」して、私たちを愛し応援して下さっている。

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[1版]2008年 4月27日
[2版]2011年 5月18日
[3版]2014年11月 3日

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