サムイズダート・ロシア

めざせロシア式菜園生活!ダーチャごっことロシア&北海道のお話あれこれ

ばんえい記念2019動画観戦

2019-03-31 | 勝手にばん馬メモ
帯広では毎年ナマで見ていた「ばんえい記念」、
今年はライブ中継で応援しようと思っていたけれど
残念ながら用事があって開始時間に間に合わず。
あとから動画を見て、やっぱり感動した!

2019年3月24日、第9レース「ばんえい記念」。
初参戦のセンゴクエース、圧勝でした。
第二障害降りてからの馬脚、まったく衰えず
先行馬をすんなりとらえて、わしわしとゴール!

この馬には思い出があります。
2年前、厩舎取材で診療所に立ち寄ったときに
「この馬はいい馬だから写真を撮っておくといい」
と言われて撮ったのが、この一枚。



堂々として、神々しいまでの佇まい。
いつか、ばんえい記念に出るだろうと思っていたけれど
初参戦で優勝を果たすとは、あっぱれです。

しかし、ばんえい記念の本当の感動は最後の馬を見届けること。
今年のヒーローは、間違いなくドルフィンでしょう。
出走表を見て「ドルフィンWHO?」と思った人も多いはず。
トップホースにまじって、下のランクから参戦して大丈夫なの!?
ああ、やっぱり障害につかまってるぅ‥…。
つい「頑張れ!」と声をかけてしまう。録画なのに(笑)。

そして、抜けたー! 降りたー!
一歩一歩踏みしめ、ゴールを目指すドルフィン。
焦らず、冷静に、大事に大事に馬を進める松田騎手。
そしてようやくゴールし、全馬完走!
去年の事故のこともあり、関係者の皆様は
さぞかしほっとしたことでしょう。

うーん、やっぱりこれはナマで見たかったなー。
オフィシャル動画では、コースしか映らないし、
実況アナウンサーの声しか聞こえない。
観客のどよめきや、馬と並走して一斉に移動する一体感は、
その場にいなければわからない。
それこそが、ばんえい記念の醍醐味なのだ。

ばんえい記念を動画でしか見たことのない人は、
ぜひ一度、帯広競馬場に足を運ばれたし!

第50回ばんえい記念

2018-03-26 | 勝手にばん馬メモ
2018年3月25日(日)、ばんえいの最高峰レース「ばんえい記念」開催。


晴天に恵まれ、多くの観客が詰めかけた帯広競馬場。
恒例の自衛隊による生ファンファーレが場内を盛り上げる。

体重1トン級の選ばれし名馬が、重量1トンをひく最高峰レース、
「ばんえい記念」を生で見るのは、たぶんこれが最後になると思うので
満を持して観戦にのぞんだのだけれど……。
レース中に出走馬の1頭が再起不能になるという
あまりにもやるせない結末を迎えることになってしまって
丸一日たった今も、胸がざわついている。

第一障害を越える8頭の精鋭たち。

左から①トレジャーハンター、②サクラリュウ、③ソウクンボ―イ、
④フジダイビクトリー、⑤ホクショウユウキ、⑥オレノココロ、
⑦ニュータカラコマ、⑧コウシュハウンカイ

第二障害手前、進んでは止まる。駆け引きの時間。

手前は7番ニュータカラコマ。この時はまだ平常。

にじり寄る第二障害。


最初に越えたのは、一番応援していたコウシュハウンカイ。


そのまま抜けたー!


昨年の覇者、一番人気のオレノココロが続かない。
どうしたんだ! このままコウシュハウンカイ逃げ切りか!
…と思いきや、遅れて障害を下りたオレノココロが
うんしょうんしょと力強い足どりで追い上げる。

前をゆくコウシュハウンカイが止まる。
ああーっ!とどよめく会場。
そのまにオレノココロが追い上げると
おおーっ!と歓声があがる。

ゴール目前、ほかの馬も追い上げて大接戦。


ばんえいのゴールは、馬の鼻先ではなく、そりの後端。
ギリギリまで勝負はわからない。

制したのは、下馬評どおりオレノココロ。強い!


