私の好きな芸人さんの一人が島田紳助。独特のツッコミとボケが冴え渡る、日曜夜の『行列のできる法律相談所』なんかは最高です。
その彼がビジネスとは何か、という彼のビジネス極意を表したのが「ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する~絶対に失敗しないビジネス経営哲学」(幻冬舎新書)です。

島田紳助は普段から「資産44億円」などと週刊誌でも書かれ、それもまたネタにしながら笑いを取っていますが、本当に彼はサイドビジネスを手広く広げているのです。
世の中にはタレントショップを展開する芸能人が多くいますが、彼自身は芸能人であることを有利に感じながらも、「本当にお客さんの期待に応えられないような商売だったら早晩つぶれる」とシビアな現実感も持ち合わせています。
なによりこの本は、表紙に書かれているような「ビジネス経営哲学」というよりは彼自身の考え方や生き様が示されています。
彼自身はあくまでも芸人なので、ビジネスは自分自身の「こうしたら受けるんちゃうかな」というアイディアが世の中に本当に通用するかどうかのゲームなのだ」といっています。ただしそれは芸能人の副業ということではなくて、あくまでもそれで世の中に対して勝負を挑むという意味での真剣なゲームです。
しかし彼自身は実はビジネスが成功したとたんにもう醒めてしまって、その後でもうけを追求することには全く興味がわかないのだ、とも言っています。
パリ~ダカールレース、通称「パリダカ」を企画したティエリー・サビーヌという人がいました。サビーヌはこれだけのレースを企画しながら、自分自身は一度もレースには参加しませんでした。そのうえ、参加者の救助に向かうヘリコプターが墜落してわずか29歳で亡くなったことで、「人を危険な目に遭わすから罰が当たったんだ」と陰口まで叩かれたそうです。
そのサビーヌは「自分が冒険する訳じゃない。みんなを冒険の扉までつれていくのが自分の仕事だ」と言っていたのだそうです。
伸助はその言葉が好きで、それをもじって、若くて力のあるやつに商売のマシンを与えて、ビジネスという冒険の扉の前に立たせ「おまえやったらダカールまで走りきれるよ」と言ってやりたいのだ、と書いています。
そのときに商売を任せる相手は、「こいつを男にしたろ」と思うような惚れ込んだ相手に限る。そういうやつじゃなかったら信頼しない。ビジネスは、こいつだったら裏切られても仕方のないと思えるくらい好きになったやつとやるべきだ、そう彼は書いています。
本の中身は、ビジネスのノウハウ本などではなくて、そうしたちょっとしたアイディアを大事にしている生き様と、そのアイディアにかけて勝負を挑み、負けたことがないという生き方の実践哲学が中心です。
いかに彼が、真剣に取り組むがんばりと、仲間と、売る方と買う方の両者がともに幸せになるビジネスこそ本物、という感覚を大事にしているかが伝わってきます。
本のタイトルの「ご飯を大盛りにする…」は本文からの抜粋ですが、この前後の文章がなくては彼の真意は伝わらないでしょう。本文にはこう書かれています。
「満足感と値段が釣り合っていれば客は納得する。値段に比べて満足感が大きければ、この店はお客のために努力してはるんやなあと感動する」
「別に高級料理店じゃなくても、学生向けの定食屋だってそうだ。お腹をすかせた学生の顔を見て、ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する」
「『オバチャンの店に行くのは腹一杯食えるからや』と学生は言うかもしれないが、ほんとはみんな、オバチャンの気持ちがうれしいのだ。客は料理だけを食べているわけじゃない。店の人の気持ちも一緒に食べているのだ」(本文132pより)
彼の経営する寿司や「はせ川」には彼の信念が彼自身によって書かれて額に飾られているそうです。その中の一節は、
人生プラスマイナスゼロである
しかしマイナスをプラスに変えた人が勝者になる
失敗してしゃがんだ後はジャンプです
島田紳助、なかなかの詩人でもありますねえ。ただの芸人ではありません。
