サムイズダート・ロシア

めざせロシア式菜園生活!ダーチャごっことロシア&北海道のお話あれこれ

東京マッチボックス

2008-03-30 | ロシアコラム
知人のパパシャ・ヨコカワ氏が写真集「東京マッチボックス」を刊行。
昭和50年代初頭の東京。おもに池袋・新宿界わいのモノクロ写真を
集めた化粧箱入り512ページの大作である。
撮影年も場所もいっさいのデータなし、という確信犯的不親切さは、
当時の東京をちらとでも知る者にとっては格好の場所当てクイズ。
今はない建物、今もある建物。今昔の東京を比較するうえでも
貴重な写真資料といえよう。だが、それ以上に目を見張るのは、
かねてから内輪で評判の高かった通称「おばさんシリーズ」だっ!
肖像権無視のぶしつけなカメラに切り取られたおばちゃんたちは、
皆一様にアクが強く個性あふれるアジアのおばちゃんそのもの。
その剥き出しの表情といい、問答無用のおばさん服といい、
これが日本とはとても思えない粗暴なたくましさ。
30年前、まだバブルを知らない東京は、
確かにアジアだったのだ。

出版記念パーティからの帰り道、地下鉄のなかでパラパラと
写真集を見ながら、めくれどもめくれども現れるおばさんたちの
あられもない表情に、笑いを押し殺すのがやっと。
改めてじっくり見てみると、一瞬の隙をついての人物活写で
あるにもかかわらず、背後の看板の文字がきっちり頭から入ってたり、
遠くに見える人物の姿かたちがえらくキマッてたり、
狙って撮ったのか、狙わないからこうなったのか、よくは知らぬが、
相当に出来がいいのでご本人にかわって勝手に宣伝しておこう。

●写真集(3000円+税)購入問合わせ先:kids@crux.ocn.ne.jp
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春のベランダ

2008-03-28 | ダーチャごっこ
イタリアのチコリ、冬を越えて赤く色づく。
2週間以上前に種まきしたミックスレタスとミニ人参が、ようやく
ぽつぽつと発芽してきた。トマトとキュウリの種はまだ動きなし。
今年は早くスタートしたつもりだったのに、雨と花冷えに遮られる。

こちら友人宅から里子
にやってきたトレビス
とエンダイブの苗。


こちら冬越ししたストリドーロ。種袋の写真の様相とちょっと違う(笑)。

ストリドーロは「これぞグルメシード、イタリア独特でイタリア以外では
見つけることが難しい珍しい野菜」なんだとか。
秋まきして初冬につまんだ時は、ただの草の味で拍子抜けしたが、
種分けした友から先日「冬を越えたらスモ-キーな味になってきた。
形状が面白いのでサラダにまぜると変化が出る」と報告あり。
スモ-キー!形状に変化!なるほど。グルメの指摘は鋭い。
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子供サマーキャンプ

2008-03-27 | ダーチャ本関連
ダーチャツアーの打ち合わせで東京タワーの麓、赤羽橋へ。
今回のツアーには、オケアン・サマーキャンプ訪問が組まれてる。
もともとはピオネールのキャンプだが、現在では一般の子供たちが
親もとを離れて夏を過ごす場となっているもよう。
どんな子供たちが、どんな過ごし方をしてるのか?
そしてどんな大人たちが、そんな導き方をしてるのか?
ロシアの健全を知るには子供文化に触れるのが一番。
観光旅行ではまず立ち入れない場所なので、
このツアーはオススメです!……と、軽く宣伝。

さて、ツアー募集のスケジュールを話し合い、
今年も5月にダーチャセミナーのようなものを実施することに。
新しい写真と情報を用意しなければ。
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イリヤ・カバコフ展

2008-03-21 | ロシア系イベント
ロゴスキーN氏に招待券をいただき、
世田谷美術館で「イリヤ・カバコフ展」を見る。
ソ連時代の挿絵の数々は、量・質ともに圧巻。
田中友子氏の講演会も興味深かった。
ことに、子供教育における絵本の役割についてのお話は、
以前にS先生にインタビューしてうかがった内容とも相通じる。
絵本の読み聞かせを通じて、母国語のリズムや美しさを
体で覚え、暗記して人前で聞かせるロシアの子供たち。
それも強制ではなく楽しんでやる、というところに
いつもながら日露の隔たりを感じてしまう。

それにしてもこの美術館は遠すぎる。
バスは30分おきにしか出ていないし、順路表示もわかりにくく、
雨と風に打たれてほうほうの体でたどりつくありさま。
同展は4月7日まで。晴天の日の訪問をおすすめ。
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ネット人脈

2008-03-18 | ロシアコラム
ロシアのさほど大きくない街ヴォロネジに住む人から、
当地で日本語のできる人を紹介してほしいとメールがあった。
そこで以前会ったことのある、ヴォロネジで日本語教師をしている
Vさんにメールしたところ、なんと今はスウェーデンにいるという。
「かわりに私の学生を紹介します」とVさんから返信。
かくして無事、依頼者に日本語のできる人を紹介することが
できました~。わーい、ぱちぱちぱち。
……いや、ちょっと待て。なんか変。