ゴール手前で競り合う好勝負に白熱したあとは、
残る馬たちがゴールするまで温かく見守るのが、
いつものばんえい記念なのだが、今年は違った。
ゴールまであと20mというところで、
ニュータカラコマが、右半身を下にしてばたりと倒れる。
じきに立ち上がってくれるものと誰もが願った。
遠目からも、最初はぴくぴくと動いているのが見えたが、
やがて動きが弱くなる。観客の視線が釘付けになる。

騎手がようやく馬からそりを外し、
担当と思われる厩務員が馬に近寄って頭をなでる。
誰が見ても異常事態なのに、誰も駆けつけないし、
実況アナウンスも不自然なほど倒れた馬に言及しない。
おそらくは、実況室にも情報が届いてこないのだろう。
スタンドに詰めているばんえい実行委員たちは
相当に動揺し、混乱していたに違いないのだが、
現場にはそれは伝わってこない。

すでに最後の馬もゴールし、次のレースの準備が
いつものようにゴール裏で着々と進められている。
ばんえいに限らず、競馬のレース手順は分刻みに決められているので、
コース上のスタッフは、分業で各自の役割を淡々とこなすのみ。
それがことさらに非情に見えてしまう。
動かなくなった1トンの巨体から、観客は目を離すことができず
その場を立ち去ることもできないまま、時間が流れる。
やがてトラクターがやってくる。
帯広市のばんえい振興室室長自らが、
馬を隠すようにしてブルーシートを掲げもつ。



次のレースの入場行進と入れ替わるようにして
ブルーシートに包まれたニュータカラコマが
重機で運び出されていくと、会場に静かな拍手がわいた。

レース結果を告げる電光掲示板。


1着オレノココロ、ばんえい記念連覇。
2着フジダイビクトリー、ばんえい記念2冠目。
3着コウシュハウンカイ、惜しい!
4着サクラリュウ
5着ソウクンボーイ

その日のばんえい十勝公式サイトの発表には、単にこうある。

ばんえい十勝で、ニュータカラコマ号(牡・10歳)が、2018年3月25日(日)にレース中の事故により死亡しました。

少々違和感のある表現。何かの物理的な事故が死因のような書き方だが、スポニチの報道では「心不全の疑い。獣医師が駆けつけた時はすでに予後不良だった」とある。競馬における「予後不良」とは、すでに打つ手がなく、安楽死処置がとられる状態のことだそう。ならば運び出されたときには、まだ息があったということなのだろうか。公式発表なら、もう少し詳しい説明がほしかった。

ばんえいのレース中の死亡事故は、平地競馬に比べると少ないとはいえ、過去にも何度かあったそう。「みんな泣きながらコースから運び出した」と当時の振興室長は語っている。ましてや今回は「ばんえい記念」という最高レースにおける事故。ばんえい=残酷、虐待というイメージを増幅させかねないだけに、関係者の心中はいかばかりのものか。

今年度、ばんえい競馬そのものは、帯広市単独開催が始まって以来、最高の販売額を記録し、200億円の大台を達成したとのこと。けれども順調に見えても、決して手放しでは喜べない状況であることを、複数の関係者の方々から直にお聞きした。馬主も馬の生産者も高齢化し、騎手や調教師を目指す人も極めて少ない。馬も人も減っているのに、レースの数は変わらない。販売額が伸びているといっても、ネット販売が8割近くを占め、ネット業者の手数料がかかる。賞金額は平地競馬とは比べものにならないほど低い。馬が主役なのに、競馬の収益が馬に還元されない、と憤る声も聞いた。馬たちのためにも、ばんえいには続いてほしい。でも、そのために何ができるのか…。



