サムイズダート・ロシア

めざせロシア式菜園生活!ダーチャごっことロシア&北海道のお話あれこれ

北海道西海岸バスの旅②

2016-09-29 | 『勝手に帯広通信』
この旅一番のささやかな
ハイライトといえば…。
 道端に黒猫発見。

視線を感じて振り返ればこちらにも。


やや、廃屋の隙間からトラちゃん2匹。

このあともシャム系、黒白、さらに別の黒やらトラやら
計8匹が次々姿を現した。猫のわき出る猫御殿!
  
帯広の野良猫は険しい顔をしていて、人を見ると逃げる子が多く、
猫見の極意を久しく忘れていた。泊まで来て、しばし猫鑑賞。

旅館に戻るバス停の近くにあったのが法輪寺。

文久3年(1863年)建立の立派な構え。
かつてニシン漁師の心の支えだったそう。



本堂の天井絵が有名だそうだが、時間がなかったので
外回りの見事な透かし彫りを見学。
中央の逆さ紋はここだけのものだそう。

結局、盃温泉に2泊して、3日目の朝10時半
再び中央バス神恵内線に乗り、終点を目指す。

車窓に見えるは「袋澗(ふくろま)」の跡。

袋澗とは、ニシン漁たけなわの頃、陸揚げしきれない
大量のニシンを網に入れて保管していた石造りの囲い。
これが海岸沿いにいくつも連なっている。
やん衆総出の浜の賑わいたるや壮観だったことだろう。

約1時間で終点・神威(カムイ)岬到着。

ここからは遊歩道チャレンカの小道をたどる。
チャレンカとは、源義経を追って神威岬から身を投げた
日高・平取(びらとり)の首長の娘の名。
義経はこんなとこまで来ていたことになっているのか!

この細長い岬を20分ほどかけて歩くのだが、
遊歩道には観光客がいっぱい。
観光バスで乗りつけるアジアからの団体客も。

目玉はシャコタンブルーの海。
が、残念ながら天気が悪く、いまひとつ。

言い忘れましたが、ここは積丹(シャコタン)半島。
地図でいえば北海道のしっぽの上、日本海に突き出した部分。
この半島の北東側に余市や小樽、南西側に泊や岩内がある、
という位置関係。たいていの観光客は小樽・余市観光の
ついでに足を伸ばして積丹にやってくる。

ようやく岬の先端に到着。

中央の岩は、乙女の立ち姿に似ていることから
チャレンカの化身とされる神威岩。
これで海が澄んでいたら超絶景。
花の季節はさらに見ごたえありそう。

再び歩いて戻り、岬散策の間、
荷物を預かっていただいた
食事処カムイ番屋へ。

名物のしゃこたんブルーソフト、ミント味。
バニラとのミックスをおいしくいただく。
生うに丼やイクラ丼なども大人気。
積丹みやげもここで買えます。

そして再びバス。神威岬13時43分発の
「高速しゃこたん号」で札幌を目指す。


行けども行けども積丹の海。

天気がよければエメラルドグリーンの海を
延々車窓に望めたのになー。

この「高速しゃこたん号」は積丹半島から美国、古平を抜け、
余市、小樽を過ぎてから、ほんのちょっと高速道路を走る。
それゆえ「高速バス」の名がついているが、
行きの「高速いわない号」同様、札幌市街地に入ると
いきなり庶民の日常交通手段と化して続々人が乗ってくる。
乗った時はガラガラだったのに、補助席もほぼ埋まった状態で、
16時55分頃、札幌駅前バスターミナル着。

そして最後のバスは、18時00分発ポテトライナー。
見慣れた黄色い十勝バスに乗り込み、
帯広駅に着いたのは21時55分。
バス乗車時間約15時間半、しめて14,140円。
道内移動、高いです!

ロシア料理教室

2016-09-28 | ロシア料理とその仲間たち
去る9月24日、とかちプラザ調理室にて
ユーラシア協会帯広支部のロシア料理教室開催。


今年はタジキスタン出身のシャノザさんに
中央アジアのプロフ(ピラフ)のつくり方を教わりました。

牛肉のブロックは3等分してたっぷりの油で揚げ煮し、
そのまま野菜やお米と一緒に炊き込んで、
最後にひと口サイズに切るのだそう。
加えるニンジンも半端ない分量だし、
ニンニクは皮もむかず丸ごと投入!
前の晩に戻したヒヨコ豆、レーズン、クミンも加え、
鉄鍋でじっくり炊き込んでいく。

肉を盛って出来上がり。

作り方は豪快ですが、味は繊細。
思ったほど油っこくもなく、あとをひくおいしさ。
これはぜひ家でもつくってみたい!

