河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

PC版に一覧等リンクあり。
OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

503- 筆舌に尽くしがたい美味

2007-12-16 20:17:00 | 食・レシピ

今、冗談で、日本国中の理系頭が集まっているのではないかと言われているT町。

このT町ですが、お昼時ろくな飯処がない。まったくない。少しはあるが高くてまずい。

少ないものだから値段を釣り上げても、まずくても、近場にあまりないので、選択肢の少なさにかまけてろくでもない飯を食わせてぼろもうけしている店が少しあるだけ。

あとは、道端に点々とある弁当屋。お昼時になると、弁当屋がいたるところに軒を出す。相場が500円だから高くはない。

仕出し弁当屋はビルの中の労働者をコンスタントな客にするのでこれまたぼろい仕事だ。

近くにある区役場のほうがもう少し安かったりするが、これまた食えた代物ではない。

まわりは、味のわからない、味に興味のない、油に興味のない、理系頭だらけだからまずい昼飯屋にとっては格好の儲け場所と言える。何しろまずいとかうまいといった観点を持ち合わせていないのでこれほどの適所はない。

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とにかくこのT町は飯に関してはどうしようもない街だ。地元の人間が昔F高の頃、何人かで、タクシーで別の街で昼飯を食い、帰りは地下鉄で戻ったという話を聞いたことがあるが、ちっとも大げさではない。

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それで、常日頃から昼飯に関しては2万パーセント諦めているので、投げやりにどこで食ってもいいのだが、マックのメガたまごを横目で見やり隣のチャイニーズにはいった。

たのんだのは、

半チャンタンメン。

つまり、レギュラーサイズのタンメンとチャーハンが半分。850円。

タンメンの量が多いのでかなりのボリュームだ。

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すぐにできる半チャンのほうが先に出てきたので、一口食べる。仕事のしすぎで腹が減っているので、なんでもうまい。

それで、二口目を口に含む。ちょっとあまいなぁ。砂糖をちょっといれすぎてるのかな。

三口目。うーむ。確実にあまい。でも砂糖ではないなぁ。

四口目。なんか変だぞ。ザラザラネバネバ。

と思っているうちにタンメンがきた。まずスープをすする。これはそこそこうまい。野菜が油っぽいすぎ。ではあるが、なんとか食える。

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タンメンスープをすすったそのスプーンで、五口目の半チャンを食べる。

なんじゃ、この味。これは化調ではないか。それも筆舌に尽くし難いほど多量の化調だ。

中国人と思しき夫婦(と思われる)がやっているお店で、安心して食べ始めたのだが、なんじゃい、この化調の山は。。

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気持ちが悪くなってきた。とてもこれ以上食えない。タンメンのスープだけいただいて、そのまま出よう。でも、なんだこのタンメンのスープ。これも変だぞ。これも化調じゃい。。

ああ、気持ちが悪い。

足早に出た。

近くにあるタリーズまでかけっこしてはやくコーヒーでうがいをしたい。

でも、走っている間に、喉の奥にねっとりとまとわりつく化調、口の中全体にヒリヒリベトベト感があり、ああ、どうしようもない。

コーヒーでうがいをしても、水でうがいをしても、この耐久性は高能力だ。ああ、まいる。。

とにかく気持ちが悪い。吐き気だ。やばい。

アルコールで毒素を流したい。でもまだ昼時だ。どうしよう。早退かな。

などと夢想が夢想をよび、耐えがたきを耐え、持ちこたえたが、結局夜中までずっと気持が悪かった。

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これが正真正銘の化調の後味。これを反面教師にしよう。この際、しっかりとこの味を脳裏に刻まなければならない。これを忘れず、銀座のお店に通わなければならない。

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それにしても、だ。このT町。昼飯、なんとかならないものか。このチャイニーズだけでなく、和ものから洋ものまで、まんべんなく、まずくて高い。

