サムイズダート・ロシア

めざせロシア式菜園生活!ダーチャごっことロシア&北海道のお話あれこれ

『ロシアの大人の部屋』中国版

2011-12-30 | ロシアコラム
じゃじゃーん!なんと『ロシアの大人の部屋』の中国版が。
といっても得意の海賊盤ではありません(笑)。
まっとうな翻訳版で、中身は日本語版に忠実なつくり。
でもさすが中国、表紙に選ばれた写真は
ド派手系のチャイニーズ・キッチュでした!
テーブルの上とかとっ散らかってて、
日本なら絶対表紙には選ばれない写真ですけど
デザインも可愛らしく、これはこれでアリですね。

微笑ましいのは手書きの日本語題字。



なんでしょう、このヘタさ加減の妙。
上海で買ったヘタウマ漫画に通じるおかし味が。
それに飾り写真のマトリョーシカ、
日本語版ではガモワさんの作品を使ったのですが、
こちらはオーソドックスなタイプを本文中から流用。
こんなところにも中国人の好みがわかって面白いですね。
このあと台湾版も登場予定です。

ロシアの部屋に始まり、ロシアの部屋に終わったこの1年。
今年はあまり更新できませんでしたが、
お読みくださった皆さま、ありがとうございました。
コメントにお返事できていない皆さま、ごめんなさい!

どうぞ良いお年をお迎えくださいませ!
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ロシアの少子化対策

2011-12-07 | ロシアコラム
ロシアも先進諸国の例にもれず少子化が問題に。
でも、その対策たるや日本の子供手当ての比ではない。
2007年から、第2子以降が生まれるたびに
「母親資金」として36万5,000ルーブル、
なんと約95万円が支給されているという。

読売新聞のロシア情報紙『ロシアNOW』最新号によると、
加えてこのたび、3人以上子供をもつ家庭は
タダで土地をもらえることになったとか!

「お国は素晴らしいですねぇ」というつもりで
その紙面をロシア女性S先生にお見せしたところ、
ふ~ん、はいはい、とやけにそっけない。
「あのね、これはヴィルトゥアルヌィなのよ」
え?ヴィルトゥなんですって?
「コンピューターの中だけってこと」
ああ、ヴァーチャルってことですか…。
って、それどういうことでしょう!?
とたんに、S先生の弾丸炸裂。

「母親資金なんて名前だけよ。
うちの息子に去年2人目の子が生まれたけど、
1カペイカだってもらってないわよっ!
今度は土地がもらえる? ああそうですか。
ウソです。みんなウソっぱち!
プーチン政権になってから、あるのは嘘と汚職だけ!」
は、はあ、そーなんですかぁ。
でもこの新聞面白いですよ、と話題を変えようとすると
「じゃあ面白そうな記事があったらまた教えて。
今度はどんな嘘が書かれてるのかしらねぇ」

…ううむ。ほんとかしら。
ほんとに母親資金をもらった人は
ひとりもいないのか!?
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忘れられたハイテック

2011-12-03 | モスクワ取材2010
ロシア人への取材やロシアのサイトを通して知ったには、
今ロシアのインテリアの先端をゆくのは、Хай-тек なんだそう。
おお!懐かしのハイテック!
国がバブルになると同じ嗜好をたどるのかぁ。
……と何の疑問ももたず、原稿に「ハイテック」と
書いていたら、校正時に出版社から赤が入ってきた。
「“ハイテク”ではいけませんか?」と。

いけません!ハイテクは機械系、ハイテックはインテリア!
そうですよね?と編集さんに聞くが、若すぎて知らないという。
そうか。なら手近な年配者に聞いてみよう。
ねえねえ、昔あったよね、ハイテックって言葉。
「そうだっけ?覚えてない」
ほら、コンクリート打ちっぱなしでモノトーンで、
バブル期のカフェバーとかで流行ったインテリア!
YMOとかテクノの時代。
「うーん、知らないなー」
えっ!あんなにメジャーだったのに!?
ならば同世代の友人Rなら覚えているだろう。が…。
「それってメジャーな言葉じゃないよ。
仲間うちでふざけて使ってた言葉では?
ハイテック♪多摩テック♪って…」
聞く相手を間違えた。一般人代表の友人T子に聞いてみよう。
「ああ、あったあった。ハイテクって言葉になる前に
ハイテックって言ってた気がする~。
でもインテリアのことだっけ??」

なんでみんなそんな薄い記憶しかないのだ!?
「ハイテックなカフェバー」というフレーズを
私自身、確かに記事に書いた記憶があるのに。
が、そんな昔の記事など残ってない。
一応ネットで裏をとっておこう、と検索したが、
みんな「ハイテク」表示になっている。
記憶をたぐり寄せると、確かにT子が証言したように、
「ハイテクノロジー」は当初「ハイテック」と略され、
それがいつしか「ハイテク」に統一されてきたような…。
ネットで見る限り、現在の「ハイテクなインテリア」とは
ハイテク技術が装備されたインテリア、みたいな意味で
使われているもよう。違う違う!これじゃない!

