サムイズダート・ロシア

めざせロシア式菜園生活!ダーチャごっことロシア&北海道のお話あれこれ

ロシアのイースターエッグ

2023-04-15 | ロシアコラム


キリスト教の復活祭(イースター)の日は、毎年移動し、「春分の日以降の最初の満月の直後の日曜日」と決まっているのですが、カトリックやプロテスタントはグレゴリオ暦なので今年は4月9日。もう過ぎてしまってますね。でも、ロシア正教など東方正教会はユリウス暦(旧暦)なので、明日4月16日が復活祭。ロシア語でいうところのパスハです。

今年もパスハの卵をつくりました。
といっても、ゆで卵に専用シールを貼っただけ。



このようにいろいろな柄のシールがあり、ゆで卵に巻きつけて熱湯にくぐらせると、一瞬でピタッと貼りつく仕組み。

キリスト教圏では、イースターには卵やウサギの形のチョコレートが出回り、それはそれは可愛らしい。宗教的意味合いはさておいて、クリスマスやハロウィーンをイベント化・商品化してしまう日本人が、なぜイースターチョコに触手をそそられないのか不思議。
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ロシアのオブレピーハ・グッズ

2023-01-12 | ロシアコラム


サハリンで買ったオブレピーハ・グッズを今頃使用。
緑色のチューブは顔用クリーム、オレンジ色はハンドクリーム。
日本では手に入らないので、もったいなくてとっておいたら
猫にいたずらされてビニール袋から転げ落ちていたので、
これはいかんと使い始めたしだいです。

オブレピーハは、別名サジー、シーベリー、シーバックソーン。
ユーラシア各地で古くから薬効のある果実として知られ、
日本でも近年、高価なジュースなどがネットで販売されていますが、
ロシアではダーチャで苗木から育て、ジュースはお手製が基本。

ロシアで商品化されているオブレピーハ製品といえば
上のクリーム類のほか、シャンプー、オイル、石鹸、
そしてそしてこんなにきれいで美味しそうなお菓子類も…。


*左下ボタンでスライドショーの再生・停止ができます。

以下、商品データは自分メモにつき順不同。
Фруктовая пастила Облепиха
Пастила ОБЛЕПИХОВАЯ без сахара ягодная
Кедровый марципан с облепихой 720г Сибирский кедр / 18 батончиков / конфеты шоколадные в коробках
Облепиха в йогуртовой глазури 170 г BossBerry - ягоды в шоколаде
Конфеты ОБЛЕПИХА НАТУРАЛЬНАЯ / Облепиховые конфетки, 500 г, в коробке
Чай ароматизированный Облепиха с имбирем, 50 г
Мармелад натуральный "Облепиха", 140гр.
Леденцы без сахара с живицей и облепихой от боли в горле на изомальте / Абисорганик / для повышения иммунитета, 1 шт
этикетка на настойку из облепихи 300р
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謹賀新年@2023

2023-01-03 | ロシアコラム


あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

ウサギの置物は、帝政ロシア時代に皇室御用達だったロモノーソフ陶磁器を扱うインペリアル・ポーセリンのモスクワ店で、2010年11月に購入。
ロシアにも干支があり、ちょうど翌年が卯年だったので、取材の合間に自分へのおみやげとして買い求めたのですが、あれからもう干支が一回りしてしまったとは!

公式サイトによると、人参を持つウサギ像は手描きで彩色されたもので、
作者はチャルーシン・E.N 、制作年1950年、
1951年が卯年なので、それに合わせて作られたと思われます。
Скульптура Заяц с морковкой изготовлена на Императорском фарфоровом заводе из твердого фарфора в технике ручной подглазурной росписи.Автор формы - Чарушин Е.Н. Скульптура "Заяц с морковкой" создана в 1950 году.

