ポポロ通信舎

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ACTA 著作権保護かネットの自由か 

2012年08月10日 | 経済

すでに参議院を通過したACTA(アクタ)が、政局混乱のさなかで法案可決されようとしている。

ACTA(アクタ)って悪太?

ACTAとは、「模倣品・海賊版拡散防止条約」Anti-Counterfeiting Trade Agreement=ACTAの通称。8月7日TBSラジオ「Dig」が取り上げたのはタイムリーだった。テーマは「オリンピックの裏側で・・・。法案通過間近、 ACTA(アクタ)って何?」

ACTAは日本が提唱して世界に呼び掛けている条約だが、すでにEU(欧州)議会は478対39の大差で反対が決まっている。このはっきりした反応はなぜだろう。

ACTAは違法ダウンロードや海賊商品販売を規制して著作権を守るということを狙いとした条約で、たしかにこれは一見もっともに思える。しかし同条約は知的財産権保護のためにはインターネットの規制が恣意的に及ぶことが危惧される。

(1)インターネットサービスプロパイダ(ISP)への監視義務の強化(2)著作権侵害が疑われるウェブサイトの強制シャットダウン(3)ISPから捜査当局への情報提供など。

今や真実はネットから

国民の多くは、3.11以降の原発事故の真実を主にマスメディアからでなく、ネット情報を通して知ったのではないでしょうか。私もその一人です。ネットの情報は玉石混合で気をつけなければなりませんが、御用学者のコメントでまとめられた大手メディアからだけではとても真実は把握できない。年間20ミリシーベルトや100シーベルトまで「安心」「ただちに影響はない報道」を鵜呑みにしてしまうところだった。

動画サイト、ツイッター、SNSや個人ブログ(群馬大・早川教授、福島被災者の声など)、ドイツ気象局のホームページからの放射能汚染速報、これらすべてインターネットから得るものでその影響は大きかったし、もちろんこれからも同じだろう。しかし、ACTAによってこれまでのような自由な発信・公開が画像、動画、引用文のコピーなどコンテンツが、場合によっては細部にわたって検閲規制にかかることが懸念される。

ACTAの検討は2005年、小泉政権の時代に始まっていたが、その条約作りの過程は秘密裏に進められてきた。なぜ「秘密交渉」のかたちをとってきたのだろうか。これはTPPの一括パッケージ方式の決め方にもよく似ているという。中に入ってみないとわからない??
国会議員でさえもよく知らなかった・・。

条約そのもの是非の前に、事が秘密的にことが進められてきたことにも大きな疑いがもたれている。その延長でACTAが通過された参議院の様子を、三宅雪子議員が街頭で説明している=動画参照。国会議員がACTAをよく知らないまま可決している現状を素直に報告しているところは好感がもてる。

中国の批准なしでは意味がない

ACTAの主旨からいえば、海賊品問題を起こす中国が加わらないことには話にならない。ところがそこに中国はいない!
ACTAの著作権保護とネット規制は別々に考えなければならないと思う。それに本当に実効性を考えるなら6カ国とか8カ国の協定で成り立つものではない。こんなことではボーダレスなネット世界では抜け道だらけになってしまう。すでにEUが反対した時点でこの条約は意味がない。
それにしても国民の周知度がきわめて低いACTAを、このどさくさ紛れの時に可決するな!と強くいいたい。

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参考動画:欧州議会が否決したACTAを日本が推進する理由(神保哲夫VS宮台真司) 

2012 8 7 首相官邸前 ACTAデモ。「署名段階で和訳なしの条約」と訴える三宅雪子議員(群馬4区)

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