ニュータカラコマ、最後のパドックでの雄姿。
おつかれさま。安らかに……。

第27回ばんえい記念

2017-03-31 | 勝手にばん馬メモ
3月20日から早1週間以上たってしまいました~。
今年も見てきました。ばんえい競馬の最高峰レース「ばんえい記念」。

久々に訪ねた帯広競馬場は、このレース目当てのお客さんで大入り満員。
当日は風が強く、気温9度ながらも体感温度はぐっと低く
レース以外の時間帯は誰も外に出ようとしないので
スタンド屋内は人であふれんばかり。

いよいよ第9レース。農林水産大臣賞典「ばんえい記念」の始まりです。

誘導馬のミルキーちゃん、今日もおめかし。


陸上自衛隊の演奏にあわせて、選ばれし9頭の精鋭たちが馬場入場。

1 フジダイビクトリー(9歳・昨年のばんえい記念優勝馬)
2 コウシュハウンカイ(7歳)
3 ニュータカラコマ(9歳)
4 カイシンゲキ(6歳・ばんえい記念初出走)
5 フクドリ(11歳)
6 キタノタイショウ(11歳・一昨年優勝、今季で引退)
7 ホクショウユウキ(8歳)
8 オレノココロ(7歳・初出走)
9 サクラリュウ(7歳・初出走)

緊張のスタート! 1トンの重量をひいて、飛び出す馬たち。

この日の馬場水分は0.6%。水分量少なめの重い馬場。
そのわりには各馬、順調に第一障害をクリアしていきます。

きました! 第二障害手前の中間地点。

じりじりと進んでは止まり、進んでは止まり、各馬かけひき。

第二障害手前で全馬停止。息をのむ観衆。

なかなか動きません。誰が最初に仕掛けるか!?
このあたりから観衆は興奮状態。
「いけいけー!」「ガンバレー!」の声が飛ぶ。

いったー! 力量ある面々そろい踏み。でも上がらない!

二度、三度、四度と各馬ためては踏み出すが1トンは重い。
かなり手こずってます。でも崩れる馬はいない。

抜けたー! どよめきが起こる。

最初におりたのは3番ニュータカラコマ。

続いて昨年の覇者、1番フジダイビクトリーもおりる。

観衆はいっせいに馬と並行して駆けだす。やんやの歓声。
後続の馬たちも続々とおりてくる。
今年はやけに足並みがそろってる感じ。

一気に抜け出したのがオレノココロ。夕日を浴びて茶色に見えますが青毛です。

前をゆく馬たちを追い越してスルスルとトップに躍り出る。
鈴木騎手はこの余裕のフォームを保ったまま、
ほとんど鞭(実際は手綱のはしっこ)を使うことなく…

こんなに引き離してぶっちぎりの優勝~。

ばんえい記念初挑戦ながら、さすが1番人気!
っていうか、常連のみなさんの予想はさすがです。

続々とゴール。最後まで混戦模様で場内は興奮の渦。

これが引退レースとなるキタノタイショウ堂々の2位!
よくやったー。お疲れさん!

そして最後の1頭まで見守るのが、ばんえい記念の真骨頂。

フクドリさん応援してたのですが、力及ばず。
でも昨年は障害の上で倒れこんでしまったのに
今年はしっかり踏みとどまりました。11歳、がんばった!

それにしても1トンとはどれほどの重さなのか見当もつかない。

鉄製のそりだけで450キロ。
そりの上に4つの箱がありますが、ここに重りが入ってます。
重りといっても鉄の板。スポーツジムの筋トレマシンの負荷重量のように
鉄板の枚数で重さを調整しているそう。
たぶん一番前の箱に50キロの板が4枚、3番目も4枚、4番目は3枚、
しめて550キロ。これにそりの重さが加わって1トン。

で、2番目の箱は何かというと、騎手の重量を調整するウエイト入れ。
騎手重量は77キロと決まっているので、体重が足りない人は
ここに足りない分のウエイトを入れます。

すると正確には1トン+77キロ、1077キロ!ってことかしら。
どっちにしても、とてつもない重さです。

優勝馬オレノココロ。おめでとう!

