サムイズダート・ロシア

めざせロシア式菜園生活!ダーチャごっことロシア&北海道のお話あれこれ

明るい小川

2008-12-31 | ロシア系イベント
今ごろですが、ちょっと前(12月10日)にボリショイバレエの
『明るい小川』(ショスタコーヴィチ作曲)日本初演を見た。
「明るい小川」という名のコルホーズ(集団農場)を舞台に、
収穫祭の一幕を描いた楽しく可愛くコミカルなソビエト・バレエ。
70余年前、共産党機関紙「プラウダ」はこの作品を痛烈に批判し、
コルホーズをちゃんと取材せよ、などと書いたらしいが、
ロシア人がコルホーズでは適当にしか働いてなかったのは有名な話。
むしろこのバレエに描かれた屈託のないお祭り騒ぎのほうが
実態に近いんじゃないだろうか。
今のロシア人がこのバレエを見て郷愁を感じる、
というのがとてもよくわかる気がした。
それと、このバレエではダーチャに住む年配の夫婦が
暇を持て余した別荘族ふうに描かれていて、
1930年代、即ち第二次世界大戦前のダーチャは
まだ自給自足の場ではなかったことがうかがえて興味深い。

それにしてもこの「明るい小川」という地味すぎる邦題、
すでに定訳になってるけど、いつどなたがつけたものなのか?
つくづく思い出すのは、ロシア歌謡の研究家Yさんの言葉。
「初めて日本語表記をつける人は気をつけないとダメよ。
それがそのまま定着することになるんだから。
あえての言葉を使うときは、確信犯でやること!」
上演禁止から70年間お蔵入りになっていた作品なわけだから、
バレエを見ないまま音と情報だけでタイトルをつけるのは、
訳者にとっても不本意だったろうけれど、
「スヴェトリィ・ルチェイ」の訳なら「清流」が妥当だろうし
ことコルホーズの名前ならもうちょっとソ連的パンチがほしいところ。
でも、「明るい農村」みたいなNHK的なミもフタもない実直さが
別の意味でのインパクトを生み出しているのも確かなわけで、
してみるとこれは確信犯なんだろか??

ほんとに日本初訳出っていうのは難しい。
まさに同じようなことで四苦八苦してるので、
身につまされる思いである。
嗚呼、ついに3度目の年越しだ~。
来年こそこのプロジェクトに明るい未来は待っているのか…??
С Новым годом!
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ピーナツ収穫!

2008-12-30 | ダーチャごっこ
年の瀬迫って、ようやく葉っぱが枯れかけてきたので
ピーナツ4株ひっこ抜く。ささやかながら今年最後の収穫!
思えば可愛い日々でした。花が咲き、しおれます。
 
8月下旬、しおれた花の付け根から子房の先がのびてきて…

着地!土にもぐってマメをつくります。まさしく“落花生”!

大変!プランターからはみ出した。
1プランターに2株はやっぱ狭すぎ。

急きょ両側に別のプランターを寄せて、遠征部隊を誘導。
結局4つのプランターを並べるはめに。
こんなことなら最初から1株ずつ植えるんだった。

2ヵ月半ほどほっちらけておいて、ようやくこのたびの収穫。
ちぎれて地中に取り残されたマメを探して土を掘り返したら、
取り残され組(右半分)のほうが丸々してた。即、天日干し。

ついでに来季のために土を耕し、雑草や根を取り払い、
日に当てておいたらほかほかの土になりました。
地中に眠っていた十数匹のコガネムシの幼虫くんたちには
年内最後のゴミと一緒に火葬場行ってもらいます。
園芸家は時として心を鬼にしなければならないのだ。ごめん!

ピーナツのベランダ栽培前半戦はこちら
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グルジア料理店ガンバルジョ

2008-12-29 | ロシア料理とその仲間たち
前々から気になっていた五反田のグルジア料理店ガンバルジョへ。
グルジア料理専門のレストランは、ここが日本初だそう。
残念ながら、昨今のロシア・グルジア情勢悪化のため
待望のグルジアワインは赤白それぞれ1種のみでしたが
久々のムクザニ(赤)2001年を巨大グラスで堪能。

お料理は3000円コース
  
クルミを使った前菜3種、ハチャプリ、チャホフビリ(鶏のトマトスープ)
  
“大龍包”ヒンカリ、シャシリク、クルミと蜂蜜のお菓子ゴジナキ

ハチャプリは何度食べてもおいしい!
グルジア人のオーナーさんは「家庭でつくるチーズパン」と
説明してらしたが、ここのはほんとに家庭的で素朴な感じ。
ロシア料理店のグルジア料理とはまた違って
全体にグルジアの家庭の味により近いのではないかという印象。
うーん、ますますグルジアに行きたくなってきた。

お茶目にポーズをとってくれたグルジア人シェフは
トビリシのレストラン「アラグビ」出身だそう。

カウンターバーのある無国籍な不思議空間。
なぜかMTVやマドンナのライブ映像が流れてました。
Comments (2)
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ソ連パビリオン

2008-12-28 | お宝コレクション
先週末、経堂の日本ユーラシア協会本部にて
早くも来年のダーチャツアー企画の第2回打ち合わせあり。
その帰路、商店街の古本屋さんの前に置かれた段ボール箱のなかに
「ソヴェト文化」なる文字を見つけて立ち止まる。
さすが協会本部お膝元の地だけあって、
ソ連がらみのお宝がざくざくあるではないですか。
やや!懐かしの大阪万博ソ連館パンフ発見!

