網走方面への一泊二日の挨拶廻り旅、無事に札幌へ帰ってきました。
一番遠かったのは興部の道路事務所で、朝網走を出発してから430kmも走りました。
高速道路や高規格道路がなければとても回れない距離です。
まだ公務員になりたての40年以上前のことですが、現場に官用車の運転手さんがいて、宿泊がらみの出張では一日に走れる距離を250㎞で設定していた覚えがあります。
当時から見ると一日に走れる行程が1.5倍になりました。
それだけ世間が狭くなり、あるいは効率化された社会だと言えるのでしょう。
今回の出張で、現地の商社の方に会って情報交換をしました。
するとその方が現場で使う工事用資材について作っている工場で品物の確認をする工場検査に行ってきた、という話がありました。
「工場はどこにあったのですか?」
「それが富山でして、私も行ったことがなかったので楽しかったです」
「工場検査という単語は久しぶりに聞きました。何人で検査されたのですか?」
「工事の発注者の方と、受注者の方、それに資材を納めた私の3人で工場検査をしたんです。ところが…」
「ところが…、なんですか?」
「富山の現地へ行ったのは私と受注者の業者さんの2名で、発注者さんは現地へ行かずにリモートでの検査でした」
「へえ!現地で物を実際に見るのが工場検査だと思っていましたが、リモートで現地の様子をリアルタイム動画で送るという事ですか?」
「そうなんです、しかも現地の工場の方はそれに慣れていて、さっさと機材を使って発注者の方の指示に従って、写すところを打ち合わせながらスムースにこなしましたよ。もうそういう時代なんですね」
官庁の場合は、出張旅費がないということがあるかもしれませんが、そうなるといよいよ出張して見聞を広めるという機会がかえって失われるかもしれません。
効率を追求しすぎると、本来の仕事の目的に付随した周辺情報が得られるという副次的な要素があって、それも良かったものです。
パソコンで英単語の意味をピンポイントで調べれば、その意味は分かるけれど、紙の辞書を開けばその単語の周辺の単語にも目が行き、新たな気づきがあるような、そんな感じです。
日常の暮らしには、ちょっとしたハンドルの"遊び"のようなものがあって良いと思います。
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札幌へ帰ってくる途中で、「道の駅もち米の里なよろ」へ立ち寄って名物のお餅のお菓子でイチゴ大福を買いました。
イチゴ大福にも草餅や白いお餅の別の外に、粒あんとこしあんが選べました。
はたと、(あれ妻と娘の好物は粒あんとこしあんとどっちだったかな?)と迷いました。
携帯で電話をしてみましたがどちらも出てくれません。
効率化の極みの電話もそんなものですね。
えいままよ、と二人にはこしあんを買ってみましたが、家について聞いてみると「それでよかったよ」とのこと。
ほっと一安心で、旅は完結です(笑)。