寿司屋もあったりするが、チェーン店で、カウンターに座ると、さばいている魚の血の匂いがただよってきて、とても気持ちのいい店だ。金払うから、お願いだから、食う前に店を即刻、出る。

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そもそも理系頭というのは、外部の美しさに興味がない。

自己のなかにある美意識、自己陶酔、理論、屁理屈に酔う妙な生き物。

だから外部のものを育てる、感動する、感想を言う、といった表現が出来ない。

植物、魚、動物といった対象の名前もろくに覚えられない。興味がないのだ。

逆に内なる自分を育て、自己陶酔し、いかに変な結果になろうとも、小理屈に小理屈を重ね上げ自分の中では全てが説明がつくのだ。

このような現象は外から見るとたまに、変、と言われている。

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反面、文系頭は、自己陶酔はデフォルト・バリューというか、ごく自然なものであり、外なる対象への関心が強く、ときとしてデリカシーに富む。

現象に対する意識の強さ大きさウエイトが理系頭とは異なる。

理系頭のような末梢神経が極度に肥大化したような変なところはないが、感度の位置が異なっていると思うときもあったりする。

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いずれにしても、食にうるさい文系の連中が半分でもいれば、街の食文化も大いに変わっているものと思われる。

つきあうなら文系だ。

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502- 三十八日目 Dドライブはどこへ

2007-12-15 23:16:00 | ?ムーヴィング日記

1年半ぐらい前にダウンロード購入したロキシオのレコードナウ8はそこそこ普通に作動していたのだが、久しぶりに起動をかけたら、ほかのソフト環境がかわってしまったせいか、なんか変。

プログラムの起動をかけると、インストールを始めてしまうのだ。なんか変。

何度やっても同じなので、アンインストールをしたら、なんとDドライブのアイコンが消えてしまった。

Dドライブのドライバーが変だろうと思い、デバマネをこじくりまわして、ドライバーの削除、インストにトライするも、ドライバーが見つからない。ネットで世間から探し出そうとしてもいま一つ見つからない。パソコン購入時のWindows-xpcd-romを探しているのだが、ムーヴィング時の混乱で、行方不明。

CD-ROMが見つかったとしても、Dドライブが機能不全なわけだからあまり意味はないけれど。

とりあえず、ロキシオとマシンの東芝へ連絡するしかないと思うけど、ほかになにかいい方法がないかしら。

MATSHITA DVD-RAM UJ-812

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501- 三十七日目 1ヶ月前購入の棚

2007-12-14 23:15:00 | ?ムーヴィング日記

11月の半ばに買った本棚をそのまま放置。一ヶ月がたってしまった。ようやくセットアップ完了。

この間、何をやっていたかというと、秋のコンサート、オペラ通いに多忙を極め、整理整頓なんかおかまいなし。

コンサート、オペラはただ聴く観るものだけではなく、かなりの体力が必要だ。楽しむためにも体力が必要。だから本棚にかまってる暇はなし。

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それで今日は約5箱分の本を整理。あと残りは10箱ほど。最大の難関だ。

それにまだオーディオラックを何にするか決めかねている。ラックと本棚はもう一個いるなぁ。

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500- 店がなくなる

2007-12-13 23:14:00 | 六本木にて

今年2007年も行きつけのお店が3軒なくなった。というにはまだ早い。2軒は営業中で今年いっぱいで取り壊し、再開発。

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六本木の思い出のおバンザイ料理のお店は春先になくなり、既に取り壊し再開発。

いろいろなことがたくさんあったお店で、よく通ったが途中からは昔の思いを思い出すための場所の一つになってしまった。

ロング・ストーリーはいつからかさみしくてむなしいものになってしまったが、そんなもの思い出さなくていいものなら、わざわざそのお店に行くことないだろうに、と言われても仕方がないのかもしれないが、そこが煮え切らない河童。割り切れない人間。

そのお店は3月にクローズ。しかし、昔のこともクローズというわけにはいかなかった。

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2軒目は渋谷のバー。ビルの取り壊し再開発で、またそこにお店を開くかといったらそう簡単にはいかない。