ちなみに後ろは、左からグルジア(ジョージア)のルカツィテリ(クヴェヴリ使用のオレンジワイン)、イタリアのオーガニック赤ワイン、越後の純米吟醸。クリスマスから延々飲みまくっていていいのだろうか(笑)。
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ロシアの動員反対デモ参加マニュアル

2022-09-24 | ロシアコラム

9月24日午後5時、全ロシアでの動員反対抗議活動を呼びかける民主化運動組織「ヴェスナ(春)」のツイッター画像より。

ロシア語の「動員」にあたる単語を一文字差し替えて「墓」という字を入れている。動員=墓場行き。あえて日本語にあてはめると「赤紙」を「墓紙」と揶揄するようなニュアンスだろうか。

ロシア極東は、すでに午後5時を回っているが、首都モスクワやサンクトペテルブルクが午後5時を迎えるのは、日本時間の午後11時。デモに参加すれば、拘束・逮捕されるどころか、男性は有無を言わさず、召集令状に署名を迫られる危険もある。

それでも勇気をもって抗議活動に参加しようとする人がどれだけいるかは未知数だが、危険に備えてこんなガイドも用意されている。



動員反対:抗議活動に安全に参加するためのガイド

この内容がまた恐ろしい。例えば…。

・顔認識システムに識別されないように、マスクを着用し、地味な服装で。
(服装については、暴行を受けた場合に備えて、さらに細かい指示あり)
・持参するもの/パスポート、携帯電話、充電器、モバイルバッテリー、水、おやつ、ナプキン、医療機関の押印がある医薬品や処方薬、衛生用品
・家から直接デモに向かわず、大通りや警察署など防犯カメラのある場所を避けて。帰路も同様。
・地下鉄は使わない(地下鉄には顔認識システムを備えたカメラあり)
・タクシーを使うときは家まで呼ばない。アプリも使わない。
・自家用車はナンバーを追跡されるのでNG
・デモの前後にカードを使わない。店や交通機関での支払いは現金のみ。
・SNSに接続できず、個人的な写真やデータがなく、SIMカードがパスポートに紐づけされていない「安全な」携帯電話をもつ。
(携帯電話については、その他いろいろ細かい指示あり)

さらに、警察官から棍棒、スタンガン、催涙ガスで攻撃を受けたときの自己防衛法、拘束された際の対処法と連絡先などが、事細かく記されている。ここまでしなくてはならないほど、今のロシアはソ連時代以上に「1984」化してしまったということか。デモに参加して声をあげることは尊いことだが、当局はそこまで読んで次々に新しい法律をつくり、市民を囲い込んでくる。くれぐれも無理をしないで身を守ってほしいと願わずにはいられない。
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ロシアウォッカ@経済制裁は誰のため?

2022-07-06 | ロシアコラム
経済制裁の対象として、4月にいち早く禁輸が決まったロシアウォッカ。
手に入らなくならないうちに、とりあえず買い置きしてはみたけれど…。


左は「クバンスカヤ」、右は「スタローヴァヤ」。
どちらもソ連時代からある定番ウォッカ。

ロシアウォッカがなくなっても、ウォッカなら他の国のもあるんじゃない?と言う人が意外にも少なくないことに、正直唖然。まるで、マリー・アントワネットに「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」と言われるが如く。そういうことではないのである。

ソ連・ロシアという一筋縄ではいかない国を相手に、ウォッカを始めとするロシアの物品を日本に仕入れて販売する道筋をつけるためには、どれだけのご苦労があったことか。それでもロシアにこだわり、ロシア製品を広めるために努力を重ねてきた方々は、今さぞややりきれない思いでいらっしゃることだろう。それを思うと、いたたまれなくなる。

ロシア・レストランでは、ウォッカはまだ置いてあるようだが、底をつくのは時間の問題。3か月ほど前に訪ねたウォッカ酒場では、ウォッカの在庫がなくなったら店をたたむかもしれない、という深刻なお話をうかがった。

経済制裁とは、いったい誰に対するものなのか。今のところ、ロシアの一般市民にさしたる影響は見られないのに、制裁をかけた側のマイナービジネスが真っ先に打撃を受けるという理不尽さ。もちろん国は救済しない。それだから、ロシアものを見かけると、買わずにはいられないのである。
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ロシアサイトのエラー表示

2022-04-25 | ロシアコラム
ロシアの国営メディア「コムソモールスカヤ・プラウダ」ウェブ版のウクライナ関連の記事(いわゆる「プロパガンダ」)を読んで検証していると、必ず途中でこの画面が出てしまう。エラー表示である。




ロシア語を読むのが億劫なときは自動翻訳にかけ、日本語の珍妙な訳文をざっと読んでから、記事を選んで再度ロシア語で読み直してみるのだが、日本語翻訳の状態のままエラーになると、こうなる。



AIの仕事にしては、絶妙な言語センスとレイアウト。


こちらはロシアの別のサイトのエラー表示。「ページが見つかりません」

気が滅入るような記事を読んでいるときに、突然こんなとぼけた表示が出てくると、思わず顔がほころび、束の間ほっこりするのであった。
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ウクライナの蜂蜜とロシアのアリョンカチョコ

