サムイズダート・ロシア

めざせロシア式菜園生活!ダーチャごっことロシア&北海道のお話あれこれ

上を向いて食べよう

2006-10-29 | ロシアコラム
Oさんから借りたダーチャツアーの写真を見ていて、
ロシア人と日本人のとある違いに気がついた。
ロシア人(には限らないのだろうが)は高齢者であっても
顎の骨があるべきところにしっかり収まり、
シワやたるみこそあれ、顔全体に歪みがなくて表情が若々しい。
かたや日本人は中高年ともなれば、顎が前方にズレこんで口先が尖り
それがことさらに老いを強調してしまう気がする。
なぜ日本人の口元は変形し、ロシア人のそれには破綻がないのか!?

暴言にかけては定評のあるロシア女性Sさんは、かつて、
「日本人に出っ歯が多いのは、前歯で米をすりつぶして食べるから」
との珍説を主張していたが、それはどうかと思うにしても、
食習慣の違いがもたらす顎・口・歯のありようは否定できまい。

大雑把に言って、日本人は柔らかい物を下向き加減でモソモソ食べ
ロシア人は反芻を要する肉や生野菜を上向き加減でワシワシ食らう。
固めの食べ物を何度も噛んで食べることの必要性は、
昨今よく語られることなので、それはおいといて、
ここで注目したいのは「上を向いて食べる」ということである。

上を向く、とは視線を上げる。つまり視線の先に人がいるということだ。
誰かと会話しながら食事することの効用には、楽しみの演出以外に
顎位置を高く正常にキープすることもあるのではあるまいか!?
もちろんロシア人とて個食するのであるが、そういえば、
レストランや食堂でひとりでゴハンを食べていたロシア人は、
たいがい前を見ながら噛むという動作を行っていたように記憶する。
少なくとも、お皿を見下ろしてひとりモグモグ、ということはなく、
無遠慮なくらいほかの客を見てたりするのだ。

お箸の国の文化では、どうしても下目線になるし
礼儀作法上、高い位置でフォークを振りかざしたり、
ましてや肘をついてパンをかじったりするのはタブーなのだが、
でも試みに鏡の前でやってみよう。
下を向いてモノを噛むのと上を向いてモノを噛むのとでは、
明らかに使う筋肉と口角の位置、さらには表情まで違うではないか!

というわけで、上を向いて肉を食らう実験生活2日目である。

ロシア絵本の講演会

2006-10-26 | ロシア系イベント
朝9時半、編集のOさんから電話。
そうだ、今日はロシア絵本の講演会に行くんだった。

昨日は大阪出張。新幹線の人身事故の煽りをモロにくらって、
東京駅のホームでただひたすら待つこと2時間余。
予定はズレにズレこみ、ドッと疲れてゆうべは爆睡。
8時すぎまで寝こけてしまったのであった。
いかん、リセットしなければ。

午後6時、講演会場となる経堂の日ソ会館へ。
講師のN氏は、一昨年の『幻のロシア絵本展』を企画・監修された方。
プロコ日記ブログにコメントをくださったこともあったので、
これはぜひともお目もじしたいと馳せ参じたしだいである。
貴重な初版絵本を囲み、実際に手にとりながらの講演は、
氏のコレクター歴や絵本展開催までの経緯など、裏話も面白く、
これで500円ぽっきりは申し訳ないような2時間半。
打ち上げの居酒屋にもOさんと共にちゃっかり同行させていただいた。

『幻のロシア絵本展』は間違いなく、近年のソ連・ロシア関連の
美術展のみならずあらゆるジャンルの催しのなかでも白眉である。
告知を最初に見たときに、東京にも巡回するのを知らなくて、
フライングして芦屋市立美術博物館まで見に行ってしまったが、
東京都庭園美術館で再度見ても昂揚感が薄れることはなく、
同じ映画を何度見ても同じ場面で泣けるのにも似た感覚を味わった。
なぜならこの展覧会には、こんな時代にこんなカッコいいものが!
と並べて見せる回顧展的要素にとどまらず、
社会主義の輝ける理想が、こんなはずじゃなかった展開に
雪崩落ちてゆくという明確なストーリー性があるからだ。
とりわけ作風の変わり果てたレベジェフ作品の前では、
芦屋と東京で二度立ち尽くし、やるせない思いに捕われたものである。

ちなみに、今のロシアではかつての絵本がオシャレな装丁で蘇り、
レベジェフ集も出てるのだけど、使われてるのは
“変わり果てたバージョン”のほうである。
おいロシア、そのセンス、なんとかしちくれ!