こうして今年も全馬完走。感動のうちに幕を閉じました。

ばんばのリッキー走る

2016-06-14 | 勝手にばん馬メモ
哀愁の後ろ姿。


帯広競馬場のPRばんば第1号として長年活躍するリッキーくん。
馬車をひいたり子どもたちを背に乗せたりして
ばんえい競馬のPRに貢献してきた彼も御年18歳。
最近はこうやって後ろを向いていることが多くなった気がします。

子どもたちや観光客がニンジンを持って遊びに来ると
ようやく顔を出してくれるのですが…。

人がいなくなると、すぐに引っ込んでしまいます。

そのリッキーが…!!

ひぇ~!馬場を走ってる!


どっすどっすと大迫力で猛進!


蹴り足の力強さ!すぐ前を通過する馬体がでかすぎて
カメラにおさまりきれない。


でもすぐ休憩(笑)。
この日はたまたま調教師さんがリッキーを馬場に出して
運動させる場面に遭遇。競馬開催日だったので
気づくお客さんは少なく、貴重な光景が見られました。

第48回ばんえい記念

2016-03-21 | 勝手にばん馬メモ
2016年3月20日、帯広競馬場、晴天。

本日は年に一度の大一番「ばんえい記念」の開催日。走路整備も念入りに。
遠くにくっきり大雪山を望む十勝晴れ。が、強風が吹きすさび、寒いのなんの。

「ばんえい記念」は第9レースですが、
昨年、歴代最高齢15歳で優勝し、全国ニュースにもなった
コトブキライアン最後のレースを見るために早めに入場。

可愛いお飾りをつけたコトブキライアン入場。

第4レース、一番外側の8枠。16歳、がんばる!

残念ながら入賞はなりませんでしたが、
ラストランを終えたコトブキライアンに
観客から温かい拍手が送られます。
馬と観客の距離が近いのも、ばんえいの魅力。

そしていよいよ始まる頂上決戦ばんえい記念。

重量1トンをひく伝統のレース。出走馬はこの10頭。

誘導馬に率いられて本馬場入場。

続々と集まる人。年に1度、このレースを見るためだけに
全国から熱心なファンがやってくるのだ。
人波にさらわれると全貌が見えないので、
昨年と同じ、スタンドの階段席中央に陣取る。
にしても寒いっ。日が落ちかけ、風やまず。

陸上自衛隊音楽隊による生ファンファーレ。


あっというまにスタート!


普段なら難なく越える第一障害に手こずる馬も。


第二障害までは、止まりながら進む。じりじり…。
これも駆け引きのひとつ。


そして第二障害。しばし息を継いだのちに、登るー!

が、1トンは重く、なかなか上がらない。

最初に頂上に立ちあがったのは4番ニュータカラコマ。


そのまま抜けたー!大歓声があがる。


4番ひとり旅かと思いきや、止まったー!

その間に追い上げるのは、最若手の9番コウシュハウンカイ。
厩舎取材で見かけた馬なので、応援してましたが
1トンをひくのは初めてなのに、6歳でここまで強いとは!

しかーし!いつのまにやらトップに躍り出たのは、
6番フジダイビクトリー。さすが一番人気!

観客の熱狂もピーク。声をかけながら走る!

そこへ10番インフィニティーが4番手で追い上げる。

「インフィ行け~!」とファンの声。
一昨年のばんえい記念の覇者であり、このレースが
ラストランとなるだけに、インフィ・ファンは大興奮。
粘ってほしかったが、9番の余力も強し。
結局、6、4、9の順位のままでゴールイン。

が、まだ終わらないのがばんえい記念。
観客はいっせいに第二障害に駆け戻る!