2022-04-17 | ロシアコラム


業務スーパーで買ったウクライナのビン入り蜂蜜3種。
左からジンジャー、ストロベリー、ブルーベリー入り。
ジンジャー入りは、ピリリとして喉によさそう。
ベリー入りは、ベリーも蜂蜜もしっかり主張していて濃厚な味。
後ろに見えるプラボトル入りの蜂蜜は、別の日に成城石井で買ったもの。
うっかりしてラベルをはがしてしまったので証拠がないが、
こちらもウクライナ産である。

ジンジャー入りは去年買ってあったものだが、それ以外の蜂蜜は
商品を買うことで間接的にウクライナ支援になれば
と思って、いつもより太っ腹な買い方をしてみたしだい。

業務スーパーには、ほかでは見かけない輸入菓子がたくさんあるので
ついつい買ってしまうのだが、この日はなぜか在庫薄。



こちらはポーランドのシリアルバーとソフトキャラメル。
シリアルバーはいつもは何種類もあるのに、この日は1種類だけ。
ソフトキャラメルは、旧東欧のレトロ感満載の包装がいい。

じつは業務スーパーに行った一番の目的は、
ロシアのアリョンカビスケットを買うことだったのだが、
ビスケットがないかわりに、王道のアリョンカチョコがあったー!



輸出用らしくロシア語ではなく英語表記なのが残念だが、
ノスタルジックなアリョンカちゃんの絵柄は変わらず。
最初は5枚カゴに入れてみたものの、いや待って。
ロシアからの輸入が止まるかもしれない今、
ひょっとしたらこれが最後のアリョンカになるかも…。
いや、今後ロシアに行くことさえままならないかも…。
そう思ったらたまらず、大人買いしてしまった!
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『ロシアの大人の部屋』絶版に思う

2022-03-20 | ロシアコラム
3月末をもって『ロシアの大人の部屋』絶版決定、とのお知らせを
1週間ほど前に辰巳出版のご担当者からいただく。とても残念ですが、
別チームが制作した『パリの大人の部屋』も同様に絶版とのことなので
『ロシア…』だけがお役目終了というわけではないらしいのが救いです。



この本が発行されたのは、もう11年前、
東日本大震災の衝撃冷めやらぬ2011年3月25日のこと。
こんな時期に、外国のインテリアを紹介する趣味の本を出してる場合か⁉
いや、日本中がこんなに鬱々とした気分に覆われている時だからこそ、
ほっこり温かいロシアの家を見て心を和ませてもらえたら…
と葛藤しつつ、本を送り出したのを思い出します。

本書は、女子大生から90代のおばあちゃまのお宅まで、
モスクワのアパート24件のインテリアを紹介したもの。
その裏話の一部はカテゴリー「モスクワ取材2010」でお読みいただけます。

当時のロシアは、バブルは弾けたといえ、暮らしは豊かになり、
街もきれいになり、若い女の子たちはモデルばりのカッコよさ。
モスクワに同行したK君など、カッコいいお姉さんを見つけては
「きゃー、何あの人カッコいい~!女優さん!?」と狂喜してたっけ。

日本でも、ロシア雑貨やチェブラーシカやダーチャのおかげで
ロシアのイメージが少しずつ良くなってきた頃。
だからこそ、この企画も通ったわけで、
ソ連崩壊から20年たって、面倒だった旅行手続きも簡便になり、
ほぼ自由に旅程を組んで、自由に一般市民に取材できる
「普通の国」になりつつあったことに、当時は感無量でした。

なのにそのまた10年後に、ウクライナ侵攻という暴挙によって、
「怖い国」「危ない国」に逆戻りしてしまうとは。
今このタイミングで本書の絶版が決定したことは全くの偶然ですが、
本書に紹介したモスクワ市民の自由で温かな暮らしが、
二度と戻ってこないことを暗示するかのようで、暗澹たる思いです。


左から『ロシアの大人の部屋』中国版(2018年8月中信出版集団)、
台湾版(2012年1月悦知文化)、中国版(2011年12月中信出版社)

