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参議院本会議で代理投票

(ムサシは桜に興味はない)

国会議員は若ければ良いというつもりはない。経験不足が問題になることも多い。しかし、昨日のニュースは、やはり老害なんだろうと思う出来事であった。

自民党の若林正俊参議院議員(75歳)は、3月31日の参院本会議で、途中退席した隣席の同党の青木幹雄参院議員の投票ボタンを、代わりに押したという前代未聞の事件が発生した。民主主義を否定する行為であると糾弾されて、参議院議員を辞職した。その後、本人は記者会見で、途中退席した青木氏がすぐ戻ってくると思い、10件すべてについて自身と同じ賛否で投票ボタンを押し続けたと語り、魔が差したと振り返った。

若林議員は夏の参院選には立候補しないようだが、やったことは「魔が差した」では済まない重大な行為である。75歳にして自分の行為の意味が理解できないほどボケてしまったとしか考えられない愚行である。人間が年齢を重ねボケることは止むを得ないことで、それで全人格を否定する積りはないが、公職に付いているものはこういう事態が起らない前に自らの進退を決めなければならないと思う。

ただ、ボケる状況に至った人は自ら進退を決める判断も出来なくなっていることが多い。民間の要職にある人でも、進退が決められずに、周りの迷惑も理解せずに、死ぬまでその要職に留まってしまう人も多く見掛ける。そういう意味では党として70歳定年制を決めて、引導を渡すことは大変大切なことである。

10件も押し続ける様子は、周りの同党議員が目撃していたはずで、止めさせようとしたのかどうなのか、を知りたいと思った。しかし自分の見るところ、その点に触れた報道機関はなかった。写真を撮られ民主党に持ち込まれているわけだから、周りが気付かなかったはずがない。見て見ぬふりをしたのならば、彼らも同罪だと思う。本来ならそれを見た時点で、採決のやり直しを要求すべき事項だと思う。二、三件押した時に気付き、本人に注意をしておれば、議員辞職にまで追い込まれなかったかもしれない。

若林議員の選挙区では長男が出馬を表明しているようだが、可哀想だけれども息子の選挙戦での苦戦が目に見えるようである。

この事件で、参議院の本会議場で押しボタン投票が採用されていたことを初めて知った。本人が着席し、氏名標を立てるとボタンが押せるようになっているという。そう聞くと、青木議員が退席したとき、氏名標を倒して出たのかどうかも疑問になる。青木議員も若林議員同様、70歳定年制に掛かる高齢だから気になる。

人間、誰も老いる。腹立たしいというよりも、悲しくなるニュースであった。
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