私は札幌市内に住んでいるのですが、通勤には家の近くの停留所から「小樽発札幌駅行き」の急行バスに乗ることが多くあります。
普段はそれほど混んでいなくて、乗車すればまあ何とか席に座れるのが普通なのですが、それが昨日はぎゅうぎゅう詰め。
立っている乗客も多く、車内がなにか普段とは違う雰囲気なのです。
混雑を押してやっとのことで乗り込みましたが、普段だったら途中で何人も降りるはずの停留所でもほとんど客が降りませんし、終着の札幌駅で降りるのは数人というところが今日は八割が札幌駅までバスに乗ったままです。
変な違和感の原因にようやく気がついたのは、乗客の中に通勤とは思えない旅行用カバンを持っている人が何人もいたからでした。
(なるほど、JRが不通なのでみんなバスに切り替えているんだ)
三月十日にJR函館本線の朝里~銭函間で発生した土砂崩れの処理がなかなか終わらずに、小樽から札幌へ向かう通勤電車の開通目途が立っていないのです。
そのため旅行者も通勤の人たちも皆代替輸送機関であるバスを利用せざるを得ないわけで、普段混まないバスがぎゅうぎゅう詰めになるのも道理というわけ。
14日まで復旧の目途が立たないということなので、不便はまだまだ続きそうです。
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朝に小樽へ向かくバスがそうなら当然帰りだって混むわけで、札幌駅発小樽行きのバスはもう最初から列を作って大混雑。
小樽方面行きの高速バスを走らせている中央バスも、臨時便を手当てしてくれて、次々にバスを停留所へ寄せますが、何しろ乗りたい客が多いので混雑は当然。
私も何とか乗り込むと、意外にもバスはまだ座席が数席空いた状態。始発で満員に乗せると、途中のお客さんを乗せられないので余裕を持たせて出発です。
しかしそれでも途中のバス停で乗り込んでくるお客は少なくありません。
札幌市内を走りながら運転手さんは車内の乗客に、「皆様の中で札幌市内でお降りになるお客様はどれくらいいらっしゃいますか」と車内放送で声を掛けました。
私を含めて十人くらいが手を挙げましたが、これは札幌市内を出ると高速道路に乗ることになり、そうなるとシートベルトの関係で乗客を立ったままでは乗せられないということの心配をしているよう。
運転手さんの気苦労も加わって、まだまだ混乱は続きそうです。
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正常な日常の交通がどれほどありがたいかは、それが無くなってみて初めて分かります。
我々も日常を守る立場です。「他山の石」として気を引き締めなくては。