本書は、上記の中国版、台湾版が発行されたほか、
ロシアの出版社からロシア語版オファーも受けていたのですが、
誌面に登場する取材対象者の方々から許可を得られず、叶いませんでした。
遠く離れた海外での出版だから取材を受けたのであって、
国内でプライバシーを公開されるのは嫌、というのがその理由。
表向きは、開かれた国になったように見えていた当時も、
ソ連時代に培われた、人の目を本能的に警戒する習い性は、
消えていなかったのでしょう。
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ロシア国営テレビ生放送で反戦訴え

2022-03-15 | ロシアコラム
過日、国際ハッカー集団アノニマスがロシア国営メディアをハッキングし、世界で称賛の声が上がった、との報道がありましたが、愉快犯の自己満足のどこが称賛に価するのでしょう。かえって、「外国エージェント」の卑劣な行為としてロシア側のプロバガンダに利用されるだけのように思います。
それに比べて、内部で声を上げたこの女性は、本当に勇気があります。


女性は、ロシア国営放送局「ペルヴイ・カナル(第1チャンネル)」の従業員で、このあと警察当局によって身柄を拘束されたようです。プーチンの法改正によって、最長15年の実刑を受けるかもしれないというのに…。

追記:女性は、TV編集者マリーナ・オブシェニコワさん。
早くもウィキペディアにロシア語ほか数か国語で紹介されています。
●ロシア語ウィキペディアОвсянникова, Марина
●マリーナ・オブシェニコワ Facebook
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ウクライナ支援をかたる詐欺メール

2022-03-08 | ロシアコラム
少し前に「ウクライナ支援募金」をかたる英文メールが届きました。
ウクライナ支援のために、ビットコインなど暗号資産の寄付を呼びかけたもので、異なる発信元からの同じ文面のメールも出回っているようです。



迷惑メールに振り分けられていたので、すぐに詐欺とわかりましたが、
この非常時につけこんで、よくも悪知恵が働くものです。
同様の詐欺にご注意ください!

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ロシアの検閲とイソップの言葉

2022-03-06 | ロシアコラム
ロシアの独立系メディアが次々と活動停止に追い込まれているなか、
2021年ノーベル平和賞を受賞したムラトフ氏が編集長を務める
「ノーヴァヤ・ガゼータ」も、ウクライナ侵攻に批判的な記事を削除し、
一時的にニュース報道を断念する、と3月4日に発表しました。

「国防省のプレスリリースと一致しないものは、フェイクとみなされ、
最高15年の懲役刑を科せられる可能性がある」というのがその理由です。



 いい知らせがあるとしたら
「平和」という言葉がまだ禁止されていないこと

(「ノーヴァヤ・ガゼータ」3月2日(水)22号より)

確かに、ウェブ版の「ノーヴァヤ・ガゼータ」には、
昨日(日本時間)まであったウクライナ関連の記事がありません。

この決定を下すにあたり、同紙は協賛者6427人に二択のアンケートを実施。
3月3日朝までの集計結果は以下のとおりです。

●戦時検閲の体制下で、当局の要求に従いつつ活動を続ける  93・9%
●特別軍事作戦が終了するまで編集活動を停止する 6・1%

これだけ見ると、当局に屈することをよしとしているかに思えますが、
これには続きがあります。削除されるのは時間の問題かもしれませんが、
同紙サイトには、協賛者(読者)の声が多数掲載されています。
その多くは「何があっても続けてほしい」「真実を知りたい」というもの。
なかでも目を引くのは、以下のようなコメントです。

「私たちにはイソップの言葉があります」
イソップの言葉で書き続けてください」
イソップの言葉ならみんなわかります」

これはほんの一部で、同じようなコメントが、実に多く見られます。

イソップの言葉(Эзопов язык)」とは、手元の辞書でひくと
「比喩や寓意の多い表現」とあります。

ロシア版ウィキペディアによれば、奴隷だったイソップが、動物になぞらえて領主を批判したイソップ寓話にちなみ、真実を巧みに隠した表現をイソップの言葉と呼ぶようになり、ロシア文学においては、帝政時代の18世紀末頃から、検閲を免れるためにイソップの言葉を使う伝統が育まれたとのこと。

先に挙げた「いい知らせがあるとしたら、平和という言葉がまだ禁止されていないこと」というコピーにも、暗に「戦争」「侵攻」など、事実を伝える言葉は禁止され、事態は悪くなるばかりだとの警告が読み取れます。とはいえ、スレスレの表現ですね。まだ削除されていませんが、イラストの下には、言葉を選んで即時停戦を呼びかけるメッセージも添えられています。

