北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

NHK番組「無縁社会」は重いテーマです

2011-02-11 23:37:44 | Weblog
 NHKスペシャル「無縁社会 新たな”つながり”を求めて」を見ました。

 家庭の事情で学校へ行けなくなったり、仕事を失うことで社会との絆が切れて孤独な生活に悩み苦しむ人たちの姿を追ったものです。



 失職して社会との接点を失ったAさんがいます。

 孤独死を恐れて部屋の様子をリアルタイムでネット中継しています。

「これだったら部屋で倒れても誰かが見てくれるでしょ」 パソコンからはチャットで寄せられたコメントを読み上げるソフトが人工音声で声を発しています。

「オ、トイレヘイクノ?」「ハヤクイットイデー(ワラ)」


「社会のつながりは当てにならない」と言って、ネットでの会話に時間を費やし、ネット上で一日百人と「おやすみ」を言い合う人もいました。


                 【NHK番組「無縁社会」より】
 
    ※     ※     ※     ※     ※


 野田さんは生きる意味を見いだせずにいました。

 同僚が自殺しました。仕事に就けない苦しみを分かち合った仲間でした。

「このまま生活保護を受けていて、仕事をしないでいると自分がだめになってしまう」そう言っていた同僚。

 遺体の引き取り手はなく、無縁仏として葬られました。

 ナレーションは「働くという繋がりを持てないこと。それは人としての尊厳を奪われることでもありました」と語ります。


 
 一人はさびしい
 一人は怖い
 何のために生きているんだろう
 このまま死んだ方が楽なのか


    ※     ※     ※     ※     ※

 
 たった一人で新しい職場へ行く私にとっても、以前ある期間馴染めなかった職場があって辛い思いをしたことがあります。

 まさに居場所がない感覚は思い出すと恐怖が先に立ちます。


「ネットでのバーチャルな繋がりなんて本物じゃない、本物の関係性を作らなくちゃ」と言うのは簡単ですが、その負のスパイラルに落ち込んでしまった人にかけるべき言葉ではありません。

 火事を目の前にしてその火を消さないまま、出火の原因を非難していても始まりません。今目の前に起きている火事を消さなくては。

 
 番組では最後にある教会が主催する保護施設をルポしていました。そこではお世話になることで周りとの関わりを少しずつ取り戻して元気になる男性の姿が映し出されています。

 「繋がり」は植物にとっての太陽のように人の心に降り注ぐ慈愛そのもののようです。

 就職や修学によってその繋がりを作るのがこんなにも難しい社会になるとはだれが予想したでしょうか。

 理屈や正論の前に現場の現実がある、そんな感じ。地域社会が担えていたことが担えなくなりつつある現実。行政はその肩代わりをしなくてはいけないのでしょうか。

 このテーマは重いです。

 番組は明日第二夜が放送されます。

【日本の、これから「無縁社会 働く世代の孤立を防げ」】
 http://bit.ly/h8d2SR

コメント (1)
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