非常に、おもしろかった。
これ、佐藤青南氏のデビュー作です。「ある少女にまつわる殺人の告白」(宝島文庫)。楯岡絵麻シリーズが好みだったので、本屋で発見して即買いました。
児童相談所の所長隈部の語りと、長峰亜紀という少女に関わりがあった人々の語りが交互に出てきます。読み終えて思うに、この物語を聞き取っている男性が、隈部の話を聞きながらそれまで話を聞いてきた人の話を思い出しているということなのでしょう。
亜紀は、周囲の人を巧妙に操っていることが、読んでいるうちにわかってきます。幼なじみの少年、養護施設の少年、ホームで知り合った少女、と亜紀の願いを汲み取って動いてくれた人がいる。
施設の職員からも可愛がられ、やがて自分の思うように生きていく亜紀。
この男性は、なぜ彼女のことを調べているのか。
ライターかと思われた彼は、最後に隈部に自分のことを告白します。
でも、隈部がほっとしたのも束の間、その理由がわかったとき、読者の前にある事実が浮かび上がるのです。
子猫を殺したのも。彼が息子を実家に預けるのも。
章題の「連鎖」の意味が浮かび上がるときの戦慄が、この作品の真価だと思います。
これ、佐藤青南氏のデビュー作です。「ある少女にまつわる殺人の告白」(宝島文庫)。楯岡絵麻シリーズが好みだったので、本屋で発見して即買いました。
児童相談所の所長隈部の語りと、長峰亜紀という少女に関わりがあった人々の語りが交互に出てきます。読み終えて思うに、この物語を聞き取っている男性が、隈部の話を聞きながらそれまで話を聞いてきた人の話を思い出しているということなのでしょう。
亜紀は、周囲の人を巧妙に操っていることが、読んでいるうちにわかってきます。幼なじみの少年、養護施設の少年、ホームで知り合った少女、と亜紀の願いを汲み取って動いてくれた人がいる。
施設の職員からも可愛がられ、やがて自分の思うように生きていく亜紀。
この男性は、なぜ彼女のことを調べているのか。
ライターかと思われた彼は、最後に隈部に自分のことを告白します。
でも、隈部がほっとしたのも束の間、その理由がわかったとき、読者の前にある事実が浮かび上がるのです。
子猫を殺したのも。彼が息子を実家に預けるのも。
章題の「連鎖」の意味が浮かび上がるときの戦慄が、この作品の真価だと思います。