goo

お袋七回忌の法事に帰郷(6)

(諸国温泉一覧)

「諸国温泉一覧」によれば、但州城崎湯は西の関脇である。

江戸の精進料理の食材を調べに、図書館に行き、二つの食材を知った。
 「あられ豆腐」-小さいさいの目に切った豆腐を油でさっと揚げたもの。
 「海素めん」(うみそーめん)-海藻の一種。濃い紅茶色で、ねばりが強く、熱湯を注ぐと青萌黄色に美しく変わる。酢醤油で和えて頂く。

こんな調子で少しずつ解明していくしかないだろう。

*****************

3月26日は、城崎温泉の夜である。兄弟三人、水入らずで、こんな温泉旅館に泊まるのは、初めての気がする。長兄とは11歳、次兄とは5歳違い、兄弟げんかをする程、年齢が近くない。長兄と次兄とは6歳の年齢差があるが、その間に、もう一人、男兄弟がいたのだが、二歳足らずで亡くなった。

両親は死因について何も言わなかったが、長兄は誰かから泣きすぎによる腸捻転だったと聞いたという。その頃、父は兵役で、母が家を守り、古本屋を営んでいた。二階で一人寝かされていたのだが、泣く声が聞こえなかったのか、忙しかったのか。泣き過ぎで、腸捻転になるものであろうか。親類縁者が集って、お百度まで踏んでくれたけれども、回復しなかった。

去年、連れ合いを亡くした長兄が話し出した。すでに8ヶ月経ち、ようやく義姉の死を乗り越えたと云う。しかし、当時10キロやせた体重は、今もって戻らないと言う。しばらくは何も手に付かず、死んだことが夢のようであった。くよくよして、このままでは自分がだめになってしまうと思い、自分自身に、何度も何度も、しっかりせい、頑張れと声を挙げて励ました。これを長兄は、言葉は悪いが、自分で自分を洗脳したのだという。

今はようやく、最悪の状態からは脱して、とにかく身体を動かすことを、毎日欠かさないようにしている。体内の免疫細胞は、体温が上がると活発になると何時か聞いた。だから、毎日、5キロの速歩の散歩は欠かさない。朝はラジオ体操をして、腕立て伏せ、エクスバインダーをそれぞれ50回を励行している。

今、三日置きぐらいに、ゴルフやら旅行やらと、先々予定が決まっていて、なかなか忙しいとも話す。それが長兄の生きがいになっているならば、何も言うことはないのだが、そこまで頑張らなくても、もっと生き易い方法もあるだろうと思う。義姉の亡くなる前後に、痩せてしまった身体が、元に戻らないのも、頑張りすぎのためではないだろうか、などと思ったが、口には出さなかった。

読書:「鉄道探偵団 まぼろしの踊り子号」 倉阪鬼一郎 著
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )