くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「居酒屋ぜんや」

2018-07-01 09:34:05 | 時代小説
「ほかほか蕗ご飯」「ふんわり穴子天」「ころころ手鞠ずし」「さくさくかるめいら」の四冊を読みました。
 坂井希久子「居酒屋ぜんや」シリーズ(角川春樹事務所)。
 ずっと読みたくて、図書館で全部揃うのを待っていました。
 余り裕福とは言えない侍の家の次男林只次郎は、鶯のルリオを拾って育てたところから、その鳴き声を認められてかなりの収入が得られるようになりました。
 美声を聞かせることで他の鶯もその声を真似るのですね。
 知り合いから連れて来られた「ぜんや」で、女将のお妙に一目惚れし、鶯仲間の大店のご隠居を紹介しているうちにすっかり常連になります。
 しかし、お妙を探る何者かの存在に不穏な空気が……。

 お妙の夫の亡くなった事件、何やらきな臭いものがあるのでしょう。
 わたしは、お妙の義姉お勝さんと、只次郎の嫂の父柳井殿が好きです。
 ぜんやのお料理もいつもおいしそうで、わたしも空気のように店の末席でご飯を食べながら只次郎や皆さんのやり取りを見つめていたいわ、と思いました。
 とりあえず、冷奴にするときは豆腐を拭いてみます。
 
 実は昨年、途中からでも読んでみるかと「穴子天」を借りてきて、最初の「花の宴」だけ読んだのです。
 お妙が弁当を作って、ご隠居さんたちと花見にいく話。鯛茶漬けおいしそうだし、柳井殿の羽織のエピソードも印象的だったのですが、なんだか背景がうまくつかめなくてやめてしまったのですよね。
 今回、通しで読めてよかった。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