サムイズダート・ロシア

めざせロシア式菜園生活!ダーチャごっことロシア&北海道のお話あれこれ

北方領土の写真発掘

2013-11-27 | ロシアコラム


引っ越しの荷物整理で最後に残った膨大な写真とロシアのがらくた。
段ボールの中からやっと発掘したのが、北方領土・国後島の写真。
ビザなし渡航に参加した元島民ご親族の方からいただいたもので、
お話をうかがったのはもう5年くらい前のこと。

北方領土へのビザなし渡航の目的は、ひとつには墓参、
そして「ビザなし」で渡ることにより日本の領土であることを
ロシア側に知らしめる政治目的も当然あるだろうけれど、
元島民が世代交代しつつある今は、よりよい解決策を探るために
日ロ双方の関係者が交流を深めることに主眼が置かれているもよう。

写真で見る限り、インフラはまだまだ整備されていないようだが、
参加者の心に残るのは、やはりロシア流「おもてなし」。
家庭訪問を通じて仲良くなったロシア人にお礼を書きたい、と
お手紙のロシア語翻訳を頼まれたのだけれど、文面からは
心づくしの手料理やバーニャ体験に感激したこと、
片言のやりとりで、もどかしいながらも楽しい時間を過ごしたこと、
そして相手の健康をいたわる気持ちなどなどが伝わってきた。


「クリル諸島はロシアの領土」の文字が。
国のプロパガンダと当事者たちの間には
ちょっと温度差があるような…。

じつは、別ルートから択捉島の写真もいただいている。
こちらは残念ながらお見せできないのですが…。
当ブログで何度もご紹介したヴォロネジの美少年シンガー、
ヴラッド・クルツキフ君のおばさんは、択捉在住なのだ。
「おばさん」といっても、若くて超美人!
日本語ペラペラで、ビザなし渡航の通訳もしているらしい。
写真には、美人通訳の隣で愛想笑いする日本の某政治家が…(笑)。
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『勝手に帯広通信』第5号 十勝の生き物

2013-11-24 | 『勝手に帯広通信』

エゾリスですが、なにか?

こちらに来てからというもの、県民ショーの転勤夫婦のように
えっ!と驚く「ご当地のアタリマエ」に日々遭遇。
珍しいことがありすぎて、何から書いていいのやら。
その筆頭が、転居早々お目もじしたエゾリス君。
とにかくエゾリスがあちこちにいる!
猫よりリスに会う確率のほうが高いくらい。


こちら帯広市の北境、音更の鈴蘭公園。

 
食料になる木の実がたくさん。住み心地もよさそう。


ベンチにたまった雨水をなめてます。


注意書きの看板にもエゾリスの絵。
リスはすべらんと思うけど。

とにかくすばしっこいエゾリス君。
アップで撮れたのはこれくらい。

ちょっとコウモリに似てるシャープな造作。
仕草はけっこう人間くさい。
公園の林にリスがいるのはさほど不思議ではないけれど、
こちらのエゾリス君は、町のどまんなかの小公園在住。
「うん、リスならカボーセンでよく見かけるよ」と土地の人。
え、カボーセンって??

帯広の町は碁盤の目状に区画されており、
それを斜めにつっきる形で、木を植えた緑地帯が走る。
それが、大火を食い止めるための「火防線」。
なぜ「防火線」じゃないのか?はさておいて、
そのグリーンベルトがエゾリスの生息地でもあるのだそう。
けれど、火防線は前述したように斜めに走っているので、
タテ横に走る通りで分断されている。
まさか、エゾリスは道路渡れないでしょ??
と思ったら、早朝しっかり横断歩道を渡ってた!

ま、この時は渡った場所が偶然横断歩道だっただけですが、
道路を渡る姿はその後もお見かけ。
とにかくエゾリスの存在は、こちらではアタリマエなのだ。

そして空を見上げれば…。


拡大いたしましょう。

町なかを飛ぶ白鳥。これはかなり感激度が高い!

