神融心酔 

中国茶・台湾茶を中心とした素敵な出会いの数々を綴っていきます

蘭亭茶会葉月

2016-08-15 | お茶会
毎年お盆休みは遠出をせず、寝正月ならぬ寝盆を決め込んでいます。
都内各所も比較的のんびりとしているこの時期、
以前から行きたいと思っていた「蘭亭」さんのお茶会にエントリーすることができました。

「蘭亭」さんのお茶といえば私にとっては2004年産のグリーニッシュシャンピンの美味しさが忘れられません。
グリーニッシュシャンピンは店主の藤原さんの老師である桃園の名茶師が
ウンカの襲来が多く製茶条件の恵まれた年だけに
東方美人とは異なる別工程の軽発酵で作る希少なお茶。
確か2005年は作ることができず、その後はできたとしてもお値段が上昇してしまったと記憶しています。

今回ご一緒したのはヒロエさんとうらりんさんともうお二人も偶然に茶友のKさんとそのお友だちが参加。
知り合い同志ということで、藤原さんに無理を聞いていただいて、グリーニッシュシャンピンを茶譜に加えていただきました。

最初の梅家塢龍井はコクがありながら飲み口のスッキリとした上品な味。
三煎目からは安徽省産の野生の雪梅を加え、甘さと酸味が心地よいバランスでした。

そして期待高まるグリーニッシュシャンピンは2016年の広東省産、品種は金萱。
今年は台湾では東方美人を作る時期の気候に恵まれず、生産量も今一つ。
グリーニッシュシャンピンは作れなかったそうです。
老師が広東省に生産指導に行った際に作ったものとのこと。

口に含むとまぎれもなく思い描いていたグリーニッシュシャンピン。
広東省産と言われなければわかりません。
名人が作るとどんな条件下でもしっかり結果を出せるのだと納得させられる美味しさでした。

最後の東方美人も同じ広東省で
老師が作られたもの。
こちらも安定のクオリティー。



お茶の美味しさは産地も品種も大切だけれど、それも茶師の腕があってこそ。
「弘法筆を選ばず」ならぬ、「名茶師場所を選ばず」、条件さえ揃えばいいお茶を作ることができるのだと改めて実感しました。

そして、そのお茶を生かすも殺すもやはり淹れ手の力量と愛情あればこそ。
藤原さんの淹れてくださるお茶は美味しいのはもちろんのこと、活力をもたらしてくれる、そんな気がいたしました。

■茶譜■
トップ写真左上参照。

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