くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「名作の中の病」岩波明

2015-02-07 06:10:59 | 書評・ブックガイド
 い、意外と多いんですね。「病」を描いた文学作品。
 えっ、そうだったの? と思うようなものもありましたが、そういう視点で編んであるのもおもしろいと思いました。
 岩波明「精神科医が読み解く 名作の中の病」(新潮社)。
 
 読んだことがあるものも、ないようなものも、岩波さんのガイドでふんふんなるほど、と読めるのですが、結構たくさん精神科のお世話になるような作品があるんです。
 「マークスの山」って、そんな話だったの?
 読んだことがなかったのですが、ブックガイドで知っていたストーリーとはちょっと違うイメージが。
 「レインマン」とか「歯車」とか有名なところや、「名もなき毒」の登場人物が「ボーダー」だというのは、非常に納得できるので、作中で病名はあきらかにされなくとも精神的な障害はあるのでしょう。
 逆に考えると、小説ってそういう人物との軋轢を描くことが多いのかもしれません。
 いつもとは違う視点で読んでみるのはおもしろいですね。