ものすごい勢力の台風21号が夜中にやってきて、あっという間に去っていきました。
通勤途中の円山公園でも大木が折れて、園路が通行止めになっていて少なからず被害が出たようです。
札幌市内でも、テレビや新聞は電柱が何本も折れたという被害を報じていましたし、職場の職員の中には、「家の屋根のトタンが4枚飛びました」という人もいて、被害が身近なところにあるものだと驚きました。
被害を受けた皆様にお見舞い申し上げます。
それにしても、関西空港で足止めを食っているお客さんは気の毒です。
沖合の人工島に作られた空港で、連絡道路が一本しかない状況で、その一本にタンカーがぶつかったことで、片方の車線と鉄道が使えなくなり、大きく交通機能が損なわれました。
インフラは、効率性の観点からは、必要量が満たさる最低限あればよい、ということになりますが、その一方で、いざというときの予備機能・余裕(リダンダンシー)をどうするかという視点も大切です。
一つには計画段階での危機管理ですが、一方出来上がったものが壊れた時にそれを復旧する能力を持ち続けるという危機管理があります。
災害が実際に発生すると、復旧は地域の建設業者が行います。
ただ多くの場合、地域の建設業者さんたちも普段は、公共工事や民間工事を受注して、それを完成させるという仕事を抱えています。
災害が発生すると、それらを差し置いて緊急に対応せざるを得ない状況になりますが、当然過度な労働が発生します。
ある業者さんは、「日常的な仕事をしているときに、災害が発生すれば、災害を優先して復旧にあたるのは自分たちの使命だと思っています。ただ、それに対応すると、労働は過重になり、休日や休憩のリズムも狂います。
そういうことに多少なりとも共感していただければ、我々も士気が上がりますが、『それはそれ、これはこれだ』と言わんばかりに、元々の工事はやはりちゃんとやれ、となると、我々の心情をわかってもらえていないなあ、と感じて士気が下がるんです」とボヤいておりました。
建設の力も、必要な時は頼んでくるけれど、普段は無関心でなんの敬意も払わない、というのでは本当に良い仕事にはならないと思います。
見えないところで誰がそれを支えているか、という視点で世の中を見てみて、気が付かないことが見えてくるのではないでしょうか。
要はそれが「生涯学習」ということなのですが。