ポポロ通信舎

(旧・ポポロの広場)姿勢は低く、理想は高く。真理は常に少数から・・

脱原発の蔡英文総統

2016年10月06日 | 研究・書籍

大地は永遠なる国家である」「涙を笑顔に変えるために必死で努力していきま」(蔡 英文)


『蔡英文  新時代の台湾へ』(白水社)を読みました。

市民感覚を持つ見識ある好リーダー(台湾総統)と思いました。

今年、政権奪還するまでの8年、権力から遠ざかっていた台湾の民進党(民主進歩党)。その間、蔡英文も在野に下り一人の民間人の目に戻って社会を見つめ直してきた。それが良薬になった。
市井(しせい)では、反核運動が起こり第4原子力発電所の建設継続をめぐっては「監視する母の会」が誕生。お母さん達を中心に毎週金曜日18時から今でも抗議集会を開いているといいます。蔡英文もお母さん達と同じ脱原発の視線だ。
台湾史上空前の公民運動となった「白シャツ軍運動」や若者たちの「ヒマワリ学生運動」・・これらはいずれも脱政党的な独立主体の運動体だった。若い人たちの政治不信は既成政党とも距離を持つ、この辺も日本と同じような状況なのでしょうか。

台湾(中華民国)の政治的ポジションは実に微妙だ。まずは北京との関係、そしてアメリカや他国との提携・・。この地での政権運営は予断を許さないことの連続だろう。

民主というものの試験では台湾の人々が私の唯一の試験官です」(蔡)
この謙虚さが良い。市民の力に学ぶ姿勢で既成政党への信頼を引き寄せる。

高レベル放射性廃棄物の処理問題には心を痛めている。「大地は永遠なる国家である」の言葉は重い。蔡英文女史は、これからの新しい台湾をリードする良き総統として数々の実績を残すことになるのではないでしょうか。

 

きょうの曲は台湾のバンド、紛紛樂團の「FoxyBaby」。日本のMizの「Backseat Baby」に良く似ている♪

蔡英文 新時代の台湾へ
前原志保 監訳
白水社

 

紛紛樂團《FoxyBaby》MV

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