第一、ビルが出来るまでのんびりかまえるわけにもいかない。

とりあえずは今の近くですぐに再開することになるだろう。年末までは営業しているようだ。

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それと3軒目は銀座のバー。3階建ての古いビルの3階。この建物も取り壊し。

ビルもなくなり小路もなくなるのだろうか。さびしい限りだ。年末までは営業。

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振り返るに値する過去など持ち合わせていない河童だが、まだやっている2軒のバーにはクローズする前にもう一度ずつ行ってみようと思う。何か昔のことをいつもと違うことを思い出すかもしれない。

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499- 週末はたまにはエルガーを

2007-12-12 23:13:00 | 音楽

エルガーのエニグマっていい曲ですよね。

でも僕はやっぱり交響曲がいいな。

3番の補筆による全曲もわるくないが、

2番もノーブルな感じで好きだが、

1番の一歩ひいたようなそれでいて全身をまかせたくなるようなブラスのサウンドなど魅力的。

色で言うと1番って、シルバーではなくゴールド。それも柔らかいゴールド。

鮮やかに色が変化しプリズムのようなくらくらする演奏を聴いたことがある。

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1984-1985シーズン

10537

1985115()7:30pm

エイヴリー・フィッシャー・ホール

(後半)

エルガー/交響曲第1

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ズービン・メータ指揮

ニューヨーク・フィルハーモニック

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ニューヨーク・フィルの輝かしいサウンドがみるみる変化するさまは、まさに絶品。

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この公演は例によって定期です。

後半がエルガーでしたが前半はトンデモとまではいかないけれど楽しいものでした。

この頃は、1シーズン100回以上は聴いていたので、そのうち徐々にアップしますね。

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日本でエルガーを聴こうとしてもなかなかできません。

一人だけ得意な指揮者がいて今でもそこそこ振ってます。

この週末は1番よりも格段に回数が少ない2番をやるようです。

第九もいいですけど、初冬の週末、コートをはおりながら聴きに行きましょう。

1215日の土曜、サントリーホールで、そのコンサートがあります。

2番のあと六本木通りをのぼって行って、週末、外国人だらけの六本木で人をかき分け、でもおいしいお酒があったりして、そこはそこで楽しい世界に浸ることもできますよ。

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498- ニューヨーク・フィルハーモニック・オフィシャル 北朝鮮トリップ

2007-12-11 23:12:00 | 音楽

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Nkorea_b

ニューヨーク・フィルハーモニックは、本日、リンカーン・センターにあるエイヴリー・フィッシャー・ホールにて記者会見を行い、2008226日にアメリカのオーケストラとして初めて北朝鮮で演奏するとアナウンスした。

(詳細は別途)

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497- 完璧なN響 マルティヌー4番 2007.12.08

2007-12-10 23:11:00 | 音楽

2009-2010年シーズンから、ニューヨーク・フィルハーモニックの音楽監督になるアラン・ギルバートはたびたびN響を振っている。

ニューヨーク・フィルハーモニックに行ってしまうと簡単にはN響を振ることもなくなるだろうと思われるので、今のうち聴いておこう。

12N響定期のAプロとCプロを振っている。

Cプロは聴き逃せない。

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2007128()3:00pm

NHKホール

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ベートーヴェン/序曲コリオラン

ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第4

 ピアノ、サイモン・クロフォード・フィリップス

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マルティヌー/交響曲第4

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アラン・ギルバート指揮

NHK交響楽団

前半と後半が明確にわかれたプログラム。

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N響は指揮者次第のオーケストラの部分がある。

技術的な面では誰が振っても一定のレベルは保つだろうが、音楽的感興の部分においては、本当に指揮者次第だ。

相性がいい指揮者になると俄然いい音が出てきて、音楽の盛り上がりも並ではない。

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この日のマルティヌーの素晴らしさは何物にも代え難いものとなった。

