2019年1月24日(木) 7pm サントリー
モーツァルト コジ・ファン・トゥッテ 序曲 5
ショパン ピアノ協奏曲第2番ヘ短調op.21 14-9+7
ピアノ、クシシュトフ・ヤブウォンスキ
(encore)
ショパン 練習曲op.10-12 革命 2
Int
チャイコフスキー 交響曲第1番ト短調op.13 冬の日の幻想 13-12-8-13
ヤン・パスカル・トルトゥリエ 指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団
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ヤブウォンスキは2年前の2017年に同じオーケストラの伴奏でショパコン1番をしました。今回は2番です。
2282- ショパンPC1、ヤブウォンスキ、シマノフスキ2番、ヴィット、新日フィル、2017.2.24
ショパンの伴奏音楽は、それはそれとして、この日もピアノに集中、たっぷりと味わい尽くしました。
中間楽章は縦のバーを取り払ったようなプレイ。草書スタイルのように見えながらもきっちりと清書したような整った美しい響き。やつしているように見えて実はそうではない。
ppからmfの幅の中をデリカシー満載に込めて弾く。叩きは皆無。両方の掌がまとまって見え煮凝り風な音の粒がきれいにまとまる。指の引き際に音が鳴り始めるように見えるのは錯覚なのだろうが、ppからmfの強弱幅を聴いていると色々と納得できるところが多い。あのようなタッチがえも言われぬ美音を引き出しているのだろうか。
両端楽章もあまり強弾きは無くとも、きれいな響きがよく聴こえてくる。ショパンを噛み尽くしました。
アンコールの仕草が毎度、アンコール、そう、要るの、要るよね。てな雰囲気でユーモアたっぷり。前回は遺作と革命、今回は革命だけでした。これが、結構激しかった。ショパンの色々な顔を魅せてくれましたね。ショパン堪能しました。
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トルトゥリエと言えばポールのチェロを思い出してしまいますが、今日はその二世による棒。
最初のコジから結構鳴らす。オーケストラに音を出させますね。音バランスは指揮者が一番よくわかっていると思うので、言ってる通りにやればいい、というのは変な言い方だが、指揮者の領分があるのだからね、そこは。
オケメン、納得のプレイだったかと思います。スッキリとしなったいい演奏のコジ。
後半のチャイコフスキー1番、なかなか実演では聴けない。楽しみにしていました。十八番でしょうね。
じっくりと熟成感のあるトルトゥリエの冬の日の幻想でした。やや下降気味のチャイコフスキー節から始まるが美しいメロディーライン。魅惑的な作品。グイグイと引き込まれますね。対のような終楽章は、序奏と再現部が大きくて楽章の半分を占める。入念な指揮っぷりで完全に知り尽くし切っている、大好きな曲、そんな感じですね。
クリアに聴かせてくれる型、メリハリのあるサウンド、スケールが大きく、あの大柄な体躯でホップステップして、ジャンプまでしてしまう、いいタイミングの着地も鮮やか。
ここでもよく鳴らす。管は遠慮なくバンバン出させますね。ツボどころというのがあって、実に良く決まる。壮快。
ブラスセクションは鳴らし切り、それに負けじとウィンドも弦もかき消されることなくよく、音が来る。パーカッションもバシンと決まりますね。
ホルンの活躍の場が多い曲、このオケ、そこだけが残念なのです。以前よりはだいぶ良くなったとはいえ、毎度トラというのはやめてなんとかしっかりと存在感のあるプリンシパル立ててほしいですね。今はトラがいないとガクッと腕前に差が出てしまう。
まあ、それはそれ。
冬の日の幻想の初楽章の展開部に入ってすぐにコントラバスで短い、いかにもロシアっぽいメロディーが何小節か出てきますが、あれってあすこに1回だけなんですよね。後半のブラスのファンファーレの前出しモチーフの様な気もしますが、魅惑的な節だけにストレートにもっと聴きたくなりますね。チャイコフスキーは他のところに書き込むの忘れてしまったのかもね。
おわり