キノコ観察会

2006-10-22 | 自然・動物
かねてから参加を表明していたキノコ観察会に初陣。
乾燥した公園内では、このところキノコを目にすることはなく、
はたして観察会になるのかと危ぶまれたが、
丹念に探せば“いる”ものである。

「いるじゃん、ここに!」と、友人T子が見つけた
ニガクリタケを皮切りに、コフキサルノコシカケ、ネンドタケ、
クジラタケ、アナタケ、マルミノヒガサタケ、アラゲキクラゲ、
と次々見つかる。といっても、これらの名称は、
キノコの先生に同定していただいて初めて知ったもの。
再び同じものに園内で遭遇しても、おそらくは区別がつくまい。

ところで先生によれば、“あたらないキノコ”はないそうだ。
たとえ食べられるキノコでも、フレッシュでないものは危険だとか。
それが証拠に、マツタケを食べてあたる人が毎年相当数いるという。
珍重がって多少古くても食べてしまうのがその理由。なるほど。

プロコ『ロミジュリ』

2006-10-21 | プロコ日記裏話
プロコフィエフの日本滞在日記アクセス数激増の謎が判明。
超人気のクラシック専門ウェブサイト「CLASSICA」のブログで
とりあげてくださったのだそうだ。ものすごい影響力。
どうもありがとうございました!

ところでプロコの『ロミオとジュリエット』は、携帯電話のCMや
先ごろ始まったドラマ『のだめカンタービレ』にも使われていて、
密かな人気を呼んでるらしい。
そりゃあカッコいいですもんね、あのくだり。

バレエではロミオとその父が踊る場面なのだが、
ペテルブルクで見た父親役のダンサーがえらく渋くて、
「おじさま、すてき~」と友人と大いに盛り上がったもの。
年上におじさま呼ばわりされる筋合いはなかろうが、
ロミオを食うくらい存在感のあるダンサーだったので
敬愛の意をこめての「おじさま」である。
以来、このフレーズを聞くと自動的に振り真似してしまうので、
こうしょっちゅうテレビで流れると、忙しくてしょうがない。
『ロミジュリ』、また見たくなってきた。

緑のボルシチ

2006-10-19 | ダーチャツアー2006
ハバロフスクのカーチャさんのダーチャで食べた「緑のボルシチ」。
ベースはふつうのボルシチと同じ。でもビーツを使わず、
かわりに酸味のあるシャベリという葉っぱを仕上げに使う。
さっぱりしててフクースナ!

シャベリは辞書でひくと「スイバ」「スカンポ」とあるけれど、
日本のものと同じかどうかは不明である。
収穫をお手伝いしたのだが、長さ30cm以上もある
見たこともない巨大な葉っぱでありました。

あとで聞いた話では、「緑のボルシチ」は
ウクライナの人がよく食べるんだそう。
確かに。カーチャさんはウクライナ出身ですもんね。

……というわけで、ハバロフスクのお話も
気が向いたらちょこちょこ載せていこうと思います。

「ふるさと回帰フェア」収穫

2006-10-14 | ダーチャ本関連
ダーチャツアーでご一緒したふるさと情報館S氏や
ダーチャ講演会にも来てくださったジャーナリストT氏らが
コメンテーターとして参加されるとうかがい、
「ふるさと回帰フェア」のリレートークを拝聴しに大手町JAホールへ。
ここで神奈川県日本ユーラシア協会のI氏と編集者Oさんと合流し、
JAビル周辺で開催されていた即売会に繰り出す。
リンゴジャム、味噌、いも、日本酒、蜜柑キャラメルなどなど
いつもの癖でつい買いまくる。ああ、なんたる物欲。

このあと各自治体の相談コーナーに赴いたところ、
移住先を探している家族と間違われ、NHKに取材されそうになる。
このメンツでどんな家族だ!?
場を移して3人でお茶。来期ダーチャツアーの打ち合わせや
ロシアよもやま話に花が咲く。

さてI氏にうかがった素っ頓狂なお話。
カルムイクのエリスタ空港が突如閉鎖され、
今はバスでしか行けないのだそう。
その理由が、空港の免許をもってなかったから(!)。

念のため調べてみたら、カルムイク発の情報によれば、
「エリスタ空港は9月25日より、モスクワ・エリスタ間のフライトを
技術的問題により中止しているため、モスクワ・ヴォルゴグラード便を
ご利用ください。あとの交通手段はこちらで手配します」とある。
「技術的問題により」とは、ロシアの常套句。
空港設備や飛行機に技術的トラブルがあった、などという意味ではなく
「都合により」という曖昧性を表現する言葉である。
それに、もともとこの空港ってモスクワ・エリスタ便しか
飛んでないんじゃなかろうか? それを「中止」したら、
何も機能してないってことじゃん。
やっぱりホントに免許もってないってこと??
そんな空港に降り立ったのか、私は!

