サムイズダート・ロシア

めざせロシア式菜園生活!ダーチャごっことロシア&北海道のお話あれこれ

日露EMS追跡レポート

2012-02-25 | モスクワ取材2010
昨年の原発事故後まもない頃。
「EMSが届きました!」とモスクワから連絡があったのは、
日本から荷物を送り出してから11日目のこと。
当時は「日本からの荷物は放射能チェックを受けていて
通関に時間がかかっている」と噂されていたので、
無事の知らせに一同大いに安堵したものでした。

噂の真偽はともかくとして、EMS追跡サービスによると、
3月25日に最寄り局から発送した荷物は、翌26日には日本を出て、
ロシアの国際交換支店に到着したのは30日。
(どこをどう飛べば4日もかかるんでしょう?)
そして4月1日には税関検査、数時間後にはもう送り出され
翌2日には配達局に届いてます。
てことは、通関は意外やノープロブレムだったということ。
でも2日は土曜日、週末にかかってしまったのがまずかったのか、
このまま局に留め置かれ、4日は「保管」となっています。

以上は日本側のEMS追跡レポート。
かたやロシア郵便局の追跡レポートによると、
「4月4日20:00 技術的理由により未配達」。

出ました! ロシア得意の慣用句「技術的理由」!
これ、決して機械系トラブルなどの意味ではなく、
「都合により」程度の遠まわしの言い訳として
使われることが多い用語。
4日は月曜なのに何してたんでしょう??(笑)

と、ロシアらしい突っ込みどころはあるにせよ、
翌5日、中身を抜き取られることもなく、荷物は無事到着。
しかもネットで追跡までできるようになるなんて!
なんでもフランスでは、EMS未着トラブルが続出し、
「EMSは送るな!」が合言葉なのだとか。
郵便事情でロシアがおフランスを超えるとは夢のようです!
Comments (3)
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つくられた名言

2012-02-20 | etc.
いわゆる「名言」というものが、ひとり歩きすることがある。

束縛があるからこそ、私は飛べるのだ。
悲しみがあるからこそ、高く舞い上がれるのだ。
逆境があるからこそ、私は走れるのだ。
涙があるからこそ、私は前に進めるのだ。


マハトマ・ガンディーの“遺言詩”と言われているこの言葉、
ガンディーの言葉集(「『ガンディー 魂の言葉』太田出版)のなかに
ぜひ入れたいと思い、出典をあたってみたことがある。
が! あたるといっても、ガンディーという人は、
毎日何かしら書きまくっていて、全集だけで5万ページ!もある。

一体このなかからどうやって探せばいいの!?
幸いこの全集(英語版)、全文PDF化されていて
CD内やネット上で検索できるのだが、
何せわかっているのは日本語訳だけ。
適当に英単語をいくつか入れて、クロス検索を繰り返す。
これでもダメならこの単語で、さぁどーだっ!
・・・あった。それらしき文章が。
といっても、この段階でわかるのは、
この文章が何番のファイルに収められているか?
ということだけなので、原典をあたったことにはならない。
さらにこのあと該当するファイルのなかで検索を繰り返す。

そしてついに発見!「ハリジャン」1947年10月12日号より

「ある友人が、ジョージ・マセソンの次のような名句を
引用して送ってくれた;
束縛があるから、私は飛べるのだ。
悲しみがあるから、高く舞い上がれるのだ。
逆境があるから、走れるのだ。
涙があるから、前に進めるのだ……」

え…。てことは、これはガンディーの言葉ではなく、
スコットランドの盲目の牧師マセソンの言葉の孫引き??

実はガンディーは自分の新聞(ハリジャンもそのひとつ)に
自分の文章だけでなく、気にとまった他人の文章や
知人からの手紙を、ちょこちょこ引用して紹介している。
「新聞」なのだから、それは当然なのだが、
膨大な文章のなかに「引用」が紛れこんでいるものだから、
ガンディーの言葉だと思い込んでしまうのも無理からぬこと。
かく言う私も危うく、引用されていた米国人記者の言葉を
ガンディーの言葉として紹介してしまうところでした!