初めて見たのはマンションのベランダの窓から。
ぺコ~ペコ~と聞き覚えのあるヘンな声がするので
なぜこんなところで水鳥の声が??と思って空を見ると、
おおっ!10羽ほどの白鳥が至近距離でV字飛行している。
1羽やや遅れて飛んでる子もいるぞ。がんばれ!
シベリアからここまで渡ってきたのかと思うと感無量。

その話を土地の人(前述と同じ方)にすると
「2羽で飛んでなかったかい?え、10羽、そうかい。
カルガモも一緒に飛んでなかったかい?
どういうわけかカルガモは白鳥と一緒にいるんだよねぇ」
…と、ここでは白鳥の飛行姿もアタリマエのよう。

ちなみに今のところこちらで目撃した野鳥は、
スズメ(数は少なめ)、ハシブトカラス、ハシボソカラス、
シジュウカラ、ゴジュウカラ、コゲラ、ハシブトガラ、
ヒヨドリ、ハクセキレイ、アカゲラ、アオバト、トビくらい。


こちらコゲラ。代々木にもいたので珍しくはないですが、
キツツキの仲間でコンコンと木をつつく姿が可愛らしい。

そして北海道といえば……やっぱりクマ!
さすがに遭遇はしてないが、随所にクマの香りが…。
例えば芝居を見に音更文化センターを訪ねたところ、
ロビーに鮭をくわえたクマの大きな置物、
ホール入口には2匹の可愛いコグマの剥製が!
わー、クマ~!と写メを向ける人がいてもよさそうなのに
ここでは誰ひとり目にもとめない。
撮影発作に襲われるのは観光客だけ?

はたまた地元紙には、アマチュア写真家撮影の入選作、
カラフトマスをとらえる瞬間の若グマの写真。
それだけなら、見事な決定的瞬間!と思うだけなのだが、
選評にいわく「クマの撮影では目を強調するのが大変難しいのですが、
この写真では表情も含めて見事に表現されています」。
…って、クマの撮影そのものは難しくも珍しくもないということ!?
この選評、全文引用したいくらいクマへのまなざしが温かく、
写真ともども道民のクマ愛が伝わってくる。


自動販売機には、よつ葉牛乳!

ご近所のホームセンターのチラシには、
仔牛用哺乳びん、牛舎の除糞用スコップ、
牛・馬用ブラッシング用品…などなど酪農用品がズラリ!

はたまたスーパーの安売りチラシには、
魚、肉ではなく、水産、畜産!のカテゴリー分け。
「畜産」が日常用語とは、さすが帯畜こと帯広畜産大学のおひざ元!?
珍百景はまだまだありますが、本日はここまで。

*今週の十勝めし

「ぱんちょう」豚丼

いつも行列ができていて入れない豚丼の老舗ぱんちょう。
オフタイムの午後2時ごろ訪ねて、ようやく入店。
元祖豚丼は肉が厚めなのに柔らかくてジューシー。
店内もきれいでサービスも行き届いてました。

「道の駅ピア21しほろ」フレッシュバーガー
しほろ牛100%ビーフパティの上に、チーズ、厚切りトマト、
何層にもなったレタス、ピクルス、スライスオニオン。
しかもポテトフライとオニオンリングつき。
牛肉はしっかりワイルドな味わい。野菜たっぷりが嬉しい!

 
左は、そば&しほろ牛入りカレーのセット。
「しほろ」とは帯広の北約28㎞にある士幌町のこと。

今もってまだよく理解できていませんが、
十勝というのは19の市町村から成っており、
それを束ねる「十勝総合振興局」(旧十勝支庁)の
行政機関が置かれているのが帯広市、ということらしい。
音更町も士幌町も十勝の一部。
多くの町村には今ブームの「道の駅」があるので
ひとつひとつ訪ねていくのがこれから楽しみ!
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『日ロ現場史』

2013-11-16 | ロシアコラム
北海道新聞の連載記事『日ロ現場史』が面白い。
280回を超える長期連載企画で、つい最近終了。
こちらに越してきてから人に借りた新聞で知ったので
終了間際の何回かしか読んでいないけれど、
視点の定まり方といい、丹念な地元取材といい、
これぞ地方紙の底力!
新聞協会賞受賞もうなづける。

“中央”のメディアは、とかく北方領土問題というと
「ロシアの出方しだい」という決まり文句でお茶を濁し、
いつも違和感を覚えていたけれど、
これを読むとまったく違う側面が見えてくる。
日本政府こそ何をして、何をしなかったのか。
国益の陰でどれだけ振り回されてきた人々がいたのか。

記事を担当した報道センター編集委員、本田良一氏は
根室支局、ハバロフスク、モスクワ駐在の経歴をおもちの方。
きっと長年温めてこられた企画だろう。

全5部あり、第4部までは電子書籍で読めるようですが、
単行本化を待って一気に、でもじっくり、読んでみたい。
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『勝手に帯広通信』第4号 体験教室