ロシアのハチミツ

2006-10-09 | ロシアコラム
いつのまにかロシアのハチミツが4種も集まった。
日本のものに比べると、ロシアのハチミツはなんて濃厚!
ミツバチが違うのか、花が違うのか?
つい最近いただいたクリの花のハチミツ(右)などは、
独特の苦味があって、シロップ状の薬みたいである。

ロシアのルイノク(市場)にはハチミツ売り場があって、
いろんな種類を試食させてくれる。
以前は大ビンに入ったものしかなかったけれど、
今どきは小分けしてタッパーに入れて売っている。
しかしこのロシアのタッパーというやつが、
フタは固くて開けにくい! 中身はじわじわ漏れてくる!
結局、ジャムなどの小ビンに詰め替えねばならず、
まるで容器としての意味をなさないのである。

ロシア諸々新展開

2006-10-06 | ロシアコラム
モスクワ在住のSさんが来日、編集者Oさんとともに会う。
とても有意義な会合。何か面白いことができそうだ。

その足で、一時帰国からようやく戻ったロシア女性S先生宅へ。
プロコフィエフ単行本化の企画とダーチャツアー報告。
ダーチャ写真を見せると、案の定、先生得意の憎まれ口が炸裂す。

「井戸に水を汲みに行く! 水もちょぼちょぼしか使えない!
 だからやなのよダーチャ! わたし大~ッキライ!」
「ま、この人ほとんど裸じゃない。恥ずかしい!!」
「これアムール河でとれた魚? んまあ、アムール河なんて
 中国人が何やってるかわからないわ。あーやだっ!」
「え、蚊がいっぱい!? やだ~! わたし絶対行けない!」

まったくもって正直な人である。
ところで、この先生もSさんもそのご友人たちも
やっぱりヴァルシェブニキ・ドヴァラをご存知ないという。
となると、ますますもって興味が募り、
ただ今、勝手にファンクラブ発足準備中である。

秋の畑計画

2006-10-04 | ダーチャごっこ
某駅構内の園芸店で日本の伝統野菜の苗を売っていた。
一度は通り過ぎたけど、やっぱり気になって引き返す。
で、ブロッコリーと赤ネギの苗を購入。
いつもは種から育てているので、苗を買うのは久しぶり。
しかし、ネギをラッピングしてどうすんだ。過剰である。

今日はこれから苗の植付けとビーツの種まきを予定。
ゴーヤがまだ終わらないので調子が狂う。

「ドヴァコロリ」に思ふ

2006-10-02 | ヴァルシェブニキ・ドヴァラ
友人がВолшебники Двора(ヴァルシェブニキ・ドヴァラ)
見つけたのは、ご他聞にもれずYou Tube。
これを芋づる式に見ていくと、とんでもないことになるが、
面白いもの、ヘンなものにぶち当たるのは結構楽しい。

ここのところ、アタマにこびりついて離れないのは、
ウクライナの超美形少年が歌う、その名も『ドヴァコロリ』!
民族調の衣装着て、アンドロイドのように端正な顔で、
「ドヴァコ~ロリ~♪」とか歌うんだけど、これがもう
「ひゅ~るり~ひゅ~るり~らら♪」に通じるド演歌世界で
音だけ聞いたら森昌子! なんなんだよこれは!
この子はザチェスラヴ・マルチュクくんというらしい。ふむふむ。

で、この隣にあったのが、ロスチスラヴ・ドロレスクくん。
この子もウクライナの少年で、バラードも歌うが
ディスコロック調も歌います~。やや古めの曲調がグーね。
で、こっちは? ブルガリアの少年かー。
……とかなんとかやってると、日本には届かない
スラブのキッズ音楽世界をひと巡りできてしまうではないか。

基本的にこれらの映像は、ほとんどが非合法のもの。
なのでリンクも張れないが、世界の片隅でこんなことが!
と短時間でマニア情報を収集できる映像の力は大きい。
そして、いかにこれまで我々に与えられていた“世界情報”とやらが
欧米主導の操作されたものでしかなかったかを思い知るのである。
ああ、ドヴァコロリ!