1番フクドリさん休んでます(??)。
3番オイドンも思いのほか苦戦。
「がんばれ~!」の声がとぶ。

ようやく抜けたオイドン。

ネット状に編んだたてがみがきれい。
ベストドレッサー賞は君にあげよう!
オイドンは初めて名前を覚えたばんえい馬なので
ついひいきめに見てしまいます(笑)。

フクドリも立て直し、我が道をゆく確かな足取りで完走。

最終馬がゴールすると、場内に拍手が沸き起こる。
これが、ばんえい記念の醍醐味だ。

もっとも、以前は、勝敗が決まれば
観客はとっとと帰ってしまっていたのだそう。
最後まで見届けて、声援を送るようになったのは
ナンバーワンよりオンリーワンを評価する
若い世代のファンが増えたからかも。
昔ながらの競馬ファンは、メインスタンド2階の
場外馬券売り場でモニターに張りついておられました。

着順発表。


優勝馬フジダイビクトリーの晴れ姿。

昨年のばんえい記念では、トップを走りながらも、
ゴール目前で抜かれて痛恨の4位。
その雪辱戦を果たすであろうという
大かたの予想を裏切らずに優勝。おめでとう!
そしてすべての人馬に、お疲れさま!

雪溶けのばんえい

2016-03-13 | 勝手にばん馬メモ
帯広競馬場ふれあい動物園の仲良しポニー。

3月7日、一気に雪溶けが進みあちこちに水たまりが。
右の子はかろうじてワラの上に立ってました。

馬房におさまるPRばん馬トリオとその仲間たち。

右からばん馬のミルキー、キング、リッキー。
奥には以前乗せてもらったキャンディーちゃんと
誘導馬もつとめるプリンスくんの姿も。

ここではニンジンを買って馬にあげることができるのですが、
ミルキーちゃんから順番にあげていくと、
最後のプリンスくんの分がなくなってしまうので、
時々順番を変えて逆からあげてみたり…。

この日は調教師さんにお話をうかがうために訪問。
取材前に観光施設とかちむら内で腹ごしらえ。

「小麦の木」の地粉ラーメン。
無冠水の自家製麺だそう。スープもいけます。

イートインコーナーにこんなものが。

シュシュ回収ボックスとは何かというと、
不要になった髪飾りをばん馬に贈ろう!というもの。
レースに出る馬たちは、髪飾りやリボンをつけたり
たてがみを結ったりして、それぞれにおめかしするのです。
勝負服、のようなものですね。
箱の中にはちゃんとシュシュが入ってました。

ばん馬の絵馬も販売。


本馬場に入場するばん馬がつけた蹄鉄の跡。

写真ではわかりにくいですが、でっかい!

5日後の3月12日、再度競馬場へ。

雪はめっきり減り、まだ少しぬかるんでます。
朝晩は零下とはいえ、空は春めいてきました。
来週3月20日は頂上決戦「ばんえい記念」。

馬耕デモンストレーション

2015-11-02 | 勝手にばん馬メモ
少し前のことになりますが…。
帯広競馬場で馬耕デモンストレーションを見学。

昔ながらのプラウ(鋤)を装着して準備万端。

人馬の息をあわせて土を耕していく。


かつて北海道の暮らしは、馬なしでは成り立たなかったという。
開拓時代はもちろんのこと、昭和30年代にトラクターが出現するまで、
耕作を担っていたのは馬たちだった。
その伝統を継承しようという試みのひとつが、このイベント。
機械を使えば楽にできることを、あえて人馬でやることは
ロシアのダーチャ精神にも通じるものがあり、大いに共感。
伝統の技は、一度とだえてしまったら容易には復活できないのだから。

