北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

緑の質を評価する

2007-09-20 23:52:56 | Weblog
 今日は仕事の関係で、財団法人都市緑化基金というところを訪問しました。

 こちらは文字通り都市の中を緑化するということを目的に様々な活動を行っているのです。民間企業の緑化への関心や意欲に関しては一番情報をもっている団体の一つです。

 こちらの活動でいま力を入れているのが、通称SEGES(シージェス)と呼ばれる「社会・環境貢献緑地評価システム」です。

 SEGESは、民間企業などによる緑の保全・創出活動を都市緑化基金が開発した基準によって、その社会や環境への貢献度を公正に評価・認定するという制度です。

 これまでは志のある民間企業が社会に貢献するために緑化を推進したり緑地を整備したりしても、それがどれくらい頑張っているのかということが、世の中からあまり公正に評価されていないのではないか、という反省から生まれたシステムなのです。頑張ったところには応分の評価をすることで顕彰するということは大切なことです。
 SEGESのシンボルマークはこちらです。

  


 このシステムでは「三つの原理と八つの原則」というものが示されています。三つの原理とは、「土地利用の永続性」、「緑地管理」そして「緑地機能の発揮」という三本柱。

 そしてその下に、「緑地の把握」から始まって「利用機能の発揮」までの八つの原則が掲げられていて、さらにこれらの現状に加えて、将来性として「緑地に対する姿勢や考え方(ビジョン)」と「緑化を牽引する先進する取り組み(トップランナー)」を総合的に判断して、五段階で評価をするという仕組みになっています。

 五段階の認定ラベルは、種から双葉そしてつぼみ、開花、結実までがデザインされたしゃれたもので、毎年ステージが維持されているか、または質が向上しているかを審査するということになっています。

  

 担当のAさんに伺うと「まだ登録してくれているのは18社に過ぎず認知が高いとは言えませんが、最近は金融機関からこの認定を取ったマンションなどの物件ならば融資を低金利にする商品を開発したい、というところが現れるなど、緑が実態の経済に結びつくような動きが少しずつ出始めていると感じています」とのこと。

 もっとも「企業の多くは、まだ緑化を進めることがどのように企業活動にメリットがあるのか、ということを自ら説明したり納得できずにいるというのが現状ですね」というのがAさんの感想。

 なんでも経済価値にしてしまえば簡単なのかも知れませんが、緑化や環境を守ろうという志までお金に換算するということにも抵抗があり、その一方で志しをどんなモノサシで計ったらよいのだろうか、ということも問われています。

 さて、緑化をもっと増やすことが当たり前の社会はどのように実現できるでしょうか。

 地道な志に対して一隅を照らすような暖かいまなざしが必要なのです

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする