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演奏会のことはちょっと休憩で、少し前に買ったSACDについて。。
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マーラー/大地の歌
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テノール、スチュアート・スケルトン
バリトン、トーマス・ハンプソン
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マイケル・ティルソン・トーマス指揮
サンフランシスコ交響楽団
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2007年9月26‐29日
デイヴィス・シンフォニー・ホール
ライヴ
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サンフランシスコ交響楽団
自主製作盤
821936-0019-2
SACD
(日本での輸入・販売は東京エムプラス)
(AVIEレーベル)
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相変わらずの高価格で推移しているMTTのマーラーシリーズも佳境に入ってきた。
交響曲で残すのはあと一千人の交響曲だけだが、ここにきて大地の歌がでた。
歌が、テノールとバリトンということで最近では比較的ユニーク。
普通はテノールと、
メゾまたはアルトまたはソプラノ。
このパートをバリトンのハンプソンが歌っている。
テノールはスケルトン。
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第1,3,5楽章のスケルトンはなんだかその名前の通り、骨組はよくわかるが少し硬い。気張り気味だ。
第2,4,6楽章のハンプソンが抜群。
特に第6楽章が、心をこめた絶唱で久しぶりにいい歌に出会えた。心をこめて歌っているのがよくわかる。
大地の歌を知らない人のために書くと、といってももったいぶらずタイミングだけ書いてみると。
第1楽章:8分27秒
第2楽章:9分31秒
第3楽章:3分16秒
第4楽章:6分57分
第5楽章:4分25秒
第6楽章:30分39秒
ということで、いかにバランスが大事か。思い知らされる曲ではある。
第6楽章はコリン・デイヴィスの長さにはならないが、それでもゆっくりめで、それでいて間延びのしない緊張感あふれる歌が披瀝される。
最初のフォーエヴァー(イーヴィッヒ)のメロディーが実に情感に溢れ、続くハンプソンの自由にひきのばされた歌の解放感が見事。
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そしてこのあとあたりからMTTの棒がそれこそアドリブというか即興というか変幻自在のテンポ、そこに五線紙はなく一筆書きの見事な連続体。揺れ動くマーラーの心模様がそのまま単旋律の連続体になったような感じ。
そして最後のフォーエヴァーにかけのぼるまでのオーケストラの微妙な味わいの盛り上がり、表現芸術がきまった、瞬間だ。
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たまに、このブログを覗いてもらっているオペラの夜さまのご意見もうかがいたいところだ。
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録音については、SACDサウンドは抜群で、奥行き、横の広がり、定位する音場、空気感、微妙なニュアンスまでとらえた見事な録音。ライブとは思えない。
いい演奏は、いい録音で。
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