一般の見学者も参加して馬耕に挑戦。

まっすぐにプラウを押すのは、なかなか難しそう。

今回初めて馬耕に挑戦したばん馬のモモヒメちゃん。

ばん馬にしては小柄で農耕馬に近いサイズだそう。
とても可愛らしく頑張り屋さんの女の子でした。

十勝馬唄

2015-06-05 | 勝手にばん馬メモ
十勝川温泉付近を散歩していると…

十勝馬唄の歌碑なるものが。

近寄ってみると歌詞が書かれている。

台座の左下に押しボタンがあり、押すと実際の唄が流れるしくみ。
試しに親戚が押してみたら、さわりだけで終わるかと思いきや
2番、3番と延々続くので途中で逃走(笑)。

十勝馬唄とは、開拓時代の十勝を支えた
馬たちを歌った民謡である。
ばん馬のことを調べていて、
この唄の存在は知っていたのだが、
聞いたのは初めて。

実際に聞いてみたい方は、
6月28日(日)午後3時5分~49分
NHK総合「民謡魂ふるさとの唄」
司会・城島茂(TOKIO)ほか、をご覧あれ!

じつはこの番組の公開録画が音更文化ホールで行われ、
抽選に当たって見てきたのだが、民謡にとどまらず
十勝の馬文化のお話あり、現代の酪農のお話あり、
アイヌの踊りありと、なかなか濃い内容で楽しめました。
ジャニーズの来勝は『銀の匙』の中島健人くん以来!?

おまけ。馬唄の歌碑の近くにある花時計。


熱気球体験もできます。


モール市場では地元野菜や花苗を販売。

直売所が賑わう季節。見かけたらは寄らずにはいられません。

ばん馬のふるさと

2015-05-24 | 勝手にばん馬メモ
5月18日、帯広ファームさんで「ばん馬」の
子馬たちを取材させていただきました。

馬の出産は1月頃から始まり、ピークは4~5月。
今年はもう20頭生まれたそう。


まだ足がすらりと長くて細いけれど、
よく見ると関節が太くてしっかりしている。
生まれた時点で体重すでに60~100kgだとか。


こちらは5月5日生まれの子とお母さんのアメミコ(5才)。
アメミコはドーダッシュの妹で、レース引退後
血統を残すために牧場に戻ってきたのだそう。


お節句生まれは我が道をゆく変わりもの。大物になるか!?
生後半月しかたってないのにもう個性が。


人を見るとわらわら集まってくる子馬たち。
何かしら、何かしら??


お友達のお尻にちゃっかりもたれてる子も。


真ん中はトップホース「オイドン」のお母さん
アサギリクイーン(19才)。
左は今年生まれたオイドンの妹。


こちら1才の女の子たち。1年でもうこんなに大きく!
右端は去年生まれたオイドンの妹。
左から2番目はバンチャンガンバレの子。
…だそうですが、シャッフルされたらわかりません(笑)。


こちらは1才の男の子たち。
女の子よりやや小さく落ち着きがないのは人間と同じ!?

ここにいる子馬たちも2才になれば調教を受け
ばんえい競馬の能力試験を目指すことになる。
このなかに明日のスターになる子がいるかも!?

帯広ファームさんでは、本業の牛の飼育の傍ら、
ばんえい競馬出走を目指す「ばん馬」を生産。
北海道には、こうした馬の生産牧場が各地にあるそうだ。
「生産」という言葉を使うのは少し抵抗があるけれど、
人為的に管理しなければ馬の血統は途絶えてしまうので、
生産者さんなくして馬文化は継承されない。
軍馬から農耕馬へ、そして今はばんえい競馬が
ばん馬たちが生き残るための数少ない道だ。
損得よりも、馬が好きだから、ばんえいを支えたいから、
という思いで馬を育て続ける人たちによって、
ばん馬の歴史はかろうじてつなぎとめられている。
この先、後継者が育ってくれるとよいのだけど…。

第47回ばんえい記念

2015-03-23 | 勝手にばん馬メモ
年に一度、選び抜かれた人馬が重量1トンに挑戦する
ばんえい競馬の最高峰レース「ばんえい記念」を初めて観戦!

