この夏、ハバロフスクの子供サマーキャンプ「オケアン」を初訪問。遅ればせながら、そのレポートです。ここは48年前にできた旧ピオネール・キャンプなのだとか。ピオネールというとちびっこ共産党員育成所みたいな印象があるが、なかなかどうして、このシステムはあなどれない。
「オケアン(大洋の意味)」はもともとハバロフスク市内の工場に務める従業員の子供たち用に作られたのだそう。現在は民営化され、工場に関係なく7歳~15歳の子供たちが夏休みを過ごす場となっている。ロシアでは共働きが一般的で、有給休暇は年1ヵ月。でも、必ずしも夏にまとまった休みがとれるとは限らないし、大企業勤務ともなれば何年かに1回しか夏の休暇が回ってこない。一方、ロシアの学校の夏休みは、6~8月の3ヵ月!もある。なので仕事を休めない親たちは、夏休みの一定期間、子供たちを環境のよいキャンプ場に送り出すのだ。つまりが、青少年育成と福利厚生の一挙両得ですね。
市内からアムール河を越えて、キャンプ(ラーゲリ)に到着!
お行儀よく日本人一行を迎える子供たち。
ここで子供たちは年代別グループに分かれてログハウスに宿泊し、集団生活のなかでさまざまなことを学ぶ。子供たち20人につき2人のリーダーがつき、そのリーダーを務めるのは教育大などの学生さんだそう。ということは、教育実習の場でもあるわけですね。昼間はスポーツやお絵かきなどのサークル活動、時にはグループ対抗の試合やコンクール、そして夜はみんなで踊ってディスコタイム……。「ここではぼーっとしている暇はありません」と案内してくれたリーダーの学生さん。
ううむ、ぼーっとしたいタイプの子にはちょっと苦痛かも(笑)。
ロシアの女の子はおませさん。こんなにちっちゃいのに、
しっかりアイラインをひいていた。かたや男の子は無邪気すぎ。
気になるサマーキャンプの費用ですが、財源は企業の社会保障基金。もともとその分は給与から天引きされているので、費用の約7割は基金から、約3割が親負担なのだそう。ただし自営業者は100%負担。1ヵ月だいたい1万5000ルーブル(7万円近く!)というから結構な額だ。そうか、ぺテルブルクのダーチャ協会幹部が「子供キャンプよりダーチャのほうが安上がり!」と力説してたのはそういうことだったのか。
敷地内のログハウス。可愛い!この色づかい。