マルティヌー特有のミニマル風な細やかな音楽と、ジャジーな雰囲気でシンコペーションの山と化した音楽が、うまく混じり合い強烈な盛り上がり、最終局面で複雑にしてエキサイティングな音楽をギルバートは完璧に表現した。ちょっと重かったけど。。

コントラバスを左に配し、第12ヴァイオリンを分けた。

右中声音のヴィオラの響きは青白く揃い見事だ。

それにこの配置のせいかどうか、コントラバスの響きが効果的だ。

弦のうしろに当然配置されているウィンドのアンサンブルがこれまたマルティヌーの816分音符をもののみごとにアンサンブルしており、特有の短いフレーズも印象的。

4楽章冒頭のウィンドのあやを聴けばその見事さに呆れかえるのは簡単だ。

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1楽章の不確定な音の響きに慣れない人たちは、いつまでも自分の耳を弄りあうしかない。

音楽の始点、力点がどこにあるのかいまひとつわからない部分があり、聴く方としてもこの種の音楽に対して得手不得手があって当然だと思う。

音の響きが2層化しているといった意識で聴くとよく理解できる。

第2楽章も同じような響きで進む。

3楽章のラルゴは結果的に情緒性に富んでいるのであって、鳴っているその瞬間の音楽の作りというのは、あくまでもマルティヌー独自の構造で進むと考えた方がよさそうだ。

4楽章の自然な盛り上がりはかなりエキサイティング。

3楽章とのポーズのタイミングで、最前列から駆け足で出て行った男客がいたが、あれは何を考えていたのか、是非ご本人に訊いてみたいところだが、それはそれとして、日本人特有の駆け足は外国人には焦りとか危機意識として反映されるところであり、また馬鹿なことをしたなぁなどと思いつつも第4楽章への前奏としてはなんとなく雰囲気あっているなぁとも思った。戦争が終わってもまだ走り続けている日本人のおかしげな姿が、曲に向かう姿勢を逆に冷静にさせてくれた。

その第4楽章は、最初に書いたとおりの音楽であり、複雑に盛り上がり続け突然終わる。

ここにきてはじめてこの音楽の素晴らしさを理解する人もいるようだ。

アラン・ギルバートの棒は動きは結構あるのに派手ではない。音楽のみを表現しようとしている。

どのような練習なのかわからないが、相当量の練習をしていなければ、あの棒の振りからこんな素晴らしい音はでてこない。

ただ時折、4拍目を左回りに省略して振ってしまうことがあり、粗末な棒にみえたりする。あれはたしなめなければならない。

前半のベートーヴェンの4番のピアノ協奏曲は、ピアノのサイモン・クロフォード・フィリップスの音が快活というか、軽いというか、そのような傾向の音であり、N響の腰の重い音とは正反対であり、このように逆方向の性質の物体同士でも一緒に音楽をやらなければならないのは正しい選択ではない、と思わせてくれるに十分だ。

コンサート冒頭の曲はコリオラン序曲。ギルバートの特徴が最初から出る曲だ。また、よくやられているような気がしながら生演奏では案外聴いたことがなかったりするので、このようにしてプログラムの最初に置いてくれることはいいことだ。そして思ったとおりのサウンドで響いてくれた。

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496- 第九、映像で見るならこれっきゃない

2007-12-09 22:03:00 | 音楽

1

平和ボケ演奏、わきのあまい演奏、まどろっこしい演奏、ノースピリッツ演奏、早い話がダ演の多い第九であるが、そもそも演奏数が多すぎるのが問題で、ろくでもないものだらけのなかで、それなら演奏会なんかに行かず、家でじっとコタツにはいりながら、またはソファーに正座して、これを、見よ。

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1964118

ロイヤルアルバートホール

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ベートーヴェン/交響曲第9

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ソプラノ、アグネス・ギーベル

アルト、マルガ・ヘフゲン

テノール、エルンスト・ヘフリガー

バス、グスタフ・ナイトリンガー

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オットー・クレンペラー指揮

ニュー・フィルハーモニアO.,Cho.

