目には目で

 「『目には目で、歯には歯で。』と言われたのを、あなたがたは聞いています。
 しかし、わたしはあなたがたに言います。悪い者に手向かってはいけません。あなたの右の頬を打つような者には、左の頬も向けなさい。
 あなたを告訴して下着を取ろうとする者には、上着もやりなさい。
 あなたに一ミリオン行けと強いるような者とは、いっしょに二ミリオン行きなさい。」(マタイ5:38-41)

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 「目には目で、歯には歯で。」は、出エジプト記中の「しかし、殺傷事故があれば、いのちにはいのちを与えなければならない。目には目。歯には歯。手には手。足には足。」(21:33-34)より。
 目に被害があっても殺傷まではするな、目までならよろしいという旨だと思う。

 律法の字づらは、行ない、それも表面上の行ないを問題としている。
 やられたから「目を」つぶしてしまえという表面上のことは復讐心に由来する。
 しかしイエスを通した律法は、「手向かわない」といううわべの行いそれ自体よりも、復讐心、手向かう心そのものを射程に含めている。

 イエスは律法をここまで突き詰めて、あなたは果たして律法を遵守しているといえるのか? と私たちに問い続けている。
 このイエスの問いに接する復讐心だらけの自分は、たとえ実際に復讐をしたことはなくとも、神の目に照らした自分の罪深さに気付かされ愕然とするのである。
 そしてイエスは私たち全員に、愕然とさせたいのだ。

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[付記]

 [一版]2008年 7月12日
 [二版]2010年 5月 1日
 [三版]2012年 1月 8日(本日)

 大幅に加筆修正しました。

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