3月22日、朝から雪まじりの曇天にもかかわらず
帯広競馬場にはこれまで見たこともないほどの人が詰めかけていた。
  
ばん馬のリッキーちゃんとの記念撮影、音更の子供たちの駒太鼓など
朝からイベント尽くしで、競馬場なのに子供連れもいっぱい。
「リアル銀の匙!」と銘打って、帯広農業高校の出張売店では
手作りのチーズやパウンドケーキ、ジャーキーなどを販売。

展示コーナー「ばんえいギャラリー」には
中島健人くん始め実写版『銀の匙』出演者の
サインや写真も飾られていました。

出走馬はこの10頭。



選挙ポスターみたい(笑)。
調教師と騎手の意気込みが書かれております。

 
レース前の騎手インタビュー。
緊張感が高まる。

パドックに出走馬が姿を現すと、観客が殺到。
さすがに選ばれし馬たち、間近で見ると迫力の体躯。
広報担当ミルキーちゃんに先導されていよいよ入場。



ミルキーちゃんのおめかしと女性騎手の衣装は
重賞レースごとに変わるんだそう。

陸上自衛隊第5音楽隊がファンファーレを生演奏。


そしてついにスタート!1トンを挽く1トンの馬たち。
高さ1mの第1障害をいつもより手間取りながら乗り越えていく。


じりじりと第2障害に迫るや、全馬ぴたりと止まる!

ここからが騎手の駆け引き。じりじり…。

行ったー!高さ約1.6mの第2障害に続々と挑む精鋭たち。
通常のレースなら、このあとほどなくして決着がつくのに
ばんえい記念はここからが長い。
一喜一憂のドラマが始まるのだ。

1トンの重さに足をとられて膝をつく本命馬。
「ああっ!!」というどよめきが起こる。
ひとかき、ふたかき…足を踏ん張り、ようやく障害の頂上へ。
最初に抜けたのは10番フジダイビクトリー。
やんやの歓声とともに馬と並走してギャラリーがどっと動く。
トップでゴールを目指す10番、そのまま行けるかと思いきや
ゴール手前でまさかの失速~!


追い上げるは6番、1番。ところが~!
4番手で第2障害をクリアした8番が恐るべき脚力を発揮。
ワシワシと3頭ゴボウ抜きして、あっさりゴ~ル!!
残念10番は2着かぁ…。えっ、違うの!??

なんと10番(一番左)、ゴール上で止まっております~!
ばんえいは馬の鼻先ではなく、そりの後端まで入らないとダメ。
その間に後続馬がスタスタとゴールに入ってくる。

これがあるからばんえいは最後までわからない。
結局、1着8番キタノタイショウ、2着6番ニュータカラコマ、
3着に昨年の王者インフィニティー、10番は4着という結果に。
トップのタイムは3分49秒9。
通常のレースの2倍近くの時間を要して勝者が決まったのであった。

が!…レースはまだ終わっていない。
「ばんえい記念」の本当の感動劇はここからだという。
ゴールに詰めかけていたギャラリーは、いっせいに第2障害に駆け戻る。
まだ障害を越えられずにいる馬たちに声援を送るためだ。

もう馬券は関係ない。「がんばれ~!」の声が飛ぶ。
1頭、また1頭と障害を越えるたびに、沸き上がる大きな歓声と拍手。
場内は一体となって不思議な高揚感に包まれる。

最後に残ったのは、1トン初挑戦となる4番ファーストスター。
がっくりと頭を着き、立ち上がる気配もない。このままリタイアか!?
「もうそりを離してやれぇ~!」とヤジが飛ぶ。
数千の観衆が見守るなか、騎手の重圧たるやいかばかりのものか。
だが戦意喪失した馬を立て直すのも騎手の腕。
ようやく頭を上げた!立ち上がったぁ!

「おおっ!」とどよめき、拍手を送る群集。
が、また膝をつく。
「ああっ!…」と今度は消沈の声。
この「おおっ!」と「ああっ!」が何度か繰り返されたのちに、
ついに障害を駆け下り、ゴールした最後の人馬に
惜しみない拍手喝采が寄せられるのであった。

ここまでじつに13分27秒6。
勝ち負けではなく、死力を尽くした人馬を分け隔てなく称える。
いやあ、聞きしに勝る感動のレースでした。

明けて3月23日、前日のばんえい記念では入賞ならなかったが、
完走を果たしてこれがラストランとなった
ホッカイヒカル(牡11才)の引退式が…。

前日とはうってかわって、うららかな快晴。
花束をもって駆けつけたファンから感謝と労いの言葉で見送られ
牧場で余生を過ごすべく最後のパドックをあとにする。
馬主さんも調教師さんも晴れがましい笑顔でした。

……重いそりを挽かせるのは馬が可哀そう、という声は
都会の動物愛好家のみならず、地元住民の間でも根強くあるのだそう。
でも何が可哀そうで、何が可哀そうでないのかは、現場を見て、
その周辺の事実を知らなければ容易には語れないとつくづく思う。

新春ばんえい競馬

2015-01-07 | 勝手にばん馬メモ
まったりと過ごしたお正月。
元日から連日ばんえい競馬が開催されているというので
3日の午後から競馬場へ。想像以上の人出にびっくり。


 
競馬場入口には、ばん馬にちなんだ神社も登場。
まずはラーメンで腹ごしらえ。

早速観戦。第8レース。第2障害、越えたー!

4番スマイルダンス、1番スナイパー、2番マタキタヨ。

「行け行けぇ!」「がんばれ~!」
若いお客さんが多かったせいか、いつもよりギャラリーの威勢がいい。

たてがみがとってもきれいなマタキタヨ(左)。

うんしょ、うんしょ。一生懸命踏み込むが追い上げならず。
残念ながら8位に終わり、またこいよ~とおやじギャグが飛ぶ。
結局、1着スマイルダンス、2着スナイパーと
人気の高い馬が手堅く圧勝。プロの予想は外れないなー。

馬券売り場にこんなものが。

お客様用鉛筆削り機。何度も来てるのに初めて気づいた。

外は氷点下。レースが始まるまで屋内で温まり、
開始の合図とともに屋外に移動する人々。

結局、第5レースから第10レース天馬賞まで楽しんで帰途につく。

トモチャンカラフル

2014-08-12 | 勝手にばん馬メモ
第2障害、仕掛けました!トモチャンカラフル。


一番に駆け下って、そのままノンストップ。


ワンツーフィニッシュを決めたのは、ともに女の子!


メモしておかないとすぐに忘れてしまうので、
ばんえい競馬のつれづれを書いておこう。

先日、競馬場の近くに用事があって、ちょうどばんえい開催日だったので
休憩所がわりに立ち寄って生ビールを一杯。
ちょうど第1レースが終わったところで、パドックでは
次のレースの出場馬たちがお披露目歩きの真っ最中。
そのとき耳に入ったのが「トモチャンカラフル」という可愛らしい名前。
見れば、たてがみの黒いお下げが目をひく小柄なばん馬が…。

わあ可愛い!ちいさいねぇ。
ほかの馬に比べたら子どもみたい!
…などと微笑ましく見ていたら、なんと勝馬投票では一番人気。
え、そうなのぉ??と半信半疑でいたのだけれど
はたしてトモチャン、大きな男子たちを引き離してぶっちぎり~!
二位入賞のツルマキイチバンも小柄な牝馬ながら二番人気だったし、
目利きの皆さんの予想的中率はすごいもんだ。

とにかくこれで覚えました。
小粒でもぴりりと辛い、トモチャンカラフル只今4歳。

(平成26年8月4日第2競走)