群馬県大泉町には、「大泉町式服運営委員会」という全国的にも他の自治体ではみられないユニークな地域住民のための衣装貸し出しの制度があります。
その委員会での取り扱いは七五三、成人式振袖、江戸褄、訪問着、紋服、モーニング、お宮参り用など種類も豊富です。大泉町に転入された新住民が本町のこの制度を知ると驚きで、私ども古くからの住民には自慢できる事業の一つと誇らしいものでした。
「この度、諸事情により、平成27年3月末日を持ちまして、大泉町式服委員会は解散することとなりました。・・4月には即売会を行う予定・・」との告知が町公民館の通信だより『和』によって知らされました。
他の自治体にない自慢のサービス
残念です。諸事情によりの「事情」は大方察しがつきます。
採算を考えたら経費削減の対象になったということではないでしょうか。しかしこれまで長きに渡って住民への福利厚生の施しとしては、この制度は他の自治体にない先駆けた先進的な制度で、これを解消してしまうというのはもったいない気がします。単に住民サービスの後退という他に。
負担軽減で合理的な制度
先人のどなたさまが命名したのか「式服運営委員会」のネーミングも好感がもてます。制服愛用推進のアイドルグループの制服向上委員会のような響きでもありますね。おそらく発足当初の理念は、お葬式の「新生活」運動と同じようにきらびやかな式典において、町民が負担のかからないように少額で皆が式に参加し、利用が身近なものになるようにと願った合理主義からきたものではないでしょうか。その意義は今でも通ずるものだと思います。
わが家は、家族それぞれがずいぶん利用させていただきました。親切な応対と希望に叶った式服が備えてあって満足していました。先月も孫の七五三で利用=写真。気軽に借りられて本当にありがたい制度と感謝していました。突然の委員会解散には戸惑いを感じます。大泉町の他市町村に無い、誇って良い伝統の福利厚生制度がここで幕を閉じることは残念でなりません。
どうすれば、もう一度考え直してくれますか?
ぜひ考え直してほしいところです。