暴風雨が一夜明けて今日の知床はなんとか天候が回復しました。
朝方から午前中にかけては小雨がぱらつきましたが、空は雲が多いながら青空も見えます。
気温もフェーン現象のために最高で20℃に達するほど上がり、快適な一日となりました。
そんな中、午後の時間で昨日キャンセルとなった知床五湖のガイドツアーを再び藤崎さんにお願いして案内して頂くことにしました。
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昨日も書きましたが、知床五湖周辺は利用調整制度を使って入場を制限しています。
しかし熊の安全対策上ガイドをつけなくては行けないのは5月10日からということで、今日現在(5月5日)は植生保護期間といって、環境省からの委託を受けた知床財団が実施するオリエンテーションを受けるだけで、ガイドなしでも制限区域に入れる日ではあります。
とはいえ折角来たのだから、知床のガイドさんが五湖をどのように案内するかを見てみたくて藤崎さんにお願いをしたのでした。
今日の午後のガイドは東京から来たというご夫婦と一緒になり私の家族三人と全部で五名で案内をしてもらいます。
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知床財団が行うオリエンテーションは、新しくなったセンターハウスのなかでまず約10分のビデオを見ますが、ここでは自然の中を歩くマナーと熊対策について十分に情報が伝えられます。
【これが申込書】
ビデオのあとに職員の方から直に、最新の熊目撃情報などが伝えられていやが上にも緊張が高まります。
オリエンテーションが終わると、入ってきたのとは別なドアから外へ出ますがここが制限区域への入り口というわけ。ここから藤崎さんのガイドでいよいよ湖巡りの始まりです。
今日は『積雪のため』という理由で、残念ながら一番大回りのコースが閉鎖されていて、センターハウス→二湖→一湖→木道→センターハウスという全部で約1時間ほどのコースを歩きました。
【残念五湖全部は見られず】
藤崎さんは途中で植物や野鳥、景色などの情報をいろいろと面白おかしく教えてくれますが、やはり興味深いのはヒグマの情報。
藤崎さん自身も五湖周辺では何度もヒグマそのものや足跡、爪痕などを目撃しています。
知床五湖の周辺は知床半島の中でも特に春先のヒグマの密度が濃いところなのだそうで、その理由は水芭蕉など食べるものが豊富にあることなんだとか。水芭蕉がヒグマの良い餌になるとは知りませんでした。
またそこに春の繁殖期が重なることで、人との遭遇の確立が上がってしまうことから、どうしても安全対策が必要になるのです。
藤崎さんはごく近い距離でヒグマを目撃してしまったことがあるそうで、それは木の切り株に巣を作るアリを夢中で食べているところに出くわしたのだとか。
【これがその木の根っこ】
見つけられた熊も、自分のエサを取られまいとして興奮状態になりかなり危険だったとか。ガイドさんも楽ではありません。
それにしても、藤崎さんはガイドの最中にチリンチリンと鳴って存在を伝えるためのいわゆる「熊鈴」をつけていませんでした。
「なぜ鈴をつけないのですか?」と訊いてみると、答えは「鈴をつけて音を出すと、熊がいる気配を感じる能力が鈍感になるので、ガイドの時はつけません。一人の時はつけて歩くこともありますけどね」とのこと。
ガイドの能力も繊細です。
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森の中は比較的穏やかでしたが、今日は風がとても強く、帰る途中の吹きさらしの木道では強風に煽られながらの歩行となりました。
しかし湖や山の残雪の美しい姿は春先ならではの景色で十分に満足です。
同行のご夫婦はもう三年連続でこの季節に知床へ来ているそうですが、お目当てはなんと『ナイトツアー』なんだそう。
藤崎さんも、「夜のツアーだと、動物に出会える確率がぐんと上がります。月や星を眺めるのも良いですし、自然の見方が変わりますよ。次はぜひナイトツアーへも参加してください」とお勧めの様子。
フライフィッシングや海釣り、登山などのアクティビティとも絡めながら知床の長期滞在なんて夢ですね。
さて、阿寒も釧路も負けてはいられません。藤崎産の本を読んでガイドツアーでまちづくりを考えてみますか。
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