気のせいか最近、とりまきたちとではなく一人でのコンサート通いが多いように見受けられる金子さんですが、第九の分析ここまでするかっていう感じの本。
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こだわり派の為の名曲徹底分析
ベートーヴェンの<第9>
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金子建志 著
音楽の友社
¥3,200
1996年6月10日 第1刷
全310ページ
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第九だけでここまで書くか、という感じですが、その細かさには頭が下がります。
ただ、読みながら第九を聴くのはちょっと酷。
あまりに譜例が多いので、第九が鳴ってるさなか、譜例のオタマジャクシをみて別の部分を想起するのは無理。このての特技がある人がいたら見てみたい。
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これは心静かにして、第九は自分の頭の中だけで音を鳴らしながら読む本。
そのためには事前にたくさんの第九を聴いておかなければならない。
金子さんが参考・引用したのは87ディスク。
やっぱりこんくらい聴きこまないと、まともな評論なんてできないし、本も書けない。
生第九もいいが、たまにはこんな聴きかたもいいかも。
よく勘違いするのは、ディスクを全部集めたら全部聴いたような気がするコレクターがたまにいるということ。全部聴いて消化してこそ第九も救われる。
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