プロフに欠かせない付け合わせのトマトサラダ。

トマト、キュウリ、玉ネギをあえて塩コショウし、
ハーブを散らしただけ。
ポイントはトマトの切り方。
まな板は使わず、ボウルで受けながら宙でそぎ切りし、
トマトの向きをくるっと変えてはまた切る。
これをシャノザさんは連続して器用に切っていくのですが、
実際にやってみると均一な大きさに切るのが結構難しい。

そしてもう一品。ぺリメニのスープ仕立て。

ぺリメニ(シベリア風餃子)は一昨年つくりすぎて
おなかいっぱいになってしまったので、
今回はひとり当たりの量を減らして、スープ仕立てに。
スープといってもブイヨンをとる必要はなく、
ぺリメニをゆでる時にローレルを浮かべ、塩コショウして味を整えるだけ。
ぺリメニの具から、よいおだしが出るのです。
そして決め手はサワークリームとハーブ。
畑から摘んできたウクロップ(フェンネル)と
ぺトルーシュカ(イタリアンパセリ)が大活躍。


グルジアのスパークリングワインや赤ワインとともに。
いつもならお持ち帰りするところが、全皿完食!

北海道西海岸バスの旅①

2016-09-24 | 『勝手に帯広通信』
遅ればせながら、サハリン旅行中止のつづき…。

9月8日朝8時半、稚内に行くつもりで予約していた
帯広発ポテトライナーで一路札幌へ。
道中、台風被害にあった芽室、清水を車窓に望む。
増水後の川には漂流物が堆積し、住宅地も泥色。
こんなところにまで泥水が押し寄せてきたのか、と
改めて被害の大きさを実感する。

12時15分、札幌駅前バスターミナル着。

札幌から道内各地に向かうバスが集まる一大ターミナル。
が、通路が狭くて人は溢れ、表示も不親切でわかりにくい。
「トイレ」の矢印についていったら、外に出てしまう始末。
チケットをどこで買うのかもよくわからず。

ひっそりと隠れていた券売機発見。

省エネなのかパネルが真っ暗で、
故障中かと思った。

さて次に目指すは…。

メジャーな小樽でも余市でもニセコでもなく、岩内なる場所。
12時35分発、北海道中央バスの「高速いわない号」に乗車。
てっきりポテトライナー同様、主要バス停しか止まらないのかと思ったら
ワンブロックごとに止まり、次々客が乗っては降りる。
どうやら札幌市街地では普通の路線バスとして機能しているもよう。

15時8分、着いたのは岩内バスターミナル。
ここで再び乗り換え、15時30分発の中央バス神恵内線に乗り込む。


行き先は盃温泉。

実はサハリン中止決定後、急遽予定を変更し、
家人の親戚が住む岩内に墓参りに行くことになったのだが、
なぜか岩内の宿はすでに予約でいっぱい。
そこで近場の盃温泉に宿を予約。
ほぼ下知識なしの状態で向かってます。

バスに乗ってすぐに見えてきた稲穂の波。

このあたりはお米とアスパラの産地のもよう。

あの目立つ建物は何??

「原子力PRセンターとまりん館」とある。

やがて表示されたバス停名が…。

泊(とまり)…。そう、ここは泊村。
北海道唯一の原発がある村だ。
だからやって来たわけではもちろんなく、
盃温泉が泊村にあることを知ったのは予約後のこと。

15時55分、盃温泉湯元バス停に到着。
高台にある潮香荘が目指す温泉宿。


ここまでバスに乗りっぱなしで7時間半。
温泉につかったあとは海鮮づくしの夕食。


翌朝。散策に出てみれば、目の前は漁港。


こんな看板も…。

密漁、密入国とはさすが北方の海。

そして沿岸には古い木造の家が残る。

かつてニシン漁に使われていた番屋だそう。
多くは廃屋化しているが、改装してきれいに住まっている家も。

ここ北海道の日本海沿岸は、ニシン漁で栄えた地域。
江戸時代に始まったニシン漁は明治時代にピークを迎え、
その最盛期の栄華を伝えるのが各地に残る鰊御殿。
小樽にある旧青山別邸がよく知られるが、
泊にも「鰊御殿とまり」がある。


移築された旧川村家番屋。明治27年建造。

漁場を経営する親方家族の居住空間。

かたやこちらは「漁夫だまり」。

季節労働者「やん衆」はこちらで暮らした。
高い天井と、煤で真っ黒になった太い梁。
朝ドラ『マッサン』で風間杜夫演じる森野熊虎が
やん衆と飲めや歌えやを繰り広げたシーンも、
こんな感じの番屋が舞台でしたね。

川村家の番屋は、親方と漁夫の生活空間が、
土間ひとつ隔てて同じ屋根の下にあるのが特徴。
川村親方も熊虎さん同様、やん衆とわいわいやるのが
好きだったのかも。

このカバンはアザラシの皮製。

館内を案内してくださった方のお話では、
熊虎さんが初めてマッサンと出会うシーンで
これと同じのを持っていたとのこと。
そう言われてみればそうだったかも…。

これもアザラシの皮??

