ポポロ通信舎

(旧・ポポロの広場)姿勢は低く、理想は高く。真理は常に少数から・・

《再読》 パパラギ (南洋の酋長の批評集)

2009年07月04日 | 研究・書籍
『みんなが同じようにたくさんお金を持ち、同じときに日なたぼっこをする、いやそういうことはありえないと、パパラギは信じている。この信念の為パパラギは金の為に残酷になる。その手が金をつかもうとするとき、パパラギの心は固くなり血は冷たくなる。あざむき、偽り、いつも不正直で危険である。金の為になんとたくさんのパパラギが他のパパラギの為に殺されたことだろう。』

この書は南の島の酋長ツイアビの演説集。
「パパラギ」とは現地語で「ヨーロッパ人、白人」のこと。
わたしがこの本を読んだのは1986年、末っ子が生まれた年だ。
親しかった英文経済誌D社のY氏から贈呈された。氏はインド好きで
海外を駆け巡り、数年後に惜しくも舌ガンで夭折された。再会すると
いきなり抱擁してくる独身のY氏。そういえば彼もどことなく素朴な
酋長のイメージがあった。

「パパラギ」は今また、静かなブームになって読み継がれているようです。
ロスジェネ世代の長女も本書を読み、とても良い感想を寄せている。

『パパラギは休むことなく物を作る、たいてい疲れて悲しそうだ。
わが村の(ポポロの?)広場で遊んだり踊ったりすることはない。』

私たちが忘れ去っている、生きることの原型を酋長の言葉の数々で
思い起こさせてくれる。
気がつくと私もすっかりつまらいないパパラギになっていた
これからは、自然と共に生きる脱パパラギをめざさないと。。


パパラギ はじめて文明を見た南海の酋長ツイアビの演説集 (ソフトバンク文庫 シ 11-1)
エーリッヒ・ショイルマン
ソフトバンククリエイティブ

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