「名言」のなかには、このようにしてつくられ、
伝説化してしまうものが少なからずあるに違いない。
言葉を引用する際は、原典にあたる手間暇を
惜しんではならない、と痛感したしだい。
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『ロシアの大人の部屋』台湾版

2012-02-18 | モスクワ取材2010
『ロシアの大人の部屋』台湾版の見本が届きました!
表紙写真はオリジナルと同じ。色の出具合も上々です。

こちらも細やかに脚注がついてます。
「断捨離」の用語解説のみならず、ゲバラやトルストイなど
人名解説、建築用語や歴史用語、はては「KGB」の説明まで!

ところで日本の書籍は「帯」も含めてデザインし、
キャッチコピーも帯に印刷されるのが一般的。
そのため裏表紙はすっきりしているのが通常ですが、
帯のない海外の書籍は、裏表紙でアピールします。
台湾版はこんな感じ……。



本の概要を伝えているらしいコピーに加え、
本書のなかから写真4点を紹介。
うち2点はバーブシカのお部屋。
日本のロシア好きの感覚に近いセレクトですね!
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携帯電話と放射線

2012-02-06 | ロシアコラム
昨年、仕事の関係で放射能対策の情報を集めていたとき、
ロシア在住スタッフが送ってくれたのが、Youtubeの動画リスト。
現地で放映されたテレビの特番らしく、
「ラジアツィア(放射能)と暮らし」というタイトル。

早速見てみると、真っ先にとりあげられていたのは携帯電話。
携帯電話がいかに有害か、それに対しどう対処すべきか?
という流れで、放射線をシャットアウトする携帯ケースや
防弾チョッキみたいな子供用放射線防御服が紹介されていた。
ん? なんか期待した内容と違うんですけど。

番組では、ついで一般家庭に潜む危険を検証。
電子レンジやテレビをどこに置くべきか、
人のいる空間からどのくらい離すべきか?
などなどの話が続き、さらに電波塔など屋外での危険、
そして最後にようやく原子力発電所のお話が少々…。

ううむ、今の日本が欲する情報とはちょっとズレてる。
結局あまり参考にはならなかったのだが、
理系にうとい私には、ラジアツィアの定義がよくわからん。
NHK・BSのワールドニュースでも、同時通訳さんが
「携帯電話で被ばくする」という訳し方をしていたことがあって
我が耳を疑ったのだが、携帯電話から出る「電磁波」も放射線なの?
英語ではラディエーション、ロシア語ではラジアツィア、と
原発から出る放射線もいっしょくたに同じ言葉を使ってるけど
これ、何が同じで何が違うの??

そこで放射線の専門家の先生に疑問をぶつけてみました。

「どちらも放射線ですが、性質が違うんです。
一般に放射線と呼ばれているのは、正確には『電離放射線』です」

ますますわからん。が、この「電離性」という性質が、
DNAに損傷を与えるなどの悪さを引き起こすらしい。
(詳しくは『放射性物質を除く食事』綜合図書・参照)
一方、携帯電話から出る電磁波は、非電離放射線の一種とな。

「かといってまったく害がないわけではありません。
例えば電子レンジは、水の分子を振動させて熱を上げます。
同じように携帯電話も、脳の細胞内の水を振動させるんです」

ということは、乱暴にいえば、携帯を耳にあてるのは
電子レンジに頭をつっこんでいるようなもの??
ひゃー、携帯キライでよかった。

WHOが「携帯電話から出る電磁波には限定的ながら
発がん性の可能性がある」との見解を発表したのは、
東日本大震災の約2カ月後。それどころではなかった日本では
あまり大きく報道されませんでしたが、事は結構深刻。

・通話は控え、なるだけメールを使う
・ヘビーユーザーはイヤホンを使う
・子供の携帯電話の使用を控えさせる

などの対策が、各国では常識になりつつあるようで、
ロシアのテレビ番組の警告もそのひとつだったのだ。
それに比べると日本は、利用者もメーカーも危機意識が薄すぎ!
Comments (3)
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