河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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2630- シューマン1番、2番、クリスティアン・ティーレマン、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団、2018.10.31

2018-10-31 23:03:43 | コンサート

2018年10月31日(水) 7:00pm サントリー

シューマン 交響曲第1番変ロ長調op.38 春  12-7+6-9

Int

シューマン 交響曲第2番ハ長調op.61  13-8-10-9

クリスティアン・ティーレマン 指揮 ドレスデン国立歌劇場管弦楽団


2015年、2016年の来日公演の圧倒的な演奏とは、作品の規模やオーケストラ編成の要因があると思われもすれ、その部分を割り引いても、今ひとつなところがありましたね。

来日公演はなかなか万全とはいかないものでしょうが、逆に日常のルーティンワーク的な色合いが出てくるところもあって、そのような毎日毎晩の演奏のなかに面白みを感じるほうなので、むしろイヴェント的色彩には相応な興味しかわかない。といったあたりのことを思い出させてくれるような演奏でした。これはこれで。

第1番の春のブラス・ファンファーレから始まりました。ティーレマンは相変わらず颯爽としていて、釘抜きのような棒さばき、オーケストラの音の出が益々遅くなった。局面によっては音が出てくるまで待っているところもあって、これはこれで主体的なオーケストラアンサンブルを味わえる。良くザッツあいますよね。オケ呼吸ですな。
シューマンの執拗な刻み節には時に辟易するところもある。オーケストラの色彩感がなかなか出て来ず、ドレスデンでも簡単にはいかない。まろやか風味は無くてザクッザクッと進む。主題が直列に並んでいるような趣きで、これの次がこれ、といった感があってところてんまでもいかない、少し引っ掛かりがある。造形がうまく練り上げられていない。
それにオケの滑り具合も、スルスルまろやか風味を必ずしも求めるわけでは無いのだが、ザクッザクッ姿はプレイレベルに起因するように思えるところがあって、本来の総合体の響きの世界は出し切れていなかったと思う。

後半は2番。春に比べて遥に充実している演奏。しっかりとした作品によるところも大きいと思う。このような造形のしっかりした作品であればあるほどドレスデンの力がビンビン出てきます。
2楽章スケルツォの規模感や前進する音楽が大きく、手応えあり。他楽章がこのスケルツォ楽章のサイズに、よく似合うもので大きさ充実度、申し分ないもの。ヘヴィー級の2番。オケ指揮者ようやく水を得た魚になってきた。押し留まる縦方向の力が前進しようとする力にグラグラ揺れる。刻み節も前進推進力の前にのたうち回る。いい演奏になって来た。自然過熱し始めた。まあ、日常の定期演奏会の雰囲気ってこんな感じだと思いますね。春やって2番やって、折れ線グラフモードから右肩上がりのラインに活力が出てきた演奏で、最後はうまくまとめた。
それでも、なんだか、指揮者オーケストラともに、やり足りない雰囲気がそこはかとなく漂う。


アンコール無しのコンパクトな演奏会。もう一曲欲しかったところだが、それでも2番のほうは本格的なシンフォニック・シューマンでいいサウンドを浴びた。

スタンディングで面白かったのは、ティーレマンが親指をサムアップ風に上げるとウィンドとブラスのプリンシパル達だけが立つ。日本のオケのモタモタ風情は定番なれど、あんな感じでシグナル決めておけばいいのかも。まあ、音楽監督が定期公演を振る回数が日本の場合、本当に少ないのでルール決めも人しだいなのかもしれない。

収録カメラとマイクが多数。NHKではなかったようですがいつかどこかで観れるかもしれない。ステージにカメラ3台、客席に2台。収録マイクはステージに10本ほど、天井から7本ほどぶらさがっていた。いずれも可視。

14型編成

おわり