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この映像については、冒頭からしゃべってはいけませんなぁ。買って聴くしかありませんなぁ。

指揮をするというのは、どういうことなのか。

神のみぞ知る。

もしかして、催眠術か。

しょっぱなからトンデモ映像。

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おまけがアンセルメ指揮のベト7

このDVDにおまけはいらなかったよね。

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右の写真は1995年発売の輸入ものVHSですが、これによりますと収録日付は、

19641027

となっております。

2004年発売のDVDの日付と異なるがどちらが正しいか、わかりません。

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息子のウェルナーはエグモントの語り手としてみたことがありますが、正真正銘動く生オットーはみたことがありません。

この映像。。なんといいますか歴史の集積回路がまだ動いているといった感じですね。神がかり。

一年を〆るならこれしかありません。

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495- 第九の本はこれだ

2007-12-08 23:02:00 | 音楽

2

気のせいか最近、とりまきたちとではなく一人でのコンサート通いが多いように見受けられる金子さんですが、第九の分析ここまでするかっていう感じの本。

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こだわり派の為の名曲徹底分析

ベートーヴェンの<9>

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金子建志 著

音楽の友社

3,200

1996610日 第1

310ページ

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第九だけでここまで書くか、という感じですが、その細かさには頭が下がります。

ただ、読みながら第九を聴くのはちょっと酷。

あまりに譜例が多いので、第九が鳴ってるさなか、譜例のオタマジャクシをみて別の部分を想起するのは無理。このての特技がある人がいたら見てみたい。

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これは心静かにして、第九は自分の頭の中だけで音を鳴らしながら読む本。

そのためには事前にたくさんの第九を聴いておかなければならない。

金子さんが参考・引用したのは87ディスク。

やっぱりこんくらい聴きこまないと、まともな評論なんてできないし、本も書けない。

生第九もいいが、たまにはこんな聴きかたもいいかも。

よく勘違いするのは、ディスクを全部集めたら全部聴いたような気がするコレクターがたまにいるということ。全部聴いて消化してこそ第九も救われる。

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494- 本当の第九 アントン・ザイドル ジークフリートの死

2007-12-07 23:01:00 | 音楽



 ワーグナーの公演に力を尽し、アメリカにおいて1891年にニューヨーク・フィルハーモニックの指揮者となったアントン・ザイドルは1898328日にフィルハーモニック在任のまま亡くなった。

いぜんちょこっとだけ書きました。

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彼がいかにワーグナー、そしてフィルハーモニックに貢献したか。

亡くなって5日目の演奏会を見てください。

死ぬほど長いコンサートです。

そして、彼への敬意以外なにものも存在しない強烈なインパクトで演奏会は終わっております。

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ニューヨーク・フィルハーモニック

1897-1898シーズン(56シーズン)

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189842()8:15pm

カーネギーホール

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(前半)

①バッハ/前奏曲、コラールとフーガ

   (J.J.Abert)

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②ヘンリー・ホールデン・フスHenry Holden Fuss/

シーン、クレオパトラより

ソプラノMme, Clementine de Vere Sapio

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③ウェーバー/オイリアンテ序曲

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(後半)

④ベートーヴェン/交響曲第9/

1楽章

2楽章

3楽章

⑤ワーグナー/ジークフリートの死

 (アントン・ザイドル追悼)

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Frank van der Stucken 指揮

ニューヨーク・フィルハーモニック

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この公演に合唱団は出演しておりません。

4人のソロもいません。

別の曲に出演したソプラノのサピオがいるだけ。

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人類愛を祝祭的にうたった第4楽章はありません。

かわりに演奏されたのはジークフリートの死。

この驚愕のプログラムが、ザイドルの存在の大きさを物語っております。

ワーグナー演奏に巨大な足跡を残したザイドルが、その後アメリカにわたり活躍の場となったオーケストラ、ニューヨーク・フィルハーモニックの公演で、作曲家Frank van der Stucken の棒のもと、このような追悼公演が催されました。

