ポポロ通信舎

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ホントかな「同一労働同一賃金」

2018年01月24日 | 経済

22日、首相の施政方針で「同一労働同一賃金」が2年ぶりに出てきました。「同一労働同一賃金はいよいよ実現の時が来た。雇用形態による不合理な待遇差を禁止し『非正規』という言葉をこの国から一掃する」と勇ましい。思わず拍手を送ってしまいたくなるようなお言葉でしたが、ちょっと待ってプレイバック。プレイバック♪

2012年、第二次安倍政権が再登場してから4年間で雇用者の数こそ230万人と増えたものの実にその9割がパートやアルバイト・派遣社員の非正規労働者。その割合は2016年に全労働者の37.5%まで上昇し過去最高記録している。この間の政権ご担当はどなたでしたっけ?突然「一掃する」といわれてもにわかには信じられません。

非正規クライシス』(朝日新聞出版)によりますと、2年前の施政方針でも「同一労働同一賃金」の実現に踏み込む、と同じように言い切っていました。

「同一労働同一賃金」は同じ仕事なら同じ賃金を支給するということ。これはむしろ労働組合側から要求してきたものでしょう。
なぜ、安倍首相が労組の委員長のような形で今「同一労働同一賃金」を語るのでしょうか。『非正規クライシス』ではその理論的支柱は水町勇一郎東大教授(労働法)の研究を参考にしていると解説。フランスやドイツの労働裁判を研究した水町教授は、実際の運用は画一的ではなく「合理的でない格差を禁じる」というもの。日本語の解釈はむずかしい。「格差を禁じる」というなら分かりやすいが、文の前に「合理的でない」が付くと意味が変わってくる。もし合理的であれば「禁じない」ということになります。手品のようですね(笑)

「同一労働同一賃金」では一見“労組委員長”の顔。それとともに施政方針では「専門性の高い仕事では、時間によらず成果で評価する制度を選択できるようにする」として過労状態の強化になるとして危惧されている「高度プロフェッショナル高プロ制度」新設の必要性を臭わせている。ここでは反労働者的な経営者の顔。

「同一労働同一賃金」・・今後どのような効力が働いて運用されるものになるのか、期待はしないで注意深く見守っていきます。

 

非正規クライシス
2017/11発行
朝日新聞出版


夢見る同一労働同一賃金?

「夢見るシャンソン人形」のフランス・ギャル(70歳)逝去。合掌

フランス・ギャル【夢見るシャンソン人形】(日本語字幕)

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2 コメント

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あけおめですー (ジャッカル)
2018-01-25 13:00:38

高プロは、ホワイトカラーエグゼンプションの焼き直ししょ。W・Eは年収400万円が対象だったけど。いづれ基準を下げて「残業代ゼロ」がまかり通るんじゃ??

非正規の一掃は呼び方の変更程度ならいつでもできるよね。それともみんなが非正規一本になればそれも一掃か。あべちんのコトバにだまされちゃダメよね。

ぽぽろは今年も辛口ブログでがんばってくれ!!!!!
返信する
ジャッカルさん (popolo)
2018-01-30 18:40:05
お久しぶりです。
レスが遅れ失礼しました。

今年もジャッカルさんのするどい臭覚でコメントをよろしくお願いいたします。
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