2018年5月9日(木) 7:00pm コンサートホール、オペラシティ
ムソルグスキー はげ山の一夜(原典版) 16
ニールセン 交響曲第6番 素朴な交響曲 14-5-6-11
Int
ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番ニ短調Op.30 18-11+14
ピアノ、清水和音
(encore)
ショパン ノクターン第10番変イ長調Op.32-2 5
高関健 指揮 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
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ラフマニノフの3番コンチェルトお目当てで聴きに来ました。演奏会のプログラムは3曲でどれも興味深いものでした。
清水さんのベトソナなどは割とさっぱりとしていてその印象のままラフマニノフを聴いたのですけれども引き締まった内容で新たなテイスト発見というところです。ラフマニノフの全曲の一気演奏会も以前あったことですし、そちら方面でのオーソリティでもあるわけですね。
引き締まったラフマニノフは細さや繊細さ、それに均質でブレないパッションなど、色々とブレンドされている。オケ伴があるところでも独奏が自然に際立っている響き。多面的な聴く楽しみ。ラフマニノフ満喫。
トランペット一本のみの吹奏で後はおとなしくしていたブラスセクションは終楽章でアタッカ爆発を皮切りに活躍。最後、伴奏がやや縦に食い込む様相をみせながらも滑るような弦のユニゾンでなだれ込み、シンコペーションで角度をつけ、ピアノが3連符の急降下、フルオケでアクセントを入れ後打ちキックを一本、シンコペを繰り返しながらラフマニノフ終止。ピアノの椅子は飛ばなかったが、気持ち、蹴りを入れて、圧巻の清水ラフマニノフ。いやー、エキサイティングでした。
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プログラム前半1曲目は、はげ山の原典版演奏。トランペット2、コルネット2、等、多彩な響きを楽しめた。編曲物とはまるで違う物件だけれどもだからといって粗野な感じは無い。ボリスやホバンシチーナのような原始的でワイルドなあぶなさは無い。ドラマの起伏ではなくて最後まで高テンションで通したユニークな作品。指揮者の几帳面な振りっぷりで粗野感が抑制されたのかもしれない。一つの作品に潜む色々なヴァリエーションを開陳して魅せてくれる。そこらあたりは彼の真骨頂のひとつなのかもしれませんね。
2曲目のニールセンの6番。
めったに聴くことが出来ない作品。概ね2管のコンパクトな編成。そうとうひねりの効いた作品で面白い響きが随所に出てくる。終楽章はなにやらエスニックな料理が次々と9皿でてくる。不思議なメインディッシュ変奏。
高関の棒のもときっちりと整理された佳作の美演。見通しの良い演奏。オーケストラの透明でシルキーなサウンドが魅力的で大いに楽しめた。
このホールは1600人キャパ、それにしてももう少し入りが良くてもいいんじゃないのかなと思いました。選曲、ソリスト、揃っていて、聴く前から良さそうだというのはわかるし、聴後感は指揮&オケ含め期待通りのもので、良かった得したという思い。
自分の持っている定期チケット以外では、曲お目当てで出かけることが多くて、やはり足繁く通わないといけないなと再認識。
素晴らしい演奏会、ありがとうございました。
おわり