北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

ツー・ブロックからフェードへ ~ 髪型に込める男子の気持ち

2019-06-12 22:55:39 | Weblog

 

 行きつけの床屋さんへ行くと、「初めまして、新しく入りました〇〇です。よろしくお願いします」という新人さんの挨拶。

 聞けばこの6月からここで働いているけれど、理容学校を卒業仕立てなのでまだ髪は切らせてもらえず見習い状態なのだとか。

 髪を切ってくれたオーナーに、「新しい人を入れるなんて儲かってるんだね」と言うと、「最近ちょっと待ってくださるお客様が増えたので…。まあ冒険ですけど(笑)」とのこと。

 若い人たちにどんどんチャンスを上げて欲しいものです。


    ◆


 髪を切ってもらいながら、「最近お客さんは増えているの?減ってるの?」と訊くと、「最近は美容院から床屋へ移ってくる方が増えているんですよ」とのこと。

「へー?美容院の料金が高いからかな?」
「そういうことよりも、床屋でなきゃできない髪型の流行りがあるんですよ」

「どういうこと?」
「"ツー・ブロック"ってわかりますか?耳の上とか後ろは短く刈り上げにして、上の方は長い髪のヘアスタイルです。借り上げ部分のブロックとロングヘアのブロックが違うスタイルなので"ツー・ブロック"と呼んでます」

「知らなかったけど、まあわかるよ」
「ところがその髪型を中学高校が禁止したんです。禁止の理由はよくわかりませんが、『流行はまかりならん』ってことなのかもしれません」

「ほうほう」
「カッコいいはずのヘアスタイルが禁止されたので、またいろいろ考えたわけですが、『ツー・ブロックでなければいいんだな』とばかりに、刈り上げからロングヘアに自然に移行するような髪型が生まれました。それを"フェード"と
言います。わからないようならスマホで検索してくれればそのヘアスタイルが出てくると思います」

「ふむ」
「で、以前のツー・ブロックだったら美容院でも簡単にできたんです。刈り上げはバリカンで刈ればいいし、ロングはカミソリでもハサミでも切れますから。ところが、そんな楽をしていたので、刈り上げからロングへ髪の長さが自然に移行するような刈り方は美容師さんはあまり勉強していなくって、やっぱり床屋の方が慣れてます。それで、美容院に通っていたけれど今流行のフェードの髪型にしたい男性が、床屋で刈ってもらうようになる人が増えているんです」

「へー、初めて聞いたわ」
「先日、28歳のお客様が来て『僕、生まれて初めて床屋さんに来たんですが、フェードにしてください』と言われました。今まではずっと当たり前に美容院に通っていたらしいですけどね。床屋が初めて、という方は珍しかったですね」

 こちらの床屋さんは、中学校が近いこともあって最近は中学生の新規客も多いそうですよ。

「中学も1,2年生だとまだ格安理容店へ行くんですけど、3年生くらいになるとちょっとカッコをつけたくなるんでしょうね。『フェードできますか』と聞きにだけ来て、『できるよ』と言ったらその子は3日後に来てカットしていきました。そうしたらその次にはその子の友達が数人一緒に『お願いします』とやってきました。『あそこの床屋はやってくれる』という情報が流れたんでしょうね(笑)」

 あー、女子にも見られているだろうし、甘酸っぱい青春ですねえ。

 床屋さんへ行ったら、床屋談議で視野を広げてみてはいかがでしょうか。

 

コメント
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