もともと文学的素養のあるロシア人は、帝政時代も革命期もソ連時代も、検疫下の出版物の行間を読むことで、真実を見極めてきたのでしょう。21世紀になってまで、イソップの言葉を使わなければならないのは不幸なことですが、もっと不幸なのは、イソップの言葉を使った報道さえメディアが自粛せざるを得ない状況に追いこまれているということです。
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「偽情報」取締法によりロシア反戦活動に影

2022-03-05 | ロシアコラム
3月4日、プーチン大統領は軍に対する「偽情報」を取り締まる法案に署名。
罰則として数十万ルーブルの罰金や最長15年の懲役という厳しい内容に、
英BBSや米CNNは、ロシアでの報道活動を一時停止していますが、
この法律に最も打撃を受けるのは、ロシア国内での反戦運動でしょう。



先日お伝えしたロシアでの反戦署名キャンペーンは、
現在118万人の賛同を集めていますが、残念ながら
ロシア大統領宛てに署名リストを送ることを断念したもようです。

今回の法律が、どのように適用され、どのような言動が対象となるかは
まったく読めない状況であり、勇気をもって署名した人々に
危害が及ぶことを懸念しての決断でしょう。
実のところ、私もそれを心配していました。
日本で署名活動というと、わりと気軽に個人情報を書いてしまいますが、
ロシア大統領府に提出されるものとなると、署名した人、イコール
要注意人物として目をつけられかねませんから。

そのかわり、このキャンペーンをコミュニケーションツールとし、
反戦賛同者と今後もコンタクトをとり合っていくそうです。

3月6日には全ロシアで反戦抗議が行われるという情報もあるとのこと。
逮捕者が続出しないことを祈るばかりです。
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ウクライナ反戦署名108万人突破

2022-03-01 | ロシアコラム
新聞などでも報道されていますが、ロシアのウクライナ侵攻に対し、
ロシア人が始めたインターネット上の反戦署名が100万人を超えました。



先日このブログで紹介した時は、まだ50万人に達していなかったのですが、
3日経った3月1日午後6時30分現在、賛同者は108万6000人以上。

主催者のレフ・パノマレフ氏は、100万人突破を受けて
「これはさらに大きな反戦キャンペーンの始まりにすぎません」
とより多くの賛同を自国民に呼びかけています。

続報はこちら!
「偽情報」取締法によりロシア反戦活動に影

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ウクライナ侵攻に反対する署名キャンペーン
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ウクライナ侵攻に反対する署名キャンペーン

2022-02-25 | ロシアコラム
日本ユーラシア協会のFacebookによると、
ロシア人たちがウクライナ侵攻反対の署名活動を始めたそうです。



上からキャンペーンサイト「ウクライナとの戦争反対」に入れます。
戦争反対に賛同するロシア人を対象にした署名活動ですが、
この活動への支持を表明して署名するのもありかと思います。
①氏名、メールアドレス、居住地を入力して送信
②メールが届くので、クリックして認証
これで1票入ります。

続報はこちら!
「偽情報」取締法によりロシア反戦活動に影
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国後から泳いできたロシア人と極東1ヘクタール法

2021-09-20 | ロシアコラム
去る8月19日、北海道標津町(しべつちょう)で、国後島から泳いできたというロシア人男性が発見された事件。当初は「亡命」を要請し、その後「難民申請」に転じ、本人に直接取材した日本のメディアには「ポーランドかドイツかオーストラリアに行きたい」とか「プーチン政権のロシアには返さないでほしい」などと語ったとか。1カ月たった本日の時点で、まだ処遇決定の報がなく、当然、さまざまな憶測を呼んでいます。


写真は根室の「北方館・望郷の家」ジオラマ。ガラス越しなのでピンボケ失礼。男性が泳いできたと思われるルートを赤点で結んでみました。約24㎞。

根室近くの海岸からは、すぐそこに北方領土の島影が見えます。なので、泳げば日本に行ける!と思ってしまうのも無理からぬことですが、本当に泳いできてしまうとは! ロシアの国境警備隊は何をしていたのでしょうね?


こちらは国後島ではありませんが、北方領土・歯舞群島の水晶島近くを見張るロシア警備艇。2014年9月撮影。

それにしても、この事件をめぐっては、ロシア人=スパイ、何か魂胆があるはず、と裏を探る日本人が少なくないことに驚きました。いまだにロシアといえば、ソ連時代と変わらぬステレオタイプなイメージが優勢なのですね!

