大震災でまたひとり、「信念の人」を見つけました。
福島県南相馬市長、桜井勝延さん。
東日本大震災に見舞われてた南相馬市からSOSをYouTubeから発信し、米「タイム」誌から「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた人物。
「原発事故で生き様が問われたように、もともと生き様が問われている地域(南相馬市)なのよ。地方はどこでも問われている。中央政治、税制の問題も中央が栄えるだけの政治スタイルをやっちゃこの国全体が滅亡していくよ」
南相馬市は、原町市、小高町、鹿島町の3市町が合併して一つになったまちだ。今回も各地域意識からの不満が出たという。放射線量は同心円で単純に区分けすることはできない。官僚が決めた「同心円」による区域指定でなく「線量」に応じた指定を桜井市長は考えていた。もちろん合併後の市としては、旧市町を一体的にとらえて対応してきた。震災に乗じて再燃した旧市町の住民のあつれきはむずかしかったようだ。
げんばが、げんばに来ない・・
「政治家も霞が関も根性がないのかな。要は現場を歩いてないからわからない。現場感覚が一番大事だ・・。福島選出の玄葉光一郎さん(当時特命担当相)が来たのは7月過ぎ。『げんば(玄葉)がげんば(現場)に来ない』と冗談っぽく言ってやった」。SPEEDIのデータが被害したまちの現場に降りてこないのは何だったのだろう。情報は出たとしてもそれは被災地よりもメディアが先になる。これもおかしい」
被災地の第一線で奮闘する現場の市長の一言一言はもっともだ。
桜井氏が市長に立候補した理由の一つは産廃問題だった。首都圏のゴミ焼却の処分場建設をめぐってだった。畑、農業用貯水池を守る酪農家の立場で対応を余儀なくされた形だ。
がれきは現地復興工事に
今、がれき処理をめぐっては「がれきは復興の貴重な資産。護岸工事などに使いたいが不足している状態。宮城から運んできたいと相談したら、放射線量が不明だから動かせないと言ったのは官僚だ」と、広域焼却せずに現地での防潮林、防風林などに再活用したいのが南相馬市役所の意向だ。
桜井市長は酪農家、政治家(市長)、オンブズマン(市民活動家)、農芸化学者・・と自身が尊敬する宮沢賢治にまけないさまざまな顔をもつ“宇宙人”。
闘う市長桜井勝延、まだまだ舞台から降りずに、あばれ抜いてほしいと思います。
話題になったYouTubeでの南相馬市発SOS 2011.3.24
闘う市長―被災地から見えたこの国の真実 | |
語り手:桜井勝延(福島県南相馬市長) 聞き手:開沼 博(社会学者) |
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徳間書店 |
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