2019年1月16日(水) 7:30-8:40pm HAKUJU HALL
スーパー・リクライニング・コンサート
オール・ラフマニノフ・プログラム
幻想的小品集op.3より第2曲 前奏曲嬰ハ短調 鐘 5
前奏曲集op.23より
第1番嬰ヘ短調 4
第2番変ロ長調 3
第3番ニ短調 3
第4番ニ長調 3
第5番ト短調 5
第7番ハ短調 2
ヴォカリーズop.34-14 (阪田知樹編) 6
楽興の時Op.16 7-4-3-3-3-6
(encore)
ここは素晴らしい処op.21-7 (阪田知樹編)
ピアノ、阪田知樹
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阪田さんを聴くのは昨年2018年のシューマンのコンチェルト以来のこと。
2555- トリスタン、シューマンPC、阪田知樹、チャイコフスキー4番、ラザレフ、日フィル、2018.5.12
また、スーパーリクライニング企画を前回聴いたのは一昨年2017年のダニエル・シューでした。
2344- ベトソナ31、シューベルト4即興曲、トロイメライ、ダニエル・シュー、2017.5.17
この企画は座り心地も演奏も最高ですね。
阪田さんのオール・ラフマニノフ・プログラムはみっちりと隙間なく1時間、アンコール入れて1時間を越える長丁場を休憩取ることもなく、もの凄い集中力で聴かせてくれました。
昨年のシューマンはデリカシー満点で素敵な演奏でした。今日のラフマニノフは、力強くて太い線、それにウェットな流れがきらりと光る。身体が前後に激しく揺れ、右腕左腕が高く舞う、絶妙なタッチと息づかい。お見事なもんですなあ。シューマンとは別の面を見ました。多彩な響きに魅了されました。
前奏曲からのピックアップと楽興の時は圧巻。前奏曲の長調短調の色合いがくっきりと鮮やかに表情付けされていて味わい深い。軽いポーズの中に深い呼吸とコンセントレーションの高まり、それが聴くほうに移ってくる。この空気感。堪能しました。
また、楽興の時は巨大。スケールの大きなプレイ。とめどない流れが次から次と押し寄せてきて、一息もできない。圧巻。
第4曲の音響的盛り上がりは一つのクライマックス。各ピースの独立した動きはそのクライマックスに負けず劣らず濃いものでラフマニノフの作り出す陰陽にグイグイと引き込まれた。デミネンドやデクレシェンドはこれみよがしなところが無くて、ナチュラルに使い分けられていそうだ。計算を感じさせるところが無くて自然な息づかい、曲想にマッチしていて作品の大きさや幅を感じさせてくれる。大きな作品と演奏でしたね。楽興の時。各ピースのつながりもよく聴こえてきました。
ヴォカリーズとアンコールのここは素晴らしい処、阪田さんの編曲もの。音楽の表情がグッと変わりロマンチックでムーディーなところが魅力的。作曲もするという事でどのような作品があるのかわかりませんが、今日のような編曲ものを聴いてみるとそれとなく肌触りがわからなくもない。作品を聴いてみたいものだ。楽しみですね。
充実の濃密リサイタル、存分に楽しめました。
ありがとうございました。
おわり