防衛省からの多額な研究助成金が予算化されて驚いていましたら、なんとすでに2008年から2016年の間に大学やNPOなどに米軍から8.8億円の助成が行われていたのですね。
朝日新聞が分析したところ米軍からの研究費を受けていたのは大学本体ですでに104件、約6億8400万円。主な大学は件数の多い順に、大阪大学(19件)、東京工業大学(9件)、東北大学(7件)、奈良先端科学技術大学院大学(7件)、北陸先端技術大学院大学(6件)、金沢工業大学(6件)、京都大学(4件)。
研究の大義を忘れない
技術はデュアル(両面性)ユースです。インターネットやGPSにしても軍事技術が民生用に開放されて発展してきました。両者の線引きはむずかしいことは分かります。だからといって研究開発の大義、大前提(目的)をあいまいにしてはならないでしょう。
防衛省や米軍の資金提供を受けるならその研究の主導権は、完全にお金を出したスポンサーの影響下に入ります。この辺が重要なポイントだと思います。
予算は軍事目的でなく民生平和貢献で
大学が応募する理由の一つに研究室の維持などで資金が足りないからだという。それならば文部科学省にしっかり要求するべきでしょう。世論に訴えてでも。防衛省や米軍に安直に頼るのではなく。日本政府が防衛省に多額な予算付けすること自体が誤っていると思いますね。必要な研究予算はあくまで文科省に潤沢に与え確保を図ることです。安倍政権になって武器輸出で儲けようとしている姿勢が見え見えです。この政策が今回の軍学共同の流れにもつながっているように感じます。
アイクの遺訓
かつて武官出身の米国大統領アイゼンハワー(Ike)は、巨大な軍産国家になる危険性を憂いて「軍産複合体の影響力が、我々の自由や民主主義的プロセスを決して危険にさらすことのないようにせねばなりません」と退任演説(1961年1月)で警告を残しました。これは軍産学にも当てはまることです。しかしその後の歴史はどうでしょうか・・・。
きょうの一曲:『戦場に日は落ちて』。 ジョニー・ディアフィールドといえば『悲しき少年兵』が有名でした。
【木工さんの写真】矢嶋秀一作 フォト 田口大輔
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戦場に日は落ちて/ジョニー・ディアフィールド
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