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北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

北海道神宮と開拓神社

2010-06-15 23:59:15 | Weblog
 毎年6月の14~16日、札幌では北海道神宮例祭が行われます。このお祭りは北海道の初夏の訪れを告げる風物詩でもあり、円山の北海道神宮と市内中島公園にたくさんの露店が出て市民を喜ばせます。

 北海道神宮は明治の初めに札幌神社と呼ばれ、開拓の神様である大国魂神(おおくにたまのかみ)、大那牟遅神(おおなむちのかみ)、少彦名神(すくなびこのかみ)の開拓三神をお祭りしていたのですが、その後昭和39年に日本の開国を決断された明治天皇を合祀して北海道神宮とその名を改めたのでした。

 北海道神宮は、北海道の開拓を見守ってくださる心のよりどころなのですが、さらにこの境内には、昭和13年の北海道開拓七十周年記念の年に開拓功労慰霊祭を執り行い、同年に開拓に功労のあった三十六人を選定し、奉斎神としてお祀りをする『開拓神社』も鎮座されています。

 御祭神はその後昭和29年になって十勝地区の開拓に大功労のあった依田勉三を加えて三十七柱となっています。(『柱』とは神様を数えるときの数詞)


 さて、その三十七柱の開拓諸祭神を列挙すると、
吾妻謙命、伊能忠敬命、井上長秋命、岩村通俊命、岡本監輔命、黒田清隆命、小林重吉命、近藤重蔵命、佐藤信景命、佐野孫右衛門命、島義勇命、清水谷公考命、下国安芸命、鈴鹿甚右衛門命、栖原角兵衛命、高田屋嘉兵衛命、武田信広命、田崎東命、伊達邦直命、伊達邦成命、田村顕允命、続豊治命、中川五郎治命、永山武四郎命、鍋島直正命、早川弥五左衛門命、東久世通禧命、本多利明命、松浦武四郎命、松川弁之助命、松田伝十郎命、松前慶広命、松前徳広命、間宮林蔵命、村山伝兵衛命、最上徳内命、依田勉三命ということになります。

 これらの中には、江戸の中期から後期にかけて北海道探検に功労のあった、最上徳内、近藤重蔵、伊能忠敬、間宮林蔵、松田伝十郎(間宮とともに樺太探検に功績があった)、さらには、田沼意次に江戸開拓を進言し人物として最上徳内を推薦した本田利明、そして北海道の名付け親でもある松浦武四郎の名前なども見られます。

 この皆さんの開拓への功労については異存があるものではありませんが、やはり先日書いた天命年間の蝦夷地探検の功労者については何も記載がありません。

 北海道を初めて船で一周したのは佐藤玄六郎だろうと言われていますが、残念ながら田沼意次を追い出した松平定信によって歴史的には抹殺されていた期間が長いためになかなか人に知られていないのです。

 全ては生き残って記録を残した人だけが後世の人々の記憶に残ることになるのでしょうけれど、歴史をもう少し詳しく紐解いて、功労のあった先達を正当に評価したいものです。

 北海道神宮の例祭は明日までです。
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