駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

カミラ・レックバリ『悪童』(集英社文庫)

2017年01月06日 | 乱読記/書名あ行
 ロブスター漁の網が子供の遺体を引き上げた。医師ニクラスの娘、7歳のサーラだった。検視の結果、肺から石鹸水が検出され、殺人事件として捜査が開始される。指揮を執るのは父親になったばかりのパトリックだったが…小さな海辺の町の人間模様と風土も魅力的な、スウェーデン・ミステリーの大人気シリーズ第3弾。

 最新6巻まで出ているので、読み進めるのが楽しみです。でもこの巻でシリーズとしての特徴が完成されたのではないかしらん。
 エリカ&パトリック事件簿、と名付けられていますが、エリカは出産直後のパニック中で捜査はもっぱら刑事であるパトリックの仕事です。とはいえパトリックの周りも田舎町の警察署丸出しでやる気がなかったり能力がなかったり…ニューヨークとかロサンゼルスとかが舞台でない、スウェーデンの、ストックホルムからも遠い町の物語で、犯罪捜査とか殺人事件の真相とかよりもその周りの人間模様を描くことが主眼のようなところがあり、だから犯人捜しは遅々として進まないのだけれどそれで充分おもしろいしそれがおもしろい、という作品なのです。ねちねち楽しく読みました。なんといっても束が2センチあるような文庫本ってときめきますよね!
 しかもものすごいところで引いている…大変です、楽しみです!!

 
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