そこで、インテリアデザイナーの友人にも聞いてみた。
「うーん、バブルの頃はイタリア・モダンが主流。
ハイテックって知らないなー」
ぎょえー!じゃあ私の鮮明な記憶はなんなのだ。
まさか妄想!?
自信満々で、「ハイテックでよいのです!」と
校正を戻そうと思っていたのに、もう時間がない。

と。先のインテリアデザイナーの友人からメールあり。
「あったあった!」と送ってくれたのが、
一昔前の専門書からの引用文である。以下転載。

 ハイテクあるいはハイテックと呼ばれるデザイン手法は、80年代インテリアを特徴づける一つのキー・ワードである。鉄板、鉄パイプ、ワイヤー、鉄骨、ボルト、さまざまな配管の類や天井を透かして見せるパンチング・メタルのボード。そうした、まるで工場から直送されたばかりと思わせる生のままの工業素材が、インテリアの随所に使われたのである。
(『インテリアの近代』下村純一著、講談社現代新書より)

ああよかった、古老の妄想じゃなかった!とひと安心。
これで大手を振って校正を戻せます~。
にしても、あの頃あんなに流行ったのに
誰も覚えていなくて死語と化していたなんて。
この一件で、大昔よりもむしろ近過去の80~90年代、
ネット時代前の記録が意外とないものだと思い知る。
そして、これがモノなら押入れの片隅に残りもしようが、
建築は淘汰されたら存在そのものが消えてしまう
という運命に一抹の哀愁を感じたのでもありました。

さて、日本のバブルから四半世紀遅れで流行中、
ロシアのハイテック・インテリアの一例がこちら。

http://www.vzstudio.ru/rus/portfolio/publicrooms/bar
『ロシアの大人の部屋』にもご登場いただいた
インテリアデザイナー、ヴァルヴァラさんが手がけた
モスクワのクラブ Bar Ne Barの内装。
メタリックで宇宙的、天然素材より金属やプラスチック。
暗くてよく見えないと思いますが、天上には
懐かしの配管がのたくっています。

円形のハイテックな照明は、若い人に人気らしく、
一般住宅にも使用例が。
モスクワ大学学生のクリスチーナさんは
自宅アパートのキッチンと玄関にとりいれてました。
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ロシアの部屋メール取材

2011-12-01 | モスクワ取材2010
 今年は「ロシアの大人の部屋」には書けなかったこぼれネタや裏話を、少しずつ書こうと思っていたのですが、発行直前に震災があり、なかなかその気になれず。そうこうするうちに忙しくなってしまい、はや年末となってしまいました。で。忘れないうちにボチボチと書いてみようかと……。

ロシアの部屋の補足取材は、写真を見ながら
「これは何?素材は?年代は?思い出は?」と
ひとつひとつこちらから質問を投げかけ、
回答をメールで送ってもらうスタイルで進行。
一人につき、だいだい20~30項目くらいの質問を
させていただいたのだが、回答に傾けられた熱意にびっくり!
部屋はプライベートな空間だけに、聞きづらいことも多々あり、
根掘り葉掘り尋ねて迷惑がられるんじゃないかと思ったが、
自分の部屋やインテリアに興味をもたれることを
逆に嬉しく思ってもらえたらしく、総じて皆さん
一生懸命回答を書き送ってくださった。

例えば法律家のリュ―バさんは、
Wordで8枚に及ぶ長編レポートを書いてくださり、
注として参考サイトを添付するなど、まるで論文。
しかもこの方、お友達であるところの別の取材対象者の
マケット(ゲラ)にまでダメ出ししてきたり、
完成した本の感想をレポートにしたためてきたり、
相当なレポートマニアである。

それから辛口のカリーナさん。
「トイレットペーパーの写真のどこが面白いの!?
この家にはもっと見るべきものがあるのに
それが写ってないのはどういうことかしらね!!」
ほとばしる辛らつな物言いの数々に一同たじたじとなり、
「カリーナさんが姑の顔に見えてきた」と編集さん。
あとでロシア側スタッフに聞けば、今回の取材対象者のなかで
この方が一番の難物だったとか。道理で!

何にもまして忘れ難いのは、おばあちゃんたちの回答。
ガリーナさんは、何日もかけて手書きでびっしり書いてくれ、
こちらが質問したことによって、「部屋にあるモノの
ひとつひとつにまつわる思い出がよみがえってきました」
と逆に感謝されてしまってジーンとくる思い。
そして最高齢のジナイーダさんは、なぜだか
ロシア語をローマ字表記でタイプして送ってこられた。
はっきり言って読みにくい。解読に時間がかかる(笑)。
でも、モノにまつわる青春時代の思い出話は、
読んでいて情景が浮かぶようで感涙ものでした。

これらの回答群は宝物。
本には一部しか引用できなかったので
そのまま訳してお見せしたいくらい!
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