非の打ちどころのない完璧なプログラム・ビルディングです。

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一応、

4曲目が第九の第123楽章、

5曲目ジークフリートの死、

となってますので明確な区切りがあったような気もしますが、当日は別件がはいっていたのでこの公演は残念ながら聴けませんでした。

拍手があったとは思えません。

過去にさかのぼれるタイムマシンが出来るまでその日の検証はとっておきましょう。

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このような非日常的プログラミングが第九の非日常性とショッキングなコラボを組むことにより事の重大性を示したわけですが、それに比べるのも恥ずかしい日本の師走恒例第九遊び。

なにかにつけて〆たがる日本人のことですから、別に勝手に遊んでいればいいわけですが、年末のこの大事な時節、ほかの公演ができなくなるのが残念。

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ニューヨーク・フィルハーモニックはだいたい週4度のサブスクリプション・コンサートをこなしていますが、この時期、クリスマス・イブあたりから年末までお休みとなります。

ゆっくりとお休みを取り大晦日のニューイヤーズイブコンサートあたりから再開し、祭日は11日だけですから、まぁ、その日も定期があったりしますから、元日とか関係なく突き進んでいきます。正月よりもクリスマスが大事。当然と言えば当然ですが。

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2009-2010年シーズンからは、指揮者もマゼールからギルバートにいっきに若返ります。

そのアランがこの前、N響を振りました。

ちょっとだけ聴きましたので、しばらくしてからブログにアップしてみますね。

おわり

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493- 聴きたい第九

2007-12-06 23:00:00 | 音楽

前回のブログに書いたように第九大好きの日本人は、この時期、全国いたるところできがふれたように、ダイク気ちがい、になるわけですが、

これは聴いておいて第九の価値を貶めることはないだろうと思われます。

それはこれ。

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1223242627

NHKホール

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ベートーヴェン/交響曲第9

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指揮/アンドリュー・リットン

NHK交響楽団

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聴きどころは第3楽章まで、と推測される。

リットンのように、自分の前にはうまいオーケストラがいて当然といった毛並みのいい指揮者は逆にへんな力みもなく作品そのものの良さを再認識させてくれる可能性がある。

DELOSから素晴らしい演奏を連発していたリットンだが、2005-2006年シーズンで任期切れとなったようだ。今後のあらたな活躍が期待される。

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ところで、NHKホールでの第九公演はこの4回だけのようだ。さすが、NHKだけのことはあり、この極悪音響ホール、多目的で第九どころではないみたい。これはこれで平和だ。

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492- ダイク気ちがい

2007-12-05 21:59:00 | 音楽

今年も日本の変な習慣第九週間、いや第九月間がきた。

馬鹿の一つ覚えでもないよりまし。

かもしれないが、

一つ覚えのオケなんてないし、

日本の絶品のオケがわざわざそろいもそろってこんなことをする必要がどこにあるのだろうか。

デパートみたいにかきいれ時なのかもしれないが、ホールのキャパなんてたかだか知れているし、回数も馬鹿みたいに増やせるものでもない。

定期公演に少し追加するぐらいだろう。

プレイヤーの方は、年の瀬、迷惑なだけではないだろうか。

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よくやるよ。いつまでも、こんなこと。

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ということで、200712月のサントリーホールの第九公演はこんな感じ。

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2()新日フィル

(*1)「サントリーホールの第九」合唱団

3()玉川大学

  (*2)一曲目/どろぼうかささぎ序曲

4()東京音大

20()読響

21()日フィル

22()昼 東フィル

同夜 新日フィル

25()読響

26()都響

27()日フィル

28()東響

29()東響

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こんな感じで、20日過ぎは、クリスマス前後を除いて毎日第九。22日は昼夜違ったオーケストラで2回あり。