なんでだよ?
同じヴォロネジに住む人同士を引き合わせるのに
なんで日本とスウェーデンから遠隔操作せねばならんのだ。
そしてなぜそれが簡単にできてしまうのか!?
恐るべし、ネット社会。便利だけど、変な感じ。
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またまたカフェロシア

2008-03-15 | ロシア料理とその仲間たち
久々に吉祥寺の「カフェロシア」へ。
本日は食事もさることながら、営業が第一目的。
できあがったばかりの小冊子の見本をお店に置いていただき、
後日、壁にチラシを貼っていただけるようお願いする。
そして森のキノコのマリネ、毛皮のコートを着たニシン、ペリメニ、
ハチャプリ、タバカ、グルジアの白ワイン、ツィナンダリを堪能~。
一人2000円でお釣りがくる良心的お値段もありがたき幸せ。
雑誌に紹介されたとかで、お店は予約客でいっぱい。
ずっと先まで予約で埋まっているとのことで、
ちらりと見せていただいた大学ノートの予約帳には
ロシア人スタッフの手書き文字がびっしり。
おお、このアナログ感は、まさしくロシア式だ!

さてその足で西荻の書店「のまど」へ。
事前に委託販売をお願いしてあったので、小冊子を納品。
が!ウン十年もミニコミ委託作業から遠ざかっていたので
納品書というものを用意せねばならなかったことなど
とんと忘れていた。そういえばそうだった。
ついでにダーチャツアーのチラシを置かせていただく。
当面はガンガン営業である。
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自動翻訳ソフト

2008-03-07 | ロシアコラム
友人のKくんがロシア語情報読みたさで、一時期、自動翻訳ソフトを
狂ったように使っていたことがあり、それはそれはえらいことであった。
一度その作業光景を拝見したことがあるが、
ちゃかちゃかと目の前でパソコンを操っていくさまは実にプロっぽい。
おまけに仕上がった翻訳は単に文章が訳されるだけでなく、
記事のレイアウトや画像はそのままに、外国語部分だけが
すっぽり日本語に入れ替わるのだ。
おおっ!いまどきはこんなことになっておるのか!
一瞬感動しかけたが、訳された日本語を見て失笑。例えば…
「確かに、印象で文字を書くことを忘れてはいけない」

命令してどうする。正解は「忘れずに必ず感想を書いてね」である。
こんな気のふれた文章になることが予想されるにもかかわらず、
Kくんは今度は逆に日本語を翻訳ソフトにかけてロシア語にし、
勇気あることにロシアサイトの掲示板に書き込んだ。
そのロシア語は……。
Сегодня все начал!(今日、みんな、始めた!)
もしや……「こんにちは、皆さん初めまして!」のこと?
だがロシア語のわからない彼は、間違っていることもわからない。
見かねてもう二度と翻訳ソフトは使わぬよう忠言し、
外人は外人らしく英語で書くようおすすめしたが、
つくづく翻訳ソフトは双方の言語の知識のある人しか
使っちゃいけないものだと痛感したしだいである。
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ドニョヴヌィ・ダゾル

2008-03-04 | 映画
少し前にロシア映画『ナイト・ウォッチ』の続編、
『デイ・ウォッチ(ドニョヴヌィ・ダゾル)』を見た。
これを語るのはちょっと、いや、かなり難しい。
そもそも日本人にどこまで理解されるんだろう?
夜を見張る光の勢力(ナイト・ウォッチ)と
昼を見張る闇の勢力(デイ・ウォッチ)の幾世紀にもわたる闘いの歴史。
光=善、闇=悪と当たり前のようにとらえるハリウッド的世界観を
引きずってると、この物語の本質は見えてこないだろう。
完全な善も完全な悪もなく、あるのはただ正義の対立だからこそ、
この世から争いが絶えることなどないのだ。

たかが個人のしでかしたことが、千年の休戦状態を覆すような
大ゴトになる展開に、正直「なんで?」と思えなくもないけれど、
個人と宇宙はつながっているし、異界はすぐそこにある
というような感覚が、ロシア・スラブ世界には確かにある。
そして異人たちがうごめくのは、ほかならぬモスクワ。
このモスクワの光景の切り取り方に今回も見惚れました。

なんといってもコスモス・ホテル!
ソ連時代、モスクワで初めて泊まったのがこのホテル。
排他的な西側的外観と得もいわれぬ胡散臭さがじんじんと思い出され、
このホテルを舞台に選んだ意味がすとんと腑に落ちた。
そしてプロダクション・ノートのなかでベクマンベトフ監督が
「学生時代から駅名に邪悪なものを感じていた」といっているのは
VDNH(ヴェーデンハー)こと「国民経済博覧会場」駅のことだろう。
「邪悪」……。なるほど、そう感じるんだ。
コスモスの向かいに広がる常設万博のごとき大博覧会場。
モスフィルムの冒頭にも出てくる、男女像が槌と鎌を掲げもつ
アホらしいほど巨大な「労働者と農民」のモニュメント。
そしてそびえたつオスタンキノのテレビ塔やオベリスク。
この界わいには確かに過剰なものがそろってる。
うっひゃーカッコい~い!けどバカっぽ~い!と歓喜しながら
部外者である観光客は写真を撮りまくるわけだけど、
当事者にはスターリン的、全体主義的なるものの象徴なんだ。
モスクワの異界の入口は、ソ連的磁場の強い場所にあったのか。
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