その彼がビジネスとは何か、という彼のビジネス極意を表したのが「ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する~絶対に失敗しないビジネス経営哲学」(幻冬舎新書)です。

島田紳助は普段から「資産44億円」などと週刊誌でも書かれ、それもまたネタにしながら笑いを取っていますが、本当に彼はサイドビジネスを手広く広げているのです。
世の中にはタレントショップを展開する芸能人が多くいますが、彼自身は芸能人であることを有利に感じながらも、「本当にお客さんの期待に応えられないような商売だったら早晩つぶれる」とシビアな現実感も持ち合わせています。
なによりこの本は、表紙に書かれているような「ビジネス経営哲学」というよりは彼自身の考え方や生き様が示されています。
彼自身はあくまでも芸人なので、ビジネスは自分自身の「こうしたら受けるんちゃうかな」というアイディアが世の中に本当に通用するかどうかのゲームなのだ」といっています。ただしそれは芸能人の副業ということではなくて、あくまでもそれで世の中に対して勝負を挑むという意味での真剣なゲームです。
しかし彼自身は実はビジネスが成功したとたんにもう醒めてしまって、その後でもうけを追求することには全く興味がわかないのだ、とも言っています。
パリ~ダカールレース、通称「パリダカ」を企画したティエリー・サビーヌという人がいました。サビーヌはこれだけのレースを企画しながら、自分自身は一度もレースには参加しませんでした。そのうえ、参加者の救助に向かうヘリコプターが墜落してわずか29歳で亡くなったことで、「人を危険な目に遭わすから罰が当たったんだ」と陰口まで叩かれたそうです。
そのサビーヌは「自分が冒険する訳じゃない。みんなを冒険の扉までつれていくのが自分の仕事だ」と言っていたのだそうです。
伸助はその言葉が好きで、それをもじって、若くて力のあるやつに商売のマシンを与えて、ビジネスという冒険の扉の前に立たせ「おまえやったらダカールまで走りきれるよ」と言ってやりたいのだ、と書いています。
そのときに商売を任せる相手は、「こいつを男にしたろ」と思うような惚れ込んだ相手に限る。そういうやつじゃなかったら信頼しない。ビジネスは、こいつだったら裏切られても仕方のないと思えるくらい好きになったやつとやるべきだ、そう彼は書いています。
本の中身は、ビジネスのノウハウ本などではなくて、そうしたちょっとしたアイディアを大事にしている生き様と、そのアイディアにかけて勝負を挑み、負けたことがないという生き方の実践哲学が中心です。
いかに彼が、真剣に取り組むがんばりと、仲間と、売る方と買う方の両者がともに幸せになるビジネスこそ本物、という感覚を大事にしているかが伝わってきます。
本のタイトルの「ご飯を大盛りにする…」は本文からの抜粋ですが、この前後の文章がなくては彼の真意は伝わらないでしょう。本文にはこう書かれています。
「満足感と値段が釣り合っていれば客は納得する。値段に比べて満足感が大きければ、この店はお客のために努力してはるんやなあと感動する」
「別に高級料理店じゃなくても、学生向けの定食屋だってそうだ。お腹をすかせた学生の顔を見て、ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する」
「『オバチャンの店に行くのは腹一杯食えるからや』と学生は言うかもしれないが、ほんとはみんな、オバチャンの気持ちがうれしいのだ。客は料理だけを食べているわけじゃない。店の人の気持ちも一緒に食べているのだ」(本文132pより)
彼の経営する寿司や「はせ川」には彼の信念が彼自身によって書かれて額に飾られているそうです。その中の一節は、
人生プラスマイナスゼロである
しかしマイナスをプラスに変えた人が勝者になる
失敗してしゃがんだ後はジャンプです
島田紳助、なかなかの詩人でもありますねえ。ただの芸人ではありません。
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