おお!ソ連や~。
紛れもなくこれは、ソ連本国で印刷されたもの。
往年の「ソビエトグラフ」や「ソビエト婦人」と活字が同じだ。
それにこの胸躍るプロパガンダ口調の実直な翻訳!懐かしい~!
 親愛なみなさん!

万博当時、ソ連館は長蛇の列で入れなかった悔しい思い出がある。
なので残念ながらソ連館そのものを語る立場にはないのだが、
まさに語るにふさわしい方が身近におられる。
「ソ連館の美人ホステス(コンパニオンのこと)」として
当時のマスコミにも紹介されたロシア美人とは、誰あろう
かねてからこのブログにも書いているロシア婦人Sさんなのだ。

早速Sさんにパンフをお見せしてみた。
「んまぁ!そうそうここ!この受付にいたのよ!」と
館内の見取り図を指差して、めくるめく記憶の彼方へ…。
「ガガーリンの展示はどこかしら。あ、ここだわ!
そうそう、1階にレストランとコンサートホールがあったのよねぇ。
2階は文化と芸術、3階はシベリア…。懐かしいわぁ」

当時ソ連館で共に働いた日露の美人ホステスたちは、
60歳近くなった今も交流を保ち続けているそうだ。
ほかの国のパビリオンでも、同じような交流があると
本で読んだことがある。
万博パビリオン娘たちのその後。知りたいなー。
Comments (2)
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自動翻訳機能

2008-12-21 | ロシアコラム
自動翻訳機能を使うためには、原語と訳される側の言語を
両方理解してないととんでもないことになる、
といったようなことを以前に書いたけれども、
先月末、来日したオランダ医療改革ミッションの記事を書くため
必要に迫られてオランダ語サイトをグーグルで翻訳してみたら
やっぱりとんでもないことであった。
最初から期待はしてないが、なんとなくでもわかればまだいい。
でも、これはいったい何の訳なんだ!?
と皆目見当のつかない爆笑につぐ爆笑の訳語の数々。
モニターの前で笑い転げてばかりで作業がちっとも先に進まーん!
いちいちあげつらっていたらキリがないが、例えば

「人のウナギはありません」

ってなんなんだー!? 
製薬会社のサイトなのに、何をどう訳せばこうなるのだ!
と、人のサイトなら笑ってすますこともできるが、
我らが「勝手にロシア通信」のサイトを、とあるロシアの方が
ご親切にもグーグルのロシア語翻訳画面にリンクして
紹介してくれちゃってるのを発見した時は冷や汗ものでした。
ただでさえオリジナルの「ダダっこツアー」の連載からしてが
不条理ストーリーなのに、稚拙な翻訳機能にかけることで
さらに不可解さが加わった気のふれた文章になっちゃってるのだ。

それに比べると、ロシアのフリープロバイダー、mail.ruの
メール翻訳機能はスグレものだ。
ことに英文からロシア語への翻訳の精度はかなり高く
複雑な格変化も一瞬にしてこなしてしまわれる。
といっても、そのままコピペして使っちゃうようなことはしないが
文章の確認、添削には有効だし、言い回しの参考にもなる。
しかもこの機能、日々進化してるのがエライのだ。
去年使い始めた時は、まだアラがあって、
なんでこんな訳になっちゃうの~?とか
なんでこんな簡単な言葉が訳せないの~?とか
しょっちゅう突っ込んでたのに最近はえらく優秀だ。
I'm とかI'dとか省略すると以前は読んでくれなかったのに
今ではちゃんと理解してるし。
翻訳ソフトそのものに学習機能があるんだろうか?
それともロシア人プログラマーが日々是修正してるのか?
どっちにしても、進化を見るのは気持ちいいものである。
これくらい自分のロシア語も進化させないと…と大いに反省。
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強敵ロシア婦人

2008-12-09 | ロシアコラム
S先生はいかにして日本の常識から突拍子もなく外れていくか?
…10/17のつづき。案の定、いろいろやらかしちゃってくれます。

「本にあうイラストの描けるお知り合いのロシア人いませんか?」
と編集者に尋ねられたS先生、早速候補者を見つけてきた。
ところが聞けば、絵をたしなむ程度のまったくの素人さん。
さらによくよく聞けば、日本人だというではないですか。
「ロシア人がいなければ日本人でもいい、って話だったじゃない」
と、そういう余計なことだけはよく覚えておられるんだな、これが。
「日本人ならいくらでもプロがいますよ!」と暗に異を唱えると
「あら、もう頼んじゃったわよ」とケロリ。
「えっ…。決めるのは編集者ですよ~」
「んまっ!…私にだって決める権利があるわよっ!」
って、なんで逆ギレされるのだ。
「と、とにかく、絵のサンプルを見せてください」
「わかったわ!彼、とってもセンスがいいんだから」
ううむ、ロシア人が言ういいセンスってどんなセンスだ~??

後日、早速その素人画家さんに連絡をとったS先生だったが、
幸か不幸かその方は体調不良でNGに。あーよかった。
と胸をなでおろしたのも束の間、何やら画集を持ち出したS先生、
「知り合いなんだけど、この人なんかどうかしら。
ロシア人だし、プロだし、トレチャコフ美術館の関係者なのよ」
と、と、とれちゃこふ~!? 今度はプロすぎてギャラが払えん!
なんでそう両極端なんだか。
それに作品を見れば油彩の写実的風景画。
そもそもイラストの何たるかがわかってないってことである。
いったい今度はどんな人を見つけ出してくるつもりだろう。
っていうか、ムリに見つけなくていいんですけど、
頼まれごとをされると妙に張り切ってしまうのがロシア人である。
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