河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

PC版に一覧等リンクあり。
OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

432- The Long Goodbye

2007-10-06 22:51:00 | 本と雑誌

Longgoodbye

久しぶりに本の紹介です。音楽関係ではありませんが。

たまに音楽の話も出たりしますが、カクテルの味わいの比ではありません。

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ロング・グッドバイ

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著者:レイモンド・チャンドラー

翻訳:村上春樹

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早川書房

\1,905

初版2007310

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本文533ページ

村上春樹によるあとがき:46ページ

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村上さんによる新訳です。

清水俊二訳の、長いお別れ、と同じものですが、村上さんのあとがきを読むとその熱さにやられる。

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はじめて読む人は、533ページというボリューム感に圧倒されるが、それよりもチャンドラーの精緻さにやられることだろう。

あとがきには思いのたけを書いているようだ。

内容については買ってのお楽しみ。

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訳について一つだけ気になることがある。それは、

「というか」

という訳。

例えば、

「もう一枚の紙はごみ箱に捨てられていました。というか、ごみ箱の端にひっかかって、中には落ちていなかったのですが。」

というくだりがある。どうもこの「というか」接続詞みたいなものが気に障る。

今風の訳というよりも、今のはやり言葉をそのまま使っているようで、このチャンドラーの小説にそんなもの不要だろう。

オリジナルでは、おそらく何か単語がそこにあるのだろうが、日本語ではこの際、思いきって割愛、つまり削除してもよいのではないか。気にならない人もいると思うが、どうも不自然で唐突な言葉だ。

本文533ページ中、10回程度しか出てこない単語だが、角のとれた訳がその単語の箇所にくると冷水を浴びせられたように我に返りしらける。

別の時代であれば気にならなかった言葉かも知れないが、今の若者言葉であるだけに気になってしょうがない。

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