くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「異人館画廊」谷瑞恵 

2015-01-09 21:08:15 | ミステリ・サスペンス・ホラー
 春先だったと思います。
 友人が入院したので、お見舞いに本を……と買ったのがこれ。谷瑞恵「異人館画廊 盗まれた絵と謎を読む少女」(集英社文庫)。
 プレゼントしたものの、自分でも読みたくなって買いました。なかなか見つからなくて、やっと発見。読みはじめたら、一気に読んじゃいましたよ。
 
 イギリスで図像の研究をしていた千景は、祖父の死をきっかけに日本に帰国します。祖父は画家で、そのアトリエを祖母が画廊サロンにしていました。
 祖父と千景は、昔から図像遊びをしていました。そのヒントから手紙を見つけますが、なんと千景の将来のために昵懇の男性に結婚話をしたと書いてありました。
 一体、相手は誰? 訝る千景の前に現れた幼なじみの透磨。どうも彼とは気が合わなくて、つい無愛想な態度になってしまいます。
 さらに透磨からある絵画の鑑定を仲介され……。
 
 図像とは、イコンのことです。絵画に独自の意味を象徴させた小道具や背景を書き込む手法です。
 どうも、見る人を破滅に追い込む絵が見つかったらしい。二枚セットで、片方はゴヤの作品。片方がもう一方の不吉な事象を打ち消すように描かれます。でも、どちらがいわくつきの作品なのかはわかりません。美術館がほしいのはゴヤの方。
 透磨の仲間はキューブと呼ばれ、劇団女優の瑠衣、占い師の彰、情報収集のカゲロウ、そして千景と祖母がメンバーとされます。この個性的なキャラたちのやりとりがおもしろい。
 初めはゴスロリ系コスプレイヤーの人? と思った瑠衣さんがどんどん魅力的になっていきます。千景のツンデレぶりにもついニヤリ。でも透磨は一枚上手っぽいです!
 帯には続編を希望する声が紹介されていますが、なんともうじき(十日後くらいです!)新しいレーベルで発売されるのだとか! 楽しみー。
 短編シリーズとかも読んでみたいです。

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