くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「仙台きょうはなんの日」

2016-08-20 04:43:35 | 歴史・地理・伝記
 ふと目についた一冊。「仙台きょうはなんの日」(仙台文化出版社)。1988年刊です。
 もともと図書館活動の一環として記念日の本を調べていたのですが、地元の話題がある方がおもしろいのではないかと思いまして。
 金成の小迫延年、ゲンジボタル、栗駒の後藤伍長(八甲田山雪中行軍事件)や千葉あやのさん(正藍冷染)、また芭蕉が仙台を訪れた日とか、魯迅が医学専門学校に入学した日とか興味深いです。
 中でも。
 石川啄木が金策のために仙台に滞在という話題には笑ってしまいました。
 たかられたのは土井晩翠。「ゆっくり仙台を見て行き給え」という言葉を勝手に解釈し、仙台の旅館で豪遊。「宿泊費を土井家のつけに廻して離仙した」のだそうです。(5月29日)
 「うわさ話訴訟」というのも強烈です。
 近所の主婦たちが「A子さんは盗癖がある」「A子さんがセールス先で財布を盗んだ」などと陰口を叩いたり勤務先に電話したり(!)ということがあり裁判沙汰になったのだそうです。(8月24日)
 最近数が安定してきたシジュウカラガンの繁殖も1985年から放鳥してきたしてきたがわかりました。
 ショックだったのは、昭和58年に保険金目的で近隣町の少女が殺された事件です……。当時わたしは中学生のはずですが、そんなことがあったなんて……。(後年「Yちゃんという女の子が縄跳びをしてポテトチップを食べ、笑いながら消えていく」という怪談話を聞いたのですが、関係あるのでしょうか)
 発行から三十年、現在同じコンセプトで作ったらまたユニークな本になりそうに思うのですが、どうでしょう。
 そういえば、大池唯雄さんの項に宮城県出身の芥川賞・直木賞作家は他にいないと書いてありました。
 その後だと熊谷達也さんや辺見庸さんがいますよね。