神融心酔 

中国茶・台湾茶を中心とした素敵な出会いの数々を綴っていきます

碧螺春を飲みながら

2005-04-17 | 緑茶(中国茶)
遊茶さんから西山碧螺春入荷のお知らせのお電話をいただいたので、週末に買ってきました。
私は碧螺春が好きだー。
龍井ももちろん好きなんだけどね、碧螺春の茶葉の煎じる前と後の「変身~~♪」みたいな意外性が可愛いと思うんですよ。
低温でまろやかに淹れるのもいいけれど、私は高い温度できりりとした青い香りとかすかな甘みを楽しむのが好みです。


碧螺春を飲みながら、ふと大昔の江南旅行のことを思い出しました。
まだ中国では外国人の個人旅行が簡単には出来なかった1980年頃、上海の日本総領事館でバイトしていた同級生に招聘状を出してもらってビザを取り、友人と4人で学生最後の春に江南~桂林~広州~香港を旅しました。

その時の写真を見ると、現地の人たちは男性はほとんど人民服や紺色の上着、女性も地味な綿入れを着ています。
今とは全く違う雰囲気ですね。この頃はまだ人民公社もあったし、中国のトップも人民服を着ていましたからね。

蘇州、無錫、杭州で出会った人々は皆優しく暖かく接してくれました。
思えば学生時代のこの旅行がきっかけで私はずっと中国関係の仕事をしていこう、と決心したんでした。
(そして、その決心は10年後の天安門事件でいったん揺るがされることになるのですが・・・。まあ、それはまた別のお話ですね)

25年前の中国は、文革の動乱が一段落し、皆自分の生活に一生懸命な時期でした。
海外からの情報もまだあまり入らず、ある意味鎖国状態であったのでしょう。
私たち外国人に対し、とても親切で素朴なもてなしをしてくれました。
もちろん世代によっては日本に対する感情は複雑なものがあったのでしょうが、
私が接した当時の人々は日中友好という前向きな姿勢を持った人たちが多かったように思います。

奇しくも今、反日運動が各地で激しさを増し、上海でも大規模なデモが行われたとの報道がありました。
今年は抗日勝利60周年の年でもあり、日本の安保理常任理事国入りに関わる問題や尖閣諸島問題、歴史教科書問題といろいろと重なっています。

日本も中国も戦後日中友好関係のために奔走した世代が次第に交替し、今は両国のパイプ役となる人材が空洞化している時期なのかもしれません。
これからの日中関係はどういう方向に動いていくのでしょうか。

25年前の江南旅行をした友人と、いつか同じコースで旅をしたいね、と話すことがあります。
もしその時がやってきたとしたら、この写真を携えて出会う中国の人たちに当時の思い出を話したいと思います。
願わくは私たちの中国への厚い思いが伝わりますように。
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