2日の「サントリーホールの第九」合唱団ってのはなんだろう。お祭り集団かな。

34日は大学連中が冬休み前の唯一の罪滅ぼしコンサートなのだろうが、普段から勉強していれば、こんな時期にこんなことしてなくてもいいのではないか。一曲目がどろぼうかささぎ序曲、限りなく笑わせてくれる。

芸術のゲの字もない。

ただの心浮き浮きコンサートなのだろう。

ハタ迷惑なホールが一つ増えただけ、のようにならないことを祈る。特に12月のサントリーホールには。。

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491- 今度は国内オケ

2007-12-04 22:58:00 | 音楽

しばらく外国のオーケストラの公演ばかりでしたが、12月になると外国のオーケストラは自国での定期演奏が多くなり、日本の12月は一服感がある。

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しばらくは、国内オケを聴くことになるが、12月中旬からは第九だらけになるので、そうとうつまらなく貧弱なプログラムばかり。

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この第九文化、そろそろどうにかしてほしいものだ。

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玄人から素人まで、

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うまいオーケストラから、下手なオケまで、

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日本国中第九だらけ。

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なにを考えているのだろうか。日本人は。。

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490- カルメン オペラパレス2007.12.1

2007-12-03 22:57:00 | 音楽

自由な女か

それとも

悪女か

カルメンを観に行ってきました。

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2007121()2:00pm

新国立劇場、オペラパレス

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ビゼー/カルメン

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演出/鵜山 仁

指揮/ジャック・デラコート

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カルメン/マリア・ホセ・モンティエル

ドン・ホセ/ゾラン・トドロヴィッチ

エスカミーリョ/アレキサンダー・ヴィノグラードフ

ミカエラ/大村博美

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合唱/新国立劇場合唱団

児童合唱/杉並児童合唱団

管弦楽/東京フィル

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カルメンの音楽というのは、冒頭のいきなりの音楽から最後まで、ありとあらゆるフレーズが聞覚えのあるものばかり。

少し出し惜しみして、ほかの曲をもう何曲も作れるのではないかとおもったりしてしまう。

しかし、同じようなありあまるメロディーの数々で有名なチャイコフスキーとはかなり異なり、音楽の流れがよくない。成熟していないと言い換えてもいい。

チャイコフスキーの唖然とするとうとうと流れ切る音楽と比べるとかなり落ちる。

まぁ、あえて言えば横に流れず、縦に突っ立つ感じ。これはこれでなんだか大正昭和初期の浅草あたりが想起されて面白くもある。

タイトルロールのマリア・ホセ・モンティエルは、当初のキャストから変更になったメゾだが、オペラグラスで覗くと少々年端はいっているが第一幕のフラットな感じからだんだんと調子があがってきて第3幕終場では、ホールを揺るがすような大サウンドで見事に歌いきっていた。

この主役だけいればいいようなオペラだが、第1幕からストーリーとその展開があまりにスカスカで物足りない。ビゼーの腕なんだろうが、それをフォローするような演出が欲しいような気もする。

1幕を観ていると、リチャード・ギアとデボラ・ウィンガーの、愛と青春の旅立ちオフィサー・アンド・ジェントルマンを思い出してしまいます。

週末憂さ晴らしをする軍人とそこにたむろする町工場の女たち。

男が主役か女が主役か難しいところですが、カルメンでは女が主役なわけです。

このようなありふれたストーリーは好きな題材ですが、男と女のあやはどこにでもあるわけですね。

映画の方の女性のデボラ・ウィンガーは当時、男を吸い込むような見事なブルー・アイでとってもよかったですね。

この映画はハッピー・エンドになるわけで、デボラも救われます。

町のシチュエーションは似てますが、結果は大違いです。

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1幕後半から終場に向かってストーリーはぐっと緊張感を増して、ワルな女カルメンはダサイ軍人ホセをたぶらかして逃げ切る場面で最高潮に達します。ここらへんの音楽は見事です。