こんなナイーブなスパイを送りこんでくるほどロシアも暇ではないと思いますし、実はこの男性、過去にロシアの複数のメディアの取材を受け、顔写真も露出してます。これについてはのちほどご紹介するとして…。

●事件のおさらい

8月22日付の朝日新聞によれば、このロシア人男性は、

「ウラル地方ウドムルド共和国のイジェフスク出身。3年前に国後島に移住してきたという。イジェフスクはカラシニコフ自動小銃の生産で知られる。(*この情報わざわざいります??)

 男性は、極東地域の土地1ヘクタールを希望者に無償で提供する制度により、国後島の最南部で標津町に最も近いゴロブニノ地区(日本名・泊)に土地を得たという。

 地区行政府のあるユジノクリリスク(日本名・古釜布)の南方42キロのドゥボボエ村などで暮らし、時おりトラクター運転手などをしていたという。」

少々補足しますと…。まず、この男性の故郷イジェフスクは、確かにカラシニコフで有名ですが、今ではむしろ女子フィギュアスケートのアリーナ・ザギトワ選手の出身地として知られる街。ロシア西部に位置し、人口60万人超。決して辺鄙な田舎町ではありません。

●「極東1ヘクタール法」とは

なのになぜ故郷を出て国後に渡ったのか? そのカギは「極東地区の土地1ヘクタールを希望者に無償で提供する制度」にあります。この制度、2016年にプーチン大統領の肝いりで始まったもので「極東1ヘクタール法」とも呼ばれます。なにせ広大なロシア。未開地がまだまだあるので、民間に開発を委ねようというわけです。

この制度については、以下のブログにとてもわかりやすく書かれています。
ロシアビザーズ「極東1ヘクタール土地無償提供とは?」

タダで土地がもらえるには条件があり、5年以内にその土地を何らかの形で活用しなければならないのですが、新天地を夢見て応募者が殺到。そのひとりが、くだんの男性です。彼の名は、ワースフェニックス・ノカルド、38歳。かなり変わった名前ですね。フェニックスは不死鳥ですし、ノカルド(Нокард)は逆さに読むとдракон(ドラゴン、竜)。自身で改名したそうです。

●謎の男性が国後島に渡るまで

2019年4月5日付「テレグラフ」通信によれば、彼は故郷の街で職を転々としつつ、海のそばに住むことを夢見て、あちこち旅行していたそう。旅先のひとつが、東京でした。

2019年4月15日付「ノーヴァヤ・ガゼータ」によれば、ノカルド氏は若い頃から日本に関心をもち、合気道を習い、日本語の辞書や会話集を集めていたとのこと。知人の勧めでウラジオストクの無料日本語教室に通ったこともあり、2011年には来日して2カ月半滞在。この時、日本語学校に通っていたという情報もありますが、「ノーヴァヤ・ガゼータ」は「ストリートミュージシャンと交流をもち、ギターを習っていた」と伝えています。なりゆき任せの旅を楽しんでいたのでしょうか。

しかし、ビザが切れて不法残留となり、結局、強制送還されてしまいます。この時のことを彼は、「もっといたかったのに、送り返された」などと語っています。ちなみに「モスクワ・タイムズ」は、ノーヴォスチ通信の情報として、ノカルド氏はタイとインドネシア・バリ島からも書類偽造などにより送還されたことがあると伝えています。事実であれば、不法滞在の常習犯。別の言い方をすれば、不法国外脱出の常習犯です。合法的に海外に住んでいるロシア人はいくらでもいるのに、なぜ不法な手段に訴えるのでしょうね。

イジェフスクに戻ったあとのことはよくわかりませんが、「テレグラフ」によると、最後はロステレコムの技術サポート部門で働いていたそうです。ロステレコムといえば、フィギュアスケートのグランプリシリーズのひとつ、「ロステレコム杯」のスポンサーとしても知られるロシア最大の電信電話会社。風来坊がよくそんな仕事につけたと思いますが、案の定(といっては失礼ですが)ノカルド氏は解雇され、そこで一大決心をします。

そうだ、極東へ行こう!