詳細不明ですが、可愛かったのでつい接写。

ここにはもうひとつ、旧武井邸客殿も移築されている。

商談の間に再現されている商談風景。
突如現れるのでビックリ。

鰊御殿の前に広がるのは、かつての漁場。

ニシンの群れが産卵のためにやってくると、
雄の精子で海一面が白濁したそう。
1950年代以降、ニシンはぱたりと来なくなった。
バブルははじけ、鰊御殿は夢の跡となる。


かつてニシンの漁場として栄え、番屋が立ち並んでいた泊沿岸に、
いま白く浮かぶのは、泊原子力発電所。

久々のキタキツネ

2016-09-16 | 自然・動物
朝の公園。散策路の脇に何かいます。


もしや…。近寄ってみる。


やっぱりキタキツネ。


人目につく場所なのに悠然と。


こちらに気づいて立ち上がる。

望遠のうえ歩きながら撮っていたので終始ピンボケ。

このあと茂みに逃げ込んでしまいました。
公園をもう一巡したら、茂みの反対側でまた遭遇。
でもカメラを向けるとすぐ逃げる。
逃げて結構。なついちゃ困る。

たぶん以前に見たのと同じ子だろうけど、
こんな町なかで生き延びているのは
誰かにごはんをもらっているのかも。
可愛くても可哀そうでも野生動物に手は出せない。
エゾリスもしかりなのだが、エサをやる人が
あとを絶たないせいか、野鳥のエサ台が撤去されていた。
何しろすっかりリスのエサ台になってましたからね。
野生が近いと距離のとり方が本当に難しい。

嗚呼、サハリンは遠かった

2016-09-12 | 『勝手に帯広通信』
結論から申しますと……。
相次ぐ台風被害にダメ押しするかのように襲った
台風とは全く関係ない低気圧に伴う前線による大雨のため、
9月9日出航予定だったサハリン行きフェリーが欠航。
サハリン旅行はあえなく中止となってしまいました~。

そこに至るまでの1週間、朝から晩までネットに張りつき
台風情報ならびにJRと高速バスの運行情報をチェックする毎日。
当初はのんきにJR4本乗り継いで稚内を目指す予定だったのに、
台風10号によってJRの線路や橋が流されてしまい、
一時は帯広発着の列車が1本もナイ!という非常事態に。


(帯広駅に貼り出されていた9月2日の台風被害状況)

さらに国道も寸断されて、高速バスも運休してしまい
最悪帯広空港から羽田に飛んで、そこから稚内空港へ??
なーんて冗談みたいな経路を本気で考えた瞬間も。

幸い各社の高速バスは迂回路を確保して素早く運行開始。
そこで、どう転んでもいいように…

①帯広~旭川行き高速バス「ノ―スライナー」&
 旭川~稚内行き宗谷本線特急サロベツ
②帯広~札幌行き高速バス「ポテトライナー」&
 札幌~稚内行き高速バスわっかない号

この2コースを予約。どちらで行ったところで
稚内までは優に10時間以上かかるので、
移動はもちろんフェリー出航の前日。
稚内での宿はとうにおさえてあったので、
あとはじりじりしながら当日を待つだけ…のはずだった。

が、そこへ9月6日の大雨情報。
なんと、これから向かおうとしている稚内駅前が冠水して、
宗谷本線も一部止まっているというではないか。
バス会社に電話すると、高速わっかない号は動いているとのこと。
ならば、コースは②にしぼられた。
が!今度は旅行社から思いもしなかった知らせが!
サハリンも大雨で、予約していたサハリン鉄道がなんと運休。
運転再開のメドがたたないが、どうしますか?というのである。
言われてみればそりゃそうだ、サハリンと稚内は隣同士なんだから。
ええい、ここまで準備したのだから、鉄道はあきらめ
ユジノサハリンスク滞在プランに切り替えます…
と返事をしたその翌朝、即ち7日早朝にフェリー欠航決定の報。
嗚呼、サハリンは遠かった。

しかしこれは不幸中の幸い。
フェリー欠航はこちらの非ではないので旅費は戻ってくる。
これが北海道内の移動に手こずり、フェリーに乗り遅れた~!
なんてことになってたら、全額ドブに捨てるところだった。

かくしてサハリン旅行は中止だが、あれこれ予約してしまい
すでに心は旅モード。交通網ズタズタの北海道内で、
今のところ被害を免れている地域はいずこ!?
…ということで、急遽行ってきました、とある場所へ…(つづく)。

台風一過の札内川

2016-09-02 | 『勝手に帯広通信』

台風10号が去ってから2日後の札内川河川敷。ここが一面の水だった。
どこから流れてきたのかパイプ椅子がひとつ。

かなり水がひき、河川敷が姿を現した札内橋下。

ようやく橋の下をくぐれるようになったが
さすがに歩いている人はいない。
 ちなみにこれが2日前。

水につかっていた木々も正常に近い状態に。


 2日前。

水はひいたけど、まるっきり光景が変わってしまった。

以前は河川敷を覆う草木に隠れて
川は一部しか見えなかったのに、今は丸見え。
水辺の植物がなぎ倒されてしまったもよう。

パークゴルフ場の脇には大きな水たまりが出現。

景色が変わると記憶もおぼろ。ここ何でしたっけ。
確かコンクリートを張った駐車場だったような。

その向こうの芝生のグラウンド。

ここだけが妙に無傷に見える。


木にひっかかった漂流物があちこちに。なんとも物悲しい。