メゾのモンティエルはこの第1幕では終始フラット気味であぶなっかしいというほどではなかったが、公演が2時スタートということもあり昼からワルな役にいまひとつ乗り切れないのか、どうせなら夜の公演の方が雰囲気がでるって言う感じだが、このようなワルな女に弱い男は屈伏してしまうんだなぁ。。

1幕では軍人だったホセは、誘惑女カルメンを逃がして捕まってしまったこともあり、第2幕では結果的に悪党軍団にはいってしまう。非常に難のあるストーリーで違和感の強い幕である。

ここでエスカミーリョが初めてでてくるが、この幕、そして第3幕と全く存在感がない。

この演出、キャストだからというわけでもない。

2幕は第3幕への分水嶺であると思われるがあまりに強引な展開であり、音楽自体も味気なく音楽的には、?、である。

このような展開で進んでくるので、第3幕が2場構成にならざるを得ないのも理解できる。第1場は山賊の場みたいなもので、母親が病気でそのためホセはそこから消えてしまうのだが、第2場ではそれまでとは全く異なる闘牛場の外というシチュエーション。

母親の話などどこかに飛んで、無理で強引なストーリーで、ホセがカルメンを殺す。

闘牛場の中ではエスカミーリョが牛をしとめる。

まぁ、無茶苦茶な展開であるのだが、ここまでくるとかなりドラマティックでさえある。

結局、魅力的なのはその音楽。次から次と流れるわけではないが、陳列された宝石箱のようであり、覗いた一つ一つがみんな素晴らしいのだ。

ワーグナーのような緊密なつながりの音楽を求めてはいけないのであり、かといってイタオペともちょっと異なり、かといって純正なヴェリズモというわけでもない。独特な音楽とドラマ性でその地位はいつまでも健在。

聴衆たちは帰る道すがらみんな、例のカルメンの節を口ずさんでいる。これがカルメンの魅力だ。みんなきっとまた観にくるに違いない。

もうひとりの悲劇、というよりもあわれなミカエラ役を歌った大村さんは物腰がとっても洗練されていて、この役は役の方が負けている。別のオペラでタイトルロールの役を観てみたい。華がある人にはふさわしい役があるものだ。

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指揮のデラコートのことはよく知らないが、無理な音楽作りはしない人のようにみえる。ビゼーの音楽は時として強引であったりするが、そこからドラマティックなものをひきだすということはせず、どちらかというとその角をとっていくような音楽づくりだ。

だから熱狂ではなく安定がある。

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カルメン、って、結局、また、観たい。

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489- カルメンは自由な女?悪女?

2007-12-02 23:10:00 | 音楽

カルメンは言う。

私は自由な女よ、

半年つき合ったけど、

あの別の彼が好きなの、

私をしばらないで、

私は好きなように生きるわ、

私を通すか、殺すか、

それはあなたしだい、

でも私はいくわ、、

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ホセも言う。

あれだけ楽しかったじゃないか、

あの頃を思い出そう、

そうしてもう一度やり直そう、

あんな男のどこがいいんだ、

たのむ、

もう一度だけ機会をくれ、

私は愛しているんだ、、

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完全に男ホセの負け。

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そして女聴衆は思う。

やっぱりしつこい男って嫌いよね、、

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ようやく男聴衆も感じる。

そうかやっぱり未練はいかん、、

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カルメンは言う。

さぁ、私を通すか、殺すかよ、、

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ホセはついに。

あぁ、もう終わりだ、

殺してやる、、

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カルメンはホセに刺され死ぬ。

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しかし、本当に死んだのか。

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カルメンは悪女ではない。

自由な女。

自由を得る代償は高かった。

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カルメンはいつか生き返り、

また、男をたぶらかし、

そして自由に生き始める。

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ズッチャー、ズッチャッチャチャチャアー、

ターラタラララランタララララン

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ということで、

今、新国立劇場、オペラパレスでの出し物は、

カルメン

1125日から129日まで続く。

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まだ上演中であるので、その感想もちょっとひかえめに書いてみる。

あすか、あさって、お楽しみに。

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