その動機は、極東への憧れと「地元にはろくな仕事がない(本人談)」ことだったもよう。2017年2月、公共サービスポータルサイトから、いとも簡単に「極東のヘクタール」を予約し、登録を完了。



こちらは今現在の「極東ヘクタールプログラム」公式サイト。極東以外の地域も加わって、現在も募集中。

場所は自分で選ぶことができたようです。
(以下の地図は上記の公式サイトより。このすべてが対象ということではなく、これらの地域の一部の未開地)



このなかから彼が選んだのが、よりによってクリル諸島(千島列島)の国後島。上の地図でいえば、右端に連なる島々の一番下。そこが、日本が固有の領土として主張する北方領土4島のひとつ、ということをどの程度理解していたのかはわかりませんが、「暖かい場所かと思っていた」と語っているくらいですから、浅い知識しかなかったのでしょう。

かくして、わずかな荷物と7500ルーブル(約13000円)を手にして国後島にやってきたノカルド氏。しばらくは慣れない土地での生活に難儀したようですが、「国後への移住者」としてメディア取材を受けた2019年4月の時点では、島の暮らしをそこそこ楽しんでいたもよう。アルバイトの合間にハイキングしたり、日本語を習ったりし、もらった1ヘクタールの土地を旅行者の宿泊施設にするという夢も持っていたようです。

●そして日本へ

しかし、夢は叶わなかったのでしょう。この2年4か月後、彼は泳いで日本に渡ってくることになります。国後側では、南千島の社会政治新聞「ナ・レべジェ」が8月21日付でこの事件の第一報を伝えています。ノカルド氏を知る地元民によれば、彼は口数少なく、コンピューターゲーム好きで、アルバイトを転々としていたとのこと。「彼の失踪が明るみになると、彼の住居からダイビングスーツと足ひれがなくなっているのが発見された」そうです。

北海道に泳ぎ着き、札幌出入国在留管理局に収容されたノカルド氏は、HTB(北海道放送)の面会取材に対し、こう語っています。

「連邦保安庁から目をつけられて、国後島に来た当日に捕まって尋問された。その後、いつも監視されていた。国後島はコネが無いといい仕事に就けない。明るい展望が見いだせない」

本土から身一つでやってきて、なんのツテもないともなれば、「明るい展望が見いだせない」というのは、わかる気がします。

しかし、初日に連邦保安庁に「捕まって尋問された」のは、先の「ノーヴァヤ・ガゼータ」によれば、ノカルド氏がこの一帯が国境地帯であることを知らず、立ち入るための許可証を取得していなかったため。許可証は、その後すぐに発行してもらったようです。

この許可証について詳しく書かれているのが、「北方領土の話題と最新情報」。元島民2世の方が書かれている大変情報の濃いブログです。

これによると、観光客が国境地帯と知らずに入って罰金をとられることは、よくあるそう。「ロシア連邦保安庁(FSB)」とは、ソ連KGBの流れをくむ諜報機関ですが、国境警備も担っています。許可証を持たずに島に入ろうとしたら、尋問されるのは当然でしょう。そのうえ、開拓目的で来たのに、何年たってもその気配がなく、バイト暮らしをしていたら、目をつけられても不思議はないように思います。しかも彼は不法滞在の常習犯ですし。

残念ながら、調べられる限りでは、この男性に同情すべき点はあまり見つかりませんでした。常に生きにくさを感じ、「ここではないどこか」を探して放浪している人のようにも思えます。難民とは言い難く、目下のところは不法入国者とみなされているもようです。さて日本側とロシアFSBは、最終的にどんな判断を下すのでしょう?

●極東開拓とダーチャ精神

個人的には、「極東1ヘクタール法」が施行されたときから、ソ連時代のダーチャに似たこの制度に注目していたので、ノカルド氏のヘクタールがどうなっているのかが気になりますが、おそらくは没収でしょう。この人に限らず、土地をもらったはいいが、結局は何もできず、持て余している人は少なくないのではないでしょうか。ロシア政府もそれを見越して「5年以内に成果をあげられなければ没収」としたのかもしれません。

しかしもちろん、土地を活用して成功している人たちもいます。農業、酪農、観光拠点、スポーツセンター、乗馬クラブ、犬ぞりレジャー施設などなど、成功事例は多種多様。なるほど!と思ったのは、ヘクタールを自己隔離の場にするアイデア。開墾中に新型コロナウィルスのパンデミックが始まったので、広大な土地で自給自足態勢を整えたというのです。どっこいダーチャ精神は生きていた! やはりポジティブな人の成功談のほうが、読んでいて楽しいですね。機会があれば、ヘクタールの成功事例をもっと詳しく調べてみたいと思います。#
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