河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

393- バンベルク エッシェンバッハ 1991-21

2007-08-28 23:46:02 | 音楽

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1991年に聴いたコンサートからピックアップして書いてます。

今日はバンベルク交響楽団です。

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1991年のバンベルクの来日公演はたった5回だけ行われました。

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199110

24()ザ・シンフォニー・ホール

25()名古屋市民会館

27()サントリーホール●

28()聖徳学園川並記念講堂

29()サントリーホール

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●は河童潜入

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芸術の秋たけなわ、ひっそりと5回だけ行われました。

前年1990年にホルスト・シュタインに率いられ来日しブラームス全集を演奏してますから、あれからあっという間の一年半でした。

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この年の演奏はどうだったのでしょうか。

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19911027()2:00pm

サントリーホール

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シューベルト/交響曲第8番未完成

ベートーヴェン/交響曲第3番エロイカ

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クリストフ・エッシェンバッハ指揮

バンベルク交響楽団

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この曲の組み合わせ、ジェイムズ・レヴァイン指揮メトロポリタンオペラ管弦楽団の目から鱗が全部剥がれ落ちたかのようなクリア極まりないエロイカのCDを想起させますね。未完成はいまいちでしたけど。

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未完成のペースでエロイカをやるとおかしくなるし、エロイカのペースで未完成をやるとこれまた変になる。

かといって対極の解釈をしてしまうとこれまたやにっぽい。

早い話が両方とも難しい曲なのだ。

ワルターの演奏がいい。

ワルター指揮ニューヨーク・フィルのゆっくりテンポの見事な香り立つ演奏。

そしてコロンビア響との小編成ながら威嚇するようなそれでいて滑らかさもあわせもったワルター特有の名演が見事。

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バンベルクといえば、1982年のヨッフムとのブルックナーの8番が忘れ難い。

足の長い椅子にもたれかかりながら、時に立ちあがりながら、バンベルクのボテボテながらブルックナーの真髄を見事に鳴らしてくれたあの演奏が忘れ難い。

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ということでこの日はどうだったのだろうか。

エッシェンバッハはピアノより棒大好きになってしまったのでしょうがない。

当時はまだ髪の毛も多少なりともあって、若いころのピアニストの面影は残っていた。

しかし、演奏は特にとりたてて素晴らしいというものではなかった。

バンベルクには骨太の演奏をつい期待してしまうのだが、エッシェンバッハは線が細く(ピッチはよい)、鳴らすというよりは、やわ、な感じが少なからずした。

未完成は聴けば聴くほど味わいが深い曲だが、全体のテンポ配分が難しい。

1楽章と第2楽章の対比、相似、どちらでいくのか方針もなかなかうまくいかない。

この曲の場合、演奏回数が多い指揮者ほどいい演奏を期待できそうなところがある。

何度も演奏し、少しずつ矯正し、練り上げてだんだんと天上からの光輝くような演奏が可能となる。

当時のエッシェンバッハはどうだったのだろうか。

スコアをなぞっているような気配があった。

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バンベルクのエロイカはひとりでに自動的に良く鳴る。

聴きながら観ていると指揮者の方が振られているような趣きがありそれはそれで面白いのだが、そうなると観客からは指揮者像が全て透けて見えてしまい、苦笑したくなるような箇所もあった。

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バンベルクのようなごく美しい小都市のオーケストラは、カイルベルトから続く系列の根性指揮者をはずしちゃだめなのかもしれない。

エッシェンバッハは最近になっていろいろなオーケストラに売れているが、個人的にはこの棒のどこがいいのかあまりわからない。

おわり

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