2013-11-09 | 『勝手に帯広通信』

しんしんと秋深まる。といっても去る10月27日の光景。
日高山脈を望むここは八千代牧場。

北海道に来たからには、やっぱり牧場に行かねば!
ということで、八千代牧場で定期的に開かれるチーズ教室に
軽い気持ちで申し込んだはいいが、なんと交通手段がナイ!
予約制の乗り合いバスしかなく、それも土日は運休。
帯広市内から約35㎞。さすがに歩くわけにはいかず、
往復ハイヤー(タクシーのこと)を調達。
片道8000円。高いチーズである。


こちらが教室の開かれる畜産物加工研修センター。

建物前には牛のベンチが。

ここで生乳からゴ―ダチーズをつくる過程を体験。
 
かきまぜては待ち、かきまぜては待つ。
途中ででてくる大量のホエーは捨ててしまう。
もったいないのでバケツいっぱいのホエーの中で
ジャブジャブ手を洗ってみると、ツルツルすべすべに!
 
四角くカットしたチーズを丸い容器にぐいぐい押しこみ
折り目がつかないように布でくるみます。
お豆腐みたいだった物体が、だんだんチーズらしくなっていく。

圧縮機にかけたら、また待つ。その間にお昼休憩。
牧場の牛を眺めながらお弁当を食べるつもりだったのに…。

牛はどこにいるのー??
なんと、放牧の時期はもう終わってしまったんだとか。
牧場には常に牛がいると思ったら大間違い!

そしてチーズも一日でできると思ったら大間違い。
圧縮の途中で本日の教室はおしまい。
翌日、塩づけの作業を施してからのお引き渡しとなるので、
もう一回、往復しないとならない。あー困った。
平日なら乗り合いバス(片道1000円)はあるけれど、
ハイヤーの窓から確認したところ、乗り合いバスの発着所
八千代ユースホステルは、八千代牧場から優に5㎞以上離れてる。
街なかを5㎞歩くのはなんてことないが、
どこまで行っても地平線~みたい一本道を、行きはまだしも、
帰りはチーズ2㎏担いで歩くのはかなりきつい。

困っていたら、車を出してくれた方あり。
というわけで…。

ただいま冷蔵庫の中には熟成中チーズが鎮座。
これを毎朝反転させております。
食べられるのは3~6ヶ月後。
チーズづくりがいかに手間暇かかる作業かを思い知る。
(詳しくは『銀の匙』単行本第8巻参照)

そして11月9日。秋晴れ!

ここは帯広郊外、とかち帯広空港にほど近い大正の長いも畑。
すぐそばを飛行機が飛んで行くここで、本日は長いも掘り体験。
帯広市食育推進サポーター事業の一環で、
サポーターの帯広大正農協青年部の皆さんの指導を受ける。

収穫は11月1日に始まったばかり。
ここに至るまでは、種イモの消毒、肥料やり、マルチ、
支柱・ネット張り、支柱や葉の撤去などなど
手のかかる作業を経ているのだそう。

青年部の皆さんの手ほどきを受けて、いざ実践。
長いもは繊細な野菜。土をかき分け、丁寧に掘り出していく。
長靴と軍手持参。雑菌を持ち込まないように
長靴の上にさらにビニールカバーを履いての重装備。

収穫した長いもがズラリ。
ちょっと慣れてきたかなー、というところで収穫体験終了。

トラクターも見学。重機萌え必見。

さて、農業青年たちの爽やかな笑顔に見送られて
次に向かったのは、とかち大平原交流センター。

こちらでは、別のサポーター、おびひろ打ちっ粉クラブの皆さんが
先ほど収穫した長いもを使ったそば2品をふるまってくださる。

 
冷たいおそばは、長いもをつなぎに使ったロール挽きの九割そば。
温かいトロロそばは、石臼挽きの八割そば、だそう。
それぞれに食感が違っておいしくいただく。
そば粉は川西産。小麦メインの十勝では珍しい。

こちらはゴボウのピクルス。
初めての味。諸々ごちそうさまでした!

試食しながら、長いもを使ったレシピのお話も。
帯広大正農協「若妻会」考案の「豚丼風焼きつくね」
というのにいたくそそられる。
レシピをいただいたので、早速試してみなければ。


じゃじゃーん!
お土産は自分で収穫した長いも2本。

十勝では市民が地域農業と触れ合える
こうした体験教室やイベントが数多く開催されている。
なるべく参加したいのだけど、やっぱりネックは足である。
今回は市役所からのバス移動だったので、
ちょっとした旅行気分も味わえて大助かり。
さあ、今晩は山かけだ!
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