くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「こちら警視庁美術犯罪捜査班」門井慶喜

2014-04-12 20:59:12 | ミステリ・サスペンス・ホラー
 門井さん……どんどん鯨統一郎みたいになっていると思うのは、わたしだけですか。
 わたしは初期のハートウォーミングなタッチが好きだったのですが。
 警視庁の美術犯罪捜査担当刑事になった三田村豪気。
 とはいえ、全く美術の知識がない豪気は、先輩刑事の岸すみれから基礎的な質問をされても見当違いなことばかり。モナリザすら知らない、とんでもない後輩に、呆れかえるすみれ。
 そこに持ち込まれたレンブラントのエッチング。ロダンの複製。なめるとしょっぱい仏像。キリコの絵画。ゴッホの自画像。
 贋作を作って販売しているらしい会社、天翔堂。ここの社長はすみれの元夫。二人の間には六歳になる娘もおり、忙しいすみれに代わって彼の両親が育てています。
 「こちら警視庁美術犯罪捜査班」(光文社)。
 佇まいとしては好みなんですけど。
 わたしはあんまりドタバタギャグは好きではないのかもしれません。もっと、美術にこだわりのある作品だって、門井さんなら描けると思うのですが。