河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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2660- ブゾーニ喜劇序曲、角笛、プロコフィエフ6番、大野和士、都響、2019.1.15

2019-01-15 23:08:19 | コンサート

2019年1月15日(火) 7pm 東京文化会館

ブゾーニ 喜劇序曲op.38  7

マーラー 少年の不思議な角笛  4-3-6-6-7
 テノール、イアン・ボストリッジ

Int

プロコフィエフ 交響曲第6番変ホ短調Op.111  14-14-12

大野和士 指揮 東京都交響楽団


上野の1階席両サイドは高台になっていて自席はそのレフト側の高台席で見晴らしがものすごくいい。ボストリッジのヘッドの位置とこちらから見る目線がちょうど同じ高さで、彼のあごを引きながらの歌唱でもものすごくよく聴こえてくる。思う存分堪能できました。
マーラーの不思議な角笛5曲、たっぷりと30分近く、歌詞はわからないが発音はよくわかる。声の伸ばしのところが高貴、品があって、音程のブレといったよけいなことを忘れさせてくれる。また、歌いまわしが自然でナチュラル(同じ)、情感がごく自然にこもっていきます。進むにつれて歌の内容が積分されていく。気持ちの積み重なりが出てくる。
ボストリッジの歌声は都響とびっくりするほど同質化している。境目がわからないぐらい。それに、大野との呼吸もよく合っている。作品を楽しむには理想的だ。
ボストリッジは深みにはまることなく、情緒ほどほどに、クールにきめる。歌詞の内容を追いつつ聴くボストリッジの表現は味わい深いといわなければならない。

プロコフィエフ6番、めったに演奏されることが無いが、聴けば聴くほど脳内味が出る。
プロコフィエフらしいやにっこさ満開の作品で、あっち飛んだと思ったらこっちで堰止湖、とにかく油断ならない曲。
1,2楽章の流動体モードの弦が美しい。ここらあたりが大野の真骨頂だろう。その弦にもっと膨らみが出ていればさらに艶めかしくも悩ましい演奏になっていたに違いない。
ラッパの切れ味は冴えない。終楽章、スパッとした縦軸の切れ味が欲しいところ。
1,2楽章の滑るような演奏だけで十分満足しました。

演奏会冒頭に置かれた作品は、自分が持っているブゾーニ・イメージとはかけ離れたもので、軽いタッチ、モーツァルト的な雰囲気を醸し出す。書きたい気持ちもなんとなくわかるような気がする。
ちょっと気分転換に、プロコフィエフのあとに整理体操的に最後に